Image:Porsche
| この993スピードスター「LT」には細部に至るまでオーナー、そしてポルシェの愛情と情熱が込められている |
当時は一般的ではなかった「ブラックアクセント」、最新の「クワッドLED」がまさに秀逸
さて、ポルシェは新車購入時の通常オプションに加え、ちょっと特別なオプションである「エクスクルーシブ」、ワンオフの内外装仕上げを実現できる「エクスクルーシブ マヌファクトゥア」、さらに新車購入時のほか、すでに納車された車両を自由にカスタムできる「エクスクルーシブ マヌファクトゥア ソンダーヴァーシュ」といったパーソナリゼーションプログラムを展開していますが、この「エクスクルーシブ マヌファクトゥア ソンダーヴァーシュ」では「パナメーラのオープン」など、つまりどんな仕様でも実現可能だと言われています。
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ウワサには聞いていたが、まさかこんなことができるとは
そして今回ポルシェが「公式」として公開したのが993世代のスピードスター。
ポルシェは964や996、991世代では「スピードスター」を発売しているものの、993世代での正式な製造販売はなく(正確に言えばポルシェ創業者一族のために1台、コレクターであるジェリー・サインフェルドのために1台、ポルシェの修復作業の一環として1台の合計3台のみか特別にが作られている)、よって今回公開された「ポルシェが自ら手掛けた、993世代のスピードスター」はとんでもなく貴重な一台です。
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なお、このソンダーバーシュ(Sonderwunsch)とは「特別な願い」を意味しますが、今回ポルシェに願いをかけたのはイタリア人デザイナーのルカ・トラッツィ氏。
かねてより自身のコレクションに993スピードスターをポルシェ スピードスターのコレクションに 993 を欲しがっていたといい、しかし上述のとおりポルシェは公式には993スピードスターを製造したことはなく、よって今回の例は「わずか4台目」。
ルカ・トラッツィ氏はこのポルシェ993スピードスター(同氏のイニシャルを取って”スピードスターLT”と命名されている)の製作に際しポルシェのチームと共同にて自身でもデザインを行ったと説明されており、ベースとなるのはもちろん993カブリオレ。
フロントスポイラー、サイドスカート、リアクォーターパネルなどのトリムパーツの一部は993ターボにインスピレーションを得たとされ、後輪の前にあるシャークフィンロックプロテクター(ストーンガード)は、1989年のオリジナルの911スピードスターを彷彿とさせるもの。
エンジン、シャーシ、ブレーキなどのランニングギアはすべて993カレラRSから移植され、3.8リッター・フラット6エンジンは300馬力を発揮します。
そのほか、ルカ・トラッツィ氏の愛犬オットーにちなんで名付けられたオリジナルのイエロー、ブラックのインナーを持つヘッドライト(現代のポルシェが持つクワッドLEDデイタイムランニングランプ内蔵)、スモーク仕上げのレンズ類、イエローのピンストライプが入るブラックのホイール、ワンオフ仕様の砲弾型ドアミラー(991スピードスターのコンセプトモデルに採用されていたものと似ている)、そしてカットされピラーを最小限の容積に抑えたフロントスクリーンなどユニークな要素がてんこ盛り。
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この993スピードスターLTは個人向け「ワンオフモデル」第一号である
そしてこの993スピードスターLTのインテリアに目を向けると、ブラックレザーにイエローステッチ、シートにはイエローのチェッカーパターン、そしてイエローメーターに専用デザインのステアリングホイールなどこれまた特別な仕上げが満載です。
ポルシェは数年前からこの「ワンオフ」つまり「エクスクルーシブ マヌファクトゥア ソンダーヴァーシュ」を正式にスタートさせており、2022年に996「スポーツクラシック」を1台のみ製作しオークションにかけた例があるものの、今回のスピードスターLTは個人向けとしては初の個体となるのだそう。
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もちろん今回の料金は「非公開」ではありますが、自分だけのポルシェが欲しい場合には「他に代えがたい手段」がこのエクスクルーシブ マヌファクトゥア ソンダーヴァーシュで、数あるポルシェのレストモッダーに加え、ここに新たな選択肢が登場したということになりそうですね。
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参照:Porsche