| 現時点では予想落札価格は算出されていないが、前例がないだけに価格の予想ができないのかも |
コレクターズアイテムとしての価値は非常に高く、とんでもない額での落札も期待される
さて、ちょうど1年前のこととなりますが、ポルシェのクラシックモデル担当部門「ポルシェクラシック」と、アメリカのポルシェ公認のクラブ「ポルシェ・クラブ・オブ・アメリカ(PCA)」とが協力し、996世代の911をレストモッドしたのはまだ記憶にあたらしいところかと思います。
この911クラシック・クラブ・クーペは997世代の911スポーツクラシックの成功に触発されたもので、997スポーツクラシックと同様のボディカラーやダックテールスポイラー、マニュアル・トランスミッション、”ペピータ”内装を持つというワンオフモデル。
そして今回、その(996)911クラシック・クラブ・クーペがブロード・アロー・オークション経由にて競売に供されるとアナウンスされているわけですね。
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911クラシック・クラブ・クーペはこんなクルマ
この911クラシック・クラブ・クーペのベースとなるのは1991年モデルの996型911カレラで、ポルシェクラブ・オブ・アメリカが本国ドイツのポルシェ・クラシックへと持ち込むことによってレストモッドが進められています。
搭載されるのは996.2 GT3の3.6リッター・フラットシックス、最高出力は381PS/385Nm、さらにはブレーキとサスペンションも996.2世代の911GT3から拝借したもので、そのパフォーマンスは文字通り「GT3レベル」。
さらにポルシェは、「スポーツクラシックらしさ」を追求するためにフックスホイール、GT3スペックのバンパーとサイドスカート、カスタムダックテールスポイラー、ダブルバブルルーフを与えたほか、スポーツグレーメタリックのボディカラーに”スポーツグレーライト”と”クラブブラウ”のレーシンググラフィックを施すことに。
インテリアでは、パーフォレイテッドアルカンタラヘッドライナー、ブルーのコントラストステッチ、かの有名な(クラシックポルシェに採用されていた)千鳥格子柄のシートとドアパネルが採用されています。
一方でApple CarPlayとAndroid Aut対応となる最新世代のポルシェ・クラシック・コミュニケーション・マネジメント・プラス(インフォテインメント・システム)がレトロフィットされるなど、現代的なアップデートも施されていることが特徴です。
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この911クラシック・クラブ・クーペの予想落札価格や収益金の用途は明かされていないものの、おそらくはポルシェ史上有数の高額落札となり、その金額の多くは慈善事業へと寄付されるものと思われます。
ポルシェ911「スポーツクラシック」はひとつの”定番”に?
上述の通り、今回の911クラシック・クラブ・クーペのデザインモチーフは、2010年に発売され、しかしアメリカには輸入されなかった「911スポーツクラシック」。
これは997世代の911をベースにしており、1973年のカレラRS2.7、つまり「ナナサンカレラ」をイメージしたクルマで、専用のフロントバンパー、ダックテールスポイラー、ダブルバブルルーフ、フックス風ホイールが与えられ、機能面だとカーボンセラミックブレーキに可変エキゾースト、インテリアだとシックなコーヒーブラウンレザーにペピータ(千鳥格子)柄のシートが採用されているという、「機能的には最先端、しかし見た目はレトロな」モデルです。
この911スポーツクラシックのベースは911カレラSで、トランスミッションは6速マニュアルのみ、生産台数は250台に絞られ、発売開始後24時間以内にすべてが売れてしまった、と報じられていますね。
特別装備の装着やボディの加工が必要なために通常の生産ラインでは作ることができず、よって製造を担当したのはポルシェのパーソナリゼーション担当部門「エクスクルーシブ」となりますが、そのために価格が大きく跳ね上がってしまい、日本だとベース車両の約2.5倍となる2750万にて販売が開始されています(日本市場の割り当ては12台のみ)。
そして2022年4月には、992世代となる911スポーツクラシックが限定発売されており、こちらもやはり997世代の911スポーツクラシックを強く意識した仕様を持っていて、すでに「グレーのボディカラーにストライプ、そしてダックテールにフックス風ホイール」が911スポーツクラシックのひとつのスタイルとして確立されたと考えて良いのかもしれません。
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