
| 世界で唯一、工場出荷時から「白い」フェラーリ250 GTO |
名門レーシングチームのオーダーで誕生、数々の輝かしい戦績を記録
フェラーリ250GTOは1960年代前半に誕生し、現存するクラシックカーの中でも最も価値の高いモデル、そしてもっとも人気が高いクラシックフェラーリとして知られています。
当時、レースに参戦するためのホモロゲーションでは100台が必要とされていたものの、実際に製造されたのはわずか30台強にとどまり(そしてそれらはすべて現存するというのがまた驚きである)、さらにその中で唯一、工場出荷時から白い塗装をまとったのがこの「250 GTO ビアンコ・スペチアーレ」(シャシー番号3729GT)なのだそう。
このフェラーリ250GTOの歴史と特徴
このフェラーリ250GTOは1962年、英国レーシングチームオーナーのジョン・クームズの依頼で製造され、その後すぐに英国各地のレースに参戦。
1970年代には当時のドライバーであったジャック・シアーズが所有したという記録が残り、新車時の価格は「わずか18,000ドル」だったとされています。
製造時から現在に至る長い歴史の中で一度はボディカラーが変更されたものの、現在はオリジナルの「ビアンコ」仕上げに復元され、ボンネットルーバーやコクピットへのエアホースなど、当時の仕様も残されています。
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このフェラーリ250GTOについては仔細な記録が画像とともに残されており、1963年にはレース中のクラッシュでフロントを大破するも翌月には修復されレースに復帰。
エンジンは何度か載せ替えられ、2008年にはフェラーリ・クラシケ認定のエンジンブロックが搭載され現在に至りますが、直近では(250GTOの)50周年・55周年記念ツアーにも参加したほか、各種コンクールや静態展示などに参加しているようですね。
オークション情報と予想落札額
このフェラーリ250GTO ビアンコ・スペチアーレは2025年8月14〜16日にカリフォルニア州モントレーのデルモンテ・ゴルフコースで展示された後、2026年1月にフロリダ州で開催される「メカム・キッシミー2026」にて競売にかけられる予定ですが、2023年には赤い250 GTOがニューヨークで5,170万ドル(約77億円)で落札されており、しかし”世界唯一”のホワイトをまとうこの個体はそれを上回る可能性も十分だと見られています。
BREAKING: Bianco Speciale, the only Ferrari 250 GTO to leave the Ferrari factory in white, will headline Mecum Kissimmee 2026.
— Mecum Auctions (@mecum) August 5, 2025
Full details at https://t.co/BM5OzIOvue. #MecumKissimmee #Mecum #MecumAuctions #WhereTheCarsAre pic.twitter.com/MTaLvAB3LI
なお、上述の通りフェラーリ250GTOは「もっとも高い価値を誇るクラシックフェラーリ」ですが、その希少性だけではなく芸術性も公的に認められており、イタリアはボローニャの裁判所が「フェラーリ250GTOは個性が確立された芸術作品であり模倣はまかりならぬ」という通達を出したことも。
こういった様々な事情を見るにつけ、今後長きわたり価値を上昇させ続ける可能性が高いのがこの250GTOであり、「ビアンコ・スペチアーレ」の落札価格には注目が集まります。
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参考までに、メカム・オークションでは「ビアンコ」ディーノも出品される予定だといい、こちらもまた魅力的な一台ですね。
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