| そのうち、せっかくEV販売を伸ばしたのに「環境を破壊している」と文句を言う人々が出てきそう |
実際のところ、どれくらい環境に負荷がかかっているのかは把握しにくい
さて、大きく電動化が進む中国の自動車市場ですが、2024年における中国の動力電池の累計設置容量が548.4GWhに達し、前年比で41.5%という大幅増となったことが明らかに。
そのうち三元系電池は139GWhが生産され全体の25.3%を占め(前年比10.2%の増加)、リン酸鉄リチウム電池は409GWhが製造されて全体の74.6%を占め、前年比では56.7%という増加が記録されています。
BYD「ブレードバッテリー」が存在感を強める
そしてこの増加の中で大きく存在感を向上させたのがBYD。
BYDは自社でバッテリーを製造できるという強みを持ちますが、BYDのシェアは2020年の15%から2024年には25%と大幅に増加し、一方でCATLの(第4四半期ではありますが)のシェアは43%へと低下することに。
両者の2024年におけるバッテリー総生産容量を見てみると、CATLでは256.01GWh、BYDでは135.02GWh、そしてCATLとBYDのリン酸鉄リチウム電池の製造容量はそれぞれ100GWhを超え、151.63GWhと134.84GWhに達したことは注目に値します。
なお、現時点で全世界を走るEVに積まれるバッテリーの多くは「中国製」だとされ、そしてこれも中国の自動車メーカーを有利にする一つの要件だと見られており(自社でバッテリーを製造できることはもちろん、同じ中国内という近距離、そして同胞からバッテリーを調達できるという意味は大きい)、欧州の自動車メーカー各社ともその”対策”を講じていると言われています。
参考までに、中国内におけるバッテリー各メーカーの生産容量ランキングは以下の通り(中国以外のバッテリーメーカーが中国内で生産しているものも含む)。
ポイント
- CATL 45.2%
- BYD 25.1%
- CALB-Tech 6.9%
- Gotion 4.5%
- EVE Battery 3.4%
- SVOLT 3.0%
- Sunwoda 3.0%
- REPT Battero 2.2%
- Zenergy 1.9%
- LG New Energy 1.5%
もう一つ参考までに、こういったバッテリーは「資源を大量に消費する」ことが報じられていますが、2024年の中国では、三元系材料49万トン、リン酸鉄リチウム材料193.4万トン、負極材料127万トン、セパレーター164.2億平方メートル、三元系電池用電解液22.5万トン、リン酸鉄リチウム電池用電解液106.1万トンが使用されたともレポートされています(これがどのくらいの量で、どれくらい環境負荷をかけるのかは想像もできないが)。
合わせて読みたい、バッテリー関連投稿
-
中国Zeekrが「ゴールデンバッテリー」を開発し新型セダンに搭載すると発表。15分の充電で500km分のチャージが可能、自社生産によってコストを引き下げ
| 中国の自動車メーカーもBYDの価格優位性にキャッチアップすることに余念がない | これからは中国の自動車メーカー間でも熾烈な競争が繰り広げられることになりそうだ さて、EVにとって目下の「夢のバッ ...
続きを見る
-
スウェーデン大手バッテリーメーカーが倒産し、その影響でポルシェ718EVの生産計画遅延が報じられる。同社倒産は「脱中国製バッテリー」を進めていた欧州自動車メーカーにとって大きな打撃に
| さらにノースボルトは「他社では供給できない」小型軽量バッテリーを持っていた | EVはガソリン車とは異なり「サプライヤー依存度」が高く、これまで経験していない問題が生じることも さて、この1年余り ...
続きを見る
-
ソリッドステートバッテリー(全固体電池)搭載市販車第一号は中国から?チェリー(奇瑞汽車)が全固体電池生産のため世界初となるギガワット級工場建設を開始、コンセプトカーも公開
Image:Autohome | ソリッドステートバッテリーは「ある種の危険性」をどうしても排除できず、車載が困難だとされている | いずれのメーカーも「あと一歩」のところまで来ているとは言われるが ...
続きを見る