| 一方、MONA M03のデザインには比較的「中国ではポピュラーな」手法を採用してきた |
現時点では「AIの使い道」は明かされず、しかし追々語られることとなるだろう
さて、中国の新興EVメーカー、Xpeng(シャオペン=小鵬)が新しい「MONA」シリーズを発表し、その最初の車両がXpeng M03と呼ばれ、コンパクトなピュアエレクトリックセダンとして位置付けられるとアナウンス。
このMONA(モナ)は「Made Of New AI」の略で、その名の通りインテリジェントな運転に重点が置かれたクルマであり、タクシーアプリで知られるDidiが設計と部分的なR&D、販売を担当し、Xpengが残りのR&D、サプライチェーン、製造、および一般消費者への販売を担当すると説明されています。
なお、興味深いのは、このMONAは当初独立したブランドになると言われていたものの、実際にはシャオペンブランドから一つのシリーズとして発売されるということがわかっていて、ここには資本など何らかの事情があったのだと思われます。
Xpeng MONA(M03)はこんなクルマ
このMONA第一号「M03」は中国車の”お約束”を多数盛り込んだクルマでもあり、ツルッとしたフラッシュサーフェスに格納式ドアハンドル、バー状のLEDデイライトランニングランプ、さらにはファストバック形状を持つセダンボディといった特徴を持っています(つまり、これがいま中国でもっとも指示されている様式である)。
XpengのCEO、何小鵬氏によれば、Xpeng M03は同ブランドのFuyaoアーキテクチャに基づいており、これにはXNGP(Xpengナビゲーションガイドパイロット)とX-EEA3.0電子/電気アーキテクチャが含まれ、バッテリーサプライヤーはBYD、そして一回の満充電あたりの航続距離は500kmを超えるとのこと。
Start a new journey with #XPENGMONAM03. pic.twitter.com/LcUpNthVzD
— XPENG (@XPengMotors) June 12, 2024
シャオペンは「AI」をその強みとする
なお、現在中国には(ずいぶん減ったといえど)160ものEVメーカーが存在するといい、それらは生き残りをかけて熾烈な争いを繰り広げています。
そして生き残りの手段として「自動運転」や「価格」、「オフロードに特化」「レンジエクステンダーを内蔵して航続距離を最大化」といった様々な特徴が見られるものの、シャオペンに関しては「AI」を強く押し出したプロモーションを行っており、そしてこのMONAシリーズはさらにそれを強く押し出したクルマとなるのかもしれません。
現時点ではまだこのM03の「どういった部分にAIが採用され、何ができるのか」については公開されていませんが、追加での情報が待たれるところであり、そしてこのM03は「中国ならでは」の独特の進化を遂げたクルマなのだと推測しています。
Customizable, end-to-end smart driving journeys now available with AI Valet Driver. It's like a personal chauffeur who drives your preferred routes.
— XPENG (@XPengMotors) May 30, 2024
Enjoy up to 10 personalized routes, each up to 100km.#XPENGDriveChange pic.twitter.com/LDErQmuMqR
実際のところ、中国新興自動車メーカーは、欧米の自動車メーカーのように「確立されたブランドバリューや販売網」を持つわけではなく、知名度ゼロからスタートしているところが大半で(例外はシャオミなどの他業種からの参入)、そのため勝ち残ってゆくには欧米の自動車メーカーよりも遥かに厳しい修羅場をくぐり抜けなければならないのだと思われます。
そして、その修羅場を生き延びるための武器を持たないものは淘汰されることになるわけですが、時にその武器が「えっ」というような飛び道具であることも少なくはなく、そこがまた中国車の面白いところだと考えています。
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