| 現在の「EVの伸び悩み」「富裕層のガソリン選考」を考慮すると、マクラーレンはこの時点でEVを選択すべきではないだろう |
いずれにせよ、2,024年中には開発パートナーとの契約を結びたい意向である
さて、マクラーレンがSUVの開発に向けて動いていることは周知のとおりですが、これについてはマクラーレンCEO、マイケル・ライターズ氏が他社のプラットフォームを使用することを示唆し、「シェアード パフォーマンス」とも呼んでいることも明らかになっています。
このSUVはランボルギーニ・ウルスやアストンマーティンDBXの価格帯を超えてロールス・ロイス・カリナンやフェラーリ・プロサングエの域に達することもわかっており、そして今回、マクラーレンにてグローバル コミュニケーション責任者を務めるピアーズ・スコット氏がさらに追加にて情報を提供することに。
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まだまだマクラーレンのSUVは「様々な可能性を秘めている」
ピアーズ・スコット氏によれば、このマクラーレンがSUVについては「現在さまざまなオプション(選択肢)を検討中」。
その選択肢には「プラットフォーム、パワートレイン、デザイン」など根幹に関わる部分が含まれており、場合によっては「2ドア」という可能性もあるもよう(ただ、マクラーレンはかねてより2座以上のクルマを投入する必要があると述べており、2ドアであっても2座以上になるのは間違いない)。※つまり現段階では「SUVを作る」ことは決まっているが、「どんなSUVを、どうやって」というところまでは決まっていない
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そしてプラットフォームについては、すでに語られた「他社との共有」のほかにも「自社開発」という選択肢があり、しかし自社でこれを開発しようとなると10億ポンド(現在の為替レートだと2020億円くらい)もの大金が必要となるそうで、これはマクラーレンが売却した本社の金額の約9倍、そして2022年から今年春までに投資家から集めた資金の約二倍。
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更に言うならば、2000億円を得るには(単純計算で)2万台を売る必要があるとも報じられていて、これは今のマクラーレンにとっては(生産能力含め)到底不可能なレベルです。※マクラーレンは今後10年かけて8,000台に到達することを目指している段階である
マクラーレンはBMWとプラットフォームを共有?
よって、現実的に考えるならば、マクラーレンは他社の開発したプラットフォームを「共有」」するのがベターとなるわけですが、驚かされるのはピアーズ・スコット氏が「BMWが選択肢の1つになる可能性がある」と述べたこと。
これまでにもBMWとのパートナーシップが囁かれたことはあるものの、実際にマクラーレン内部の人物が実名でこれを認めたのは(おそらく)今回がはじめてで、となると(マクラーレンの求めるパフォーマンスを実現させようと考えた場合)XMがベースとなるのかもしれません。
ただ、マクラーレンは上述の通り「様々な選択肢」を検討していて、その中には「ピュアエレクトリック」というカードも含まれており、その場合だとパートナーは東南アジアの会社になるかもしれないと述べています。
ただ、東南アジアと言っても自動車メーカーの数は多くなく、プロトンやヴィンファスト、ユーロンとEVプラットフォームをシェアするとは考えられないため、実際には「中国のEVメーカー」との協業が現実的ではないかと思われます。
このほか、ピアーズ・スコット氏は「テスラとは交渉していない」「ルシードとの協議も俎上にあがっていない」とも述べていますが、いずれにせよ「2024年中には開発パートナーとの契約を締結したい」ともコメントしており、さほど遠くない未来にはなんらかのニュースを聞くことができる可能性もありそうですね。
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参照:CARSCOOPS