
| ついに「その時」が来る?数十年の歴史を誇るグローバル支配の終焉 |
記事の要約(ポイント3選)
- 勢力図の激変: トヨタとVWが8割を占めていた主要セグメントのシェアが2030年には約6割まで急落する見通し
- 中国の「Globalization 2.0」: 単なる輸出から現地生産(タイ、ハンガリー等)へシフトし、世界シェア33%超えを狙う
- テスラとインドの躍進: テスラのシェアは現在の2%から8%へ4倍増、インド勢(タタ、マヒンドラ)もグローバル市場へ参戦
なぜ中国車は「強すぎる」のか?3つの勝因を分析
長年、世界の自動車市場はトヨタとフォルクスワーゲン(VW)という2つの巨人が支配してきましたが、2026年現在、その歴史は大きな転換点を迎えています。
スイスの投資銀行UBS、そしてコンサルティング会社アリックス・パートナーズ(AlixPartners)の最新分析によると、中国の自動車メーカーは今後5年以内に世界市場の3分の1を支配する可能性が高いことが明らかになり、これは単なる一時的なトレンドではなく、製造コスト、供給網、そして「スピード」における圧倒的な差が生んだ不可避な勢力図の書き換えを示しています。
既存メーカーがEVシフトの減速や不透明なリターンに苦しむ中、なぜ中国メーカーだけが加速を続けられるのか、その背景を考えてみましょう。
-
-
世界自動車販売トップに立った中国の自動車業界。メーカーごとの業績が発表され、この「発表の速さ」そのものがチャイナスピードと中国の強さを示している
| 爆売れのシャオミと目標達成率33%に沈んだ老舗の「衝撃の格差」 | 【この記事の要約】 新興勢が躍進! シャオミ(Xiaomi)や小鵬(Xpeng)、零跑(Leapmotor)が年間目標を大幅に超 ...
続きを見る
中国勢の強みと進出状況
| 項目 | 詳細 |
| 開発スピード | コンセプトから量産まで約20ヶ月(欧米勢の約半分) |
| コスト優位性 | 垂直統合と安価なサプライチェーンにより競合比35%のコスト削減 |
| 海外拠点 | タイ、ブラジル、ハンガリー(BYD)、インドネシア等に現地工場を設立 |
| 収益構造 | 海外市場での利益率が国内を大きく上回るケースも(最高50%) |
現地生産(ローカリゼーション)が鍵
これまでの「中国で作って輸出する」モデルから、「現地で作り、現地で売る」戦略(Globalization 2.0)への移行が加速しており・・・。
- 欧州: BYDがハンガリーに大規模工場を建設し、高い関税障壁を回避
- 東南アジア: タイではBYD、長城汽車、SAIC、長安汽車などが既に組立工場を稼働
-
-
BYDがEUの関税を回避するためトルコに工場を建設すると発表。なおトルコはこの混乱に乗じ中国の自動車メーカーの誘致を図るなど水面下で動いているようだ
| トルコにとってはEUの「対中国関税」は思わぬチャンスということに | トルコで自動車を生産しEUへと輸出すればトルコ内の関税は免除、EUでの関税もゼロ さて、つい一週間ほど前には欧州が中国製EVに ...
続きを見る
テスラの躍進と「第3の勢力」インドの影
今回の発表だと「トヨタ」「フォルクスワーゲン」という世界2大ブランドの販売が縮小すると予測されているのですが、驚くべきことに「中国勢の独走を許さないのがテスラ」だとも。
現在テスラも「中国勢に押されて」そのポジションを落とし続けている状態にあり、しかしUBSの予測ではテスラのグローバルシェアは現在の2%から8%へと拡大する見通しを示しています。
-
-
【歴史的転換】テスラがついにEV販売世界首位から陥落。中国BYDが「226万台を販売してテスラの164万台を上回り、EVシフトは「中国メーカー主導」のフェーズに突入
| かつてはBYDを「鼻で笑っていた」イーロン・マスクではあるが | 【この記事の要約】 2025年通年のEV販売台数で、BYD(226万台)がテスラ(164万台)を初めて年間で上回り世界首位に テス ...
続きを見る
イーロン・マスク氏が掲げる2030年の「2,000万台生産」目標が達成されれば、単一ブランドとしてトヨタやVWを凌駕する存在にはなりますが、テスラはこの台数を満たすだけの生産設備を現在保有しておらず、しかし今のところギガファクトリーを新設するという動きが見られないため、UBSの予測の「根拠」については興味のあるところ。
-
-
テスラがカナダにギガファクトリーを建設との報道。「2030年に2000万台」という計画を実現するためにはあと6〜8もの工場建設が必要
| これまでの報道を見る限りだと、テスラの「カナダにギガファクトリー」は間違いなさそう | ここからの生産ペース急拡大に期待したい さて、テスラがカナダのオンタリオ州にギガファクトリーを開設すべく動い ...
続きを見る
さらにインドの動向も見逃せず、タタやマヒンドラといったメーカーが”中国から輸入した”EVサプライチェーンを活用しつつ自国市場でのシェアを固め、グローバル展開を虎視眈々と狙っている、と報じています。
実際のところ「どうなるか」はわからないものの、古い体勢や設備に縛られて「身動きが取れない」既存自動車メーカーよりも、「新しいことにチャレンジできる身軽さを持つ」新興メーカーにとって有利な時代がやってきた、ということなのかもしれません。
業界の新常識:プラットフォームの集約
専門家は、将来的に自動車市場は10〜15の主要な「プラットフォーム・オーケストレーター」に集約されると予測しており、これまでの「自動車メーカー」という枠組みを超え、巨大テック企業とOEMが融合した少数の勝者が、市場を分け合う時代がやってくるとも予想しており、これは現在の中国市場にて見られる端的な動きでもありますね。
-
-
トヨタ中国、電動化とAI戦略を加速|シャオミ、ファーウェイ、モメンタとの提携を発表。生き残りをかけ「敵とも手を組む」トヨタの真意とは
| やはり中国向けのクルマは中国で開発するのが「一番」 | トヨタ中国、「中国R&D 2.0」で電動化・AI戦略を本格始動 トヨタ自動車と広州汽車(GAC)との合弁会社であるGACトヨタが、自 ...
続きを見る
結論:ボクらは「歴史の目撃者」になる
2030年、ぼくらが街で見かけるクルマの3台に1台は中国ブランドになっている可能性も否定できず(実際、衣類や家電、その他の製品はそれ以上の比率で中国製となっている。中国ブランドではないけれど)、トヨタやVWといった既存の王者が生き残るためには、これまでのビジネスモデルを根本から見直し、中国勢が持つ「開発スピード」と「コスト構造」に対抗する必要があるのもまた事実。
クルマを選ぶ消費者にとっても、ブランド名だけで選ぶ時代は終わり、「ソフトの使い勝手」や「エネルギー効率」といった、スマホ選びに近い感覚がより重要になってゆくことが予想されます。
合わせて読みたい、中国関連投稿
-
-
【新潮流】中国、EVの「目」を世界最高水準へ。吉利・NIOら30社が集結し「照明品質向上プロジェクト」発足、今後これが世界基準に?
| いまや中国市場の「トレンド」「規制」は世界中の自動車メーカーにとって無視できない存在に | この記事のポイント(要約) 業界を挙げた大号令:中国自動車工業協会(CAAM)主導にて、NEVの照明・視 ...
続きを見る
-
-
【崩壊の足音】2026年には中国にてEVメーカー50社が消える?迫る「大淘汰」と生き残る“勝者”の条件とは
| 中国にはピーク時に600ものEVメーカーが存在したと言われるが | この記事のポイント 2026年、中国のEVメーカー約50社が事業縮小または閉鎖に追い込まれるとの衝撃の予測 政府の補助金(約43 ...
続きを見る
-
-
2025年、中国車が「20年続いた世界自動車販売の王者」日本車をついに抜く。BYD、吉利汽車が世界TOP10に入り「業界の終焉と再生」が急速に進行
| いずれこの時がやってくるとは考えていたが | この記事のポイント(30秒でわかる要約) 2025年の世界販売台数で、中国メーカー(約2700万台)が日本メーカー(約2500万台弱)を初めて上回る見 ...
続きを見る
参照:CARSCOOPS
















