| たしかにボクがEV(BMW i3)に乗っていたときも「トラブル続き」だった |
高級車はあまりに多くの装備が盛り込まれており、これが逆に「ウザい」と思われることも
さて、JDパワーが毎年おなじみ初期品質調査 (IQS) の結果を発表。
今回の集計(新車のオーナーによるクレームやトラブル)は米国にて行われたものですが、その結果にはいくつかの注目すべき点が存在します。
まずひとつ目は「EVのほうがガソリン車よりも3倍も多く問題が報じられている」ことで、しかしEVは一般に(ガソリン車に比較して)部品点数が少なく、ガソリン車のように振動や騒音を発生させる内燃機関が存在しないため、NVHに関するクレームが多くはないはずだと言われています。
なぜEVのトラブルが多いのか
上述の通りEVは内燃機関搭載者に比較すると構造がシンプルであり、とくに可動部品が少ないはずですが、JDパワーの行った調査結果によれば「バッテリー電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)は、すべての調査を行ったカテゴリにて、ガソリン車よりも多くの修理が必要なことが示されている」。
そしてこの調査結果における興味深い事実は、「テスラとそのほかのEVとでは、トラブルやクレーム発生頻度に差がないこと」。
よく報じられるように、現在テスラのシェアはどんどん下がり続けており、しかしそれにもかかわらずEV全体の問題発生指数が上昇しているということは「テスラ以外のEVの品質がさほど高くない」ということを意味しており、実際にJDパワーが過去に実施した調査ではテスラのほうが(ほかのEVよりも)優れたスコアを記録しているのだそう。
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実はプレミアムカーメーカーの方が消費者は多くの不満を感じている
そしてもうひとつの意外な事実は「プレミアムカーにおいて、多くの消費者が(普及価格帯のクルマよりも)不満を訴えている」こと。
普及価格帯における不満指数は100台あたり181であるのに対し、プレミアムカーメーカー全体だと(平均して)これが232となっています。
一般にプレミアムカー=高級車のほうが品質が高いという印象があるものの、(今回の調査結果によれば)事実は「逆」となっていて、この理由は「消費者はプレミアムカーに過剰な期待を抱いており、よって少しの問題であっても不満に思う」「プレミアムカーは多くの装備が盛り込まれており、それがアダとなっている」からなのだそう。
たとえば、親切な各種運転支援装置については「誤作動」「おせっかい(動作しなくてもいいときに警告を発する)」という点での不満が挙げられ、さらにはAndroid AutoやApple CarPlayとの接続に関する不満も相変わらず多く、つまりは「標準装備される機能が増えれば増えるほど」それに付随する不満が増えてしまうというジレンマを抱えているようですね。
参考までに、普及ブランドでもっとも不満が少なかったのはラム(149)とシボレー(160)、ヒョンデ(162)であり、プレミアムカーブランドだとポルシェ(172)、レクサス(174)、ジェネシス(184)の順。
ちょっと面白い内容だと「車内臭」について、”キアと日産以外”での不満が増加しており、この分野で日産の不満が少ないのは「ニオイマイスター」がその才能を発揮しているためかもしれません。
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参照:J.D. Power