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またまたポルシェ911のレストモッドに新星あらわる。今度はイタリアンテイストとドイツのクラフトマンシップとの融合を果たした「ラブイレブン」

またまたポルシェ911のレストモッドに新星あらわる。今度はイタリアンテイストとドイツのクラフトマンシップとの融合を果たした「ラブイレブン」

Image:LAB Eleven

| イタリアンデザインの優雅さ、そしてドイツの限りない品質の高さを併せ持つ新しい選択肢の登場 |

細部は「現代風」にアップデートされ「日常的に使えるポルシェ911レストモッド」へ

さて、現在ポルシェのレストモッドおよびバックデートには様々なプレイヤーが存在し、その元祖とも言えるシンガー・ヴィークル・デザイン、ケーゲ(Kaege)、ガンサーワークス、タットヒル、さらにはルーフやカネパ、DPモータースといったポルシェのチューナーも参入しているほど。

それらはいずれも独自の個性を追求し、芸術性やパフォーマンス、軽量性など各々の路線を突き進んでいるというのが現状ですが、今回紹介するのは「イタリアンテイストを織り交ぜた」というこれまたユニークな911バックデートをリリースする”ラブイレブン(LAB ELEVEN)”。

ラブイレブンはこんなレストモッダー

このラブイレブンが展開するのはレストモッドというよりは「バックデート(世代が新しいクルマをレトロな使用へと逆行させる)」で、ベースとなるのは993世代の911、そしてその行き着く先は「初代911」。

そしてラブイレブンはオーストリアに拠点を構えるものの、その工房はミラノからわずか20マイルの距離にあり、イタリアのデザインとドイツの技術を融合させてポルシェ911に新たな命を吹き込んでいるわけですね。

ラブイレブンはまず、事故歴のないオリジナルナンバーのポルシェ911を調達し、そのクルマをモデナに送り込んで完全に分解することからバックデートをスタートさせますが、バンパー、フロントフェンダー、ドア、ボンネットなどのボディパーツはアルミニウム、マグネシウム、またはカーボンファイバーへと交換され、しかしこれらの新しいパーツはオリジナルの仕様に忠実にデザインされ、ポルシェ本来のルックスを保つように作られています。

ボディが刷新された後、車両は100種類以上のオリジナルポルシェカラーのいずれかで手塗りされ、これらのカラーの多くは356シリーズにまで遡ることができ、これでも足りない場合は200種類以上のカスタムペイントオプションも選択可能。

ちなみにこれらの作業は、限定生産のランボルギーニ各モデル(アヴェンタドールSVJ、ヴェネーノ、チェンテナリオなど)の塗装を手掛けたじボディショップにて行われる、とのこと。

ポルシェ911に「イタリアン」

ここまでは多くのポルシェ911レストモッダーとよく似たところではありますが、ラブイレブンがほかと異なるのは「イタリアンテイストを加え、レトロな美学と現代的な要素を融合させたことで、ウール生地、ハウンドトゥース、タータン・チェック、ヨーロッパ産のブルハイド(牛革)などの高品質な素材がインテリアへと使用されることに。

さらには手織り模様やパーフォレイト(穴あき)加工が施され、ポルシェ917レースカーにインスパイアされた美しいマホガニー製のギアノブも選択可能。

これら内装のディティールは過去へのオマージュでもあり、しかし最先端のインフォテインメントシステムも搭載され、これらが993世代のダッシュボードにうまく調和しているわけですね。

さらにラブイレブンは車両のメカニカル部分にも細心の注意を払っていて、エンジンはイタリアで再調整されるのではなく、ドイツのシュトゥットガルト近郊、バーデン=ヴュルテンベルク州にある提携先に送られます。

ここでは、オリジナルの製造ラインの仕様を超える高い精度で再加工されることとなり、6速のゲトラグ製マニュアルトランスミッションも同様に高精度で調整され、新しいギア比、軽量フライホイール、リミテッドスリップデフ、マルチプレートクラッチ、ショートシフターなどがオプションとして提供されるのだそう。

エンジンは3.6リッター、3.8リッター、4.0リッターの排気量があり、出力は300馬力から400馬力の範囲で選択できるそうですが、顧客の希望に応じて通常の”SportTouren”バージョンに加え、よりパワフルな”Sportwagen”バージョンや、クラシックな1967年型911 Rにインスパイアされたトラック向けバージョンの”Project Rennen”も選べます。

ボディ形状は「クーペとタルガ」バージョンがあり、タルガバージョンにはアクリルガラス製の電動ルーフが装備されている、とのこと(デタッチャブルではなくスライディングルーフ)。

ラブイレブンは、各車両の製作に約4000時間もの作業をかけており、そのこだわりは文字通り”品質の証”。

イタリアのデザインセンスとドイツのエンジニアリング技術を融合させることでライバルが多い911のレストモッドセグメントにおいて確固たるポジションを構築しようとしているわけですが、クラフトマンシップ、パフォーマンス、スタイルへのこだわりが顧客にとっての特別なポルシェ911体験を生み出しており、今後多くのファンを獲得するのは間違いなさそうですね。

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