| 今後、ポルシェ918スパイダー、ラ・フェラーリもはやり「バッテリー交換問題」に直面することになりそうだ |
加えてマクラーレン、アルトゥーラ、フェラーリ296GTB/GTS、ランボルギーニ・レヴエルトも同様である
さて、2014年製のマクラーレンP1が米オークションサイト、Car & Bidsに登場し、同サイトの最高落札記録を更新しそうだとして話題に(現時点で最高入札額は132,600ドル=約2億円)。
ただ、このマクラーレンP1には価格以外にも注目すべき事情があり、それは「(ハイブリッドシステム用の)バッテリー交換のための費用の一部が含まれていること」。
これが一体何を意味するのかを見てみましょう。
マクラーレンP1のバッテリー交換費用は約2350万円
マクラーレンP1はおよそ10年前に発売されたハイパーカーで、当時はポルシェ918スパイダー、ラ・フェラーリとともに「ハイパーカー御三家」と称されたものですが、これら3台に共通するのが「ハイブリッド」であるということ。
そして少し前(数年前)から、これらハイパーカー御三家が納車開始から10年を迎えるに際し「そろそろバッテリーを交換する必要が生じるのでは」という話が聞かれるようになり、そしてこれらのバッテリー交換費用が非常に高額であることは想像に難くなく、よってその費用負担がこれら3車の取引相場に影響する可能性も囁かれていたわけですね。
そんな中でマクラーレンはいち早くハイブリッド用バッテリーの交換プログラムを発表していて、これは「技術の進歩とともに大幅に軽量になった新型バッテリーへと入れ替える」というもので、ただし発表された2022年の時点ではそのコストについては案内されておらず、発表されたのは「35,700ドルの保証金にて交換の予約を受け付ける」という内容のみ。
ただ、このプログラムに反応したP1オーナーは非常に多く、現在でも「バッテリー入荷待ち」状態が続き、なかなか交換が進まないと言われていますが、今回オークションにて販売されているP1もまたそういった「バッテリー交換プログラム」に対する保証金を支払った一台です。
マクラーレンはその後、バッテリー交換プログラムの総額を156,700ドル(約2350万円)になると発表したため、今回このマクラーレンP1を購入したオーナーは156,700ドルから、保証金の35,700ドルを引いた金額、つまり121,000ドルにてバッテリーを「より軽量な新型へ」交換できるということになり、いつかは交換しなければならないハイブリッドシステム用バッテリーを安価で交換できる、そしてその順番が早く回ってくるであろうこの個体に人気が集まるのは当然のことなのかもしれません(加えて、現時点でもこのP1に積まれるバッテリーには何の問題もないという)。
なお、このマクラーレンP1のボディ外板はサテン仕上げのエクスポーズドカーボンファイバーとグリーン(フュージョングリーンと名付けられたMSO専用色)とを組み合わせた珍しいコンビネーションを持っており、インテリアカラーはブラック一色。
走行距離は4,700マイルにとどまり、サービス履歴を記した記録簿、2つのキー、ハイブリッドバッテリー用充電器と充電器ケース (あわせて30,000ドル)、およびカーカバーも付属するといい、コレクションとしても非常に高い価値を発揮するものと思われます。
ただ、こういったP1の事情を見て思うのは、マクラーレン・アルトゥーラ、フェラーリ296GTB/GTS、ランボルギーニ・レヴエルトなどの最新ハイブリッドスポーツも「やがては」ハイブリッド用バッテリーの交換を行う必要が生じることとなり、その際の費用負担は消して安いものではなく、これがオーナーを悩ませたり、さらには中古相場に影響を及ぼすことになるのかもしれません。
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参照:Car&bids