| 緩やかな減少を見せつつも「テスラの強さ」は圧倒的である |
アップル同様、その先行者利益が失われることはないであろう
さて、2024年10月の米国においてEVの登録台数は101,000台を超え、前年同月比で5%増加という結果に。
なお、テスラの登録台数は1.8%減少したものの、ほかメーカーがこれを補うことで市場全体が成長し、そして市場全体では依然としてテスラが圧倒的なリーダーの座を維持しています。
ちなみにこの「ほかメーカーの増加」というのは欧州などで報じられるEV需要の減退とは異なる様相を見せている部分でもあり、アメリカ市場の特殊性を反映している部分かもしれません(米国では依然としてEVの購入意欲が高い)。
2024年10月ではどのメーカーが伸びたのか?
そこでテスラの代わりに「伸びた」メーカーを見てみると、シボレーがブレイザーとエクイノックスの需要が高まりによって38%増加し6,741台を販売しているほか、キャデラックではリリックの登録台数が3倍以上の2,489台に増加、GMCハマーだと前年の4倍となる1,015台を販売し、ホンダではGMと共同開発したプロローグが初登場し4,168台を販売、ヒョンデもアイオニック5の好調に牽引される形で登録台数は昨年の3,555台から4,485台に増加しています。
一方、マスタング・マッハE、そしてリビアンR1Sの販売が縮小していて、この傾向を見るに、テスラ含め「古参EV」の販売が縮小し、かわりに新しく登場したEVの販売が増加しているようにも見えますね。
主要モデルの販売データはこうなっている
テスラの登録台数は減少傾向にあり、2024年1月から10月までのうち7か月で前年割れを記録していて、モデル3の登録台数は増加したものの、主力のモデルYは前年の25,000台超から22,000台未満に減少。
それでも、テスラの市場支配力は依然として強力で、2番目に売れているブランドのEV全体の約6倍の販売台数を記録しており、他の11ブランド(2位~12位)の合計を上回る数字を達成しているのがテスラの現状です。
テスラが課題を抱える一方、従来の(フォードなど)自動車メーカーはニューモデルの投入で存在感を増しており、EV市場全体は成長しているものの、今後は税額控除の影響や政治的要因がEV需要に対してなんらかの影響を及ぼす可能性も考えられ、今後の動向には要注目といったところですね。
モデル | 2024年10月 | 2023年10月 |
---|---|---|
テスラ モデルY | 21,787 | 25,220 |
テスラ モデル3 | 17,419 | 16,237 |
ヒュンダイ アイオニック 5 | 4,485 | 3,555 |
シボレー エクイノックス | 4,180 | 0 |
ホンダ プロローグ | 4,168 | 0 |
テスラ サイバートラック | 4,041 | 0 |
フォード マスタング マッハE | 3,479 | 3,949 |
シボレー ブレイザーEV | 2,561 | 167 |
キャデラック リリック | 2,489 | 887 |
リヴィアン R1S | 2,456 | 2,96 |
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