| マクラーレンは2028年の「新型SUV」の開発に向け、様々な案を検討しているものと思われる |
そしてこのSUVはマクラーレンにとっての救世主となる可能性が非常に高い
さて、マクラーレンはP1後継となるハイパーカーの発表を控えており、ここから「マクラーレンの新たな章」が始まるものと見られています。
そしてこの新しい時代はマクラーレンの新CEO、マイケル・ライタース氏によって率いられることとなり、同氏はフェラーリでプロサングエ、ポルシェでは初代カイエンの開発を主導してきた人物。
つまりマクラレーンの株主は「マクラーレンにSUVをもたらすべく」同氏を起用したと考えて良いかと思いますが、実際のところ「まずはスポーツカーラインアップを安定させ、そこからSUVの開発にかかる」と言われています。
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マクラーレンはSUVを発売する前にまず「黒字化」「経営の安定化」を優先するもよう。よってSUVの発売はそれらを達成したのち、早くても2028年に
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マクラーレンは新型SUVと見られる特許を出願
そして現在、マクラーレンはアルトゥーラの品質安定させ、新型ハイパーカーの開発も一段落している状況だと思われますが、そこで次なるプロジェクトとして浮かび上がるのが「SUV」。
これまでの(マイク・フルーイット)CEOのもと、マクラーレンは「SUVだけは絶対に作らない」という方針を貫いていたものの、それがちょっと前のマクラーレンの窮状を招いたと考えてよく、よって現在のマクラーレンは方針を転換し、「2名よりももっと多くの人間が乗れるクルマ」の開発を模索しているわけですね。
ただ、このジャンルはマクラーレンにとって全くの未知数であり、よってマイケル・ライタースCEOは他社とのプラットフォームの共有によって開発を進める「シェアード・パフォーマンス」なる考え方を打ち出していて、これによってマクラーレンは未経験の分野においても「よりスピーディーに、よりコストを抑えて」の開発、そして参入が可能になるものと思われます。
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そこで今回マクラーレンが出願したことが明らかになったのが「4WDシステム」に関する特許であり、特許図面と説明からは「(この駆動システムが搭載されるプラットフォームが)ガソリン車、プラグインハイブリッド、EV」いずれにも適応可能だとされ、ガソリン車の場合だと「フロントエンジン」レイアウトを採用していることがわかります。
そして興味深いのが「前後の駆動力の切り離しによって、抵抗を軽減して効率性を向上させるほか、ハンドリング特性を変化させることができる」という出願内容であり、4WDあるいはRWD(物理的にはFFも可能)へとスイッチひとつで変化させることで様々なシーンにおける様々な使い方が可能となるわけですね。
なお、特筆すべきは(ガソリンエンジン搭載の場合)リアにはエンジンからのパワーが伝達されないということで、かわりに「ドライブ コントローラーを介して複数のモーターを使用する」ことが記載されています。
つまりプラグインハイブリッド車の場合は「前輪はガソリンエンジン、後輪はエレクトリックモーター」によって駆動され(クラウンスポーツと同じ)、RWDの場合はピュアエレクトリック駆動ということに。
現時点ではまだマクラーレンのSUVがどういったクルマになるのかはわからず、今回の特許についても「ドライブシステムの候補の一つ」なのだとは思われますが、現代ではスポーツカーメーカーがSUVを発売することに抵抗を持つ人はほとんどいないものと思われ、むしろそのブランドのファンにとっては「家族で移動できる手段が増えた」ことを喜ぶのかもしれません。
よって「マクラーレンのSUV」についても、(実際に発売されれば)既存のマクラーレンのスーパーカーオーナーが「買い増し」する可能性が非常に高く、つまりはスーパーカーの代替ではなくスーパーカーオーナーのライフスタイルを補完する形となり、いっそう(オーナーやファンの)ブランドに対するロイヤリティを高める結果になるだろうと考えています。
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参照:CARBUZZ, WIPO