
| ケーニグセグとリマックとはこれまでにも何度となく「記録争い」を展開中 |
リマックCEOは「これ以上ないほど楽しそうに」記録への再挑戦を表明
スウェーデンのハイパーカーメーカー、ケーニグセグ(Koenigsegg)が再び世界を驚かせることに。
これの「驚き」は2025年8月7日のチャレンジをもってなされ、その内容としてはジェスコ・アブソリュート(Jesko Absolut)が0-400-0km/hをわずか25.21秒で達成し、ライバルのリマック(Rimac)が先月打ち立てた記録を0.58秒短縮。
これにより、再び「0-400-0km/hを世界最速で駆け抜ける公道走行可能な量産車」の座を奪還したわけですね。
新たに樹立された記録
この記録は、雨上がりでまだ路面が乾ききっていない「最適とは言えないコンディション」下でのスウェーデン・エレブロ空港で達成されたもので、独立した計測機関、レースロジック(Racelogic)によって公式認定されたもの。
- 0-400-0 km/h:25.21秒
- 0-400 km/h:16.77秒
- 400-0 km/h:8.44秒
- 0-250-0 mph:25.67秒
- 0-250 mph:17.18秒
- 250-0 mph:8.49秒
改善は“ソフトウェア”のみ
驚くべきことに、今回のタイム短縮はエンジンやパワートレインの物理的な改造によるものではなく、ソフトウェアの最適化のみによって実現され、具体的にはケーニグセグ独自のLight Speed Transmission(LST)の変速制御とエンジンマネジメントシステムの改良、さらに新しいトルクコントロールシステムが採用されることで発進時のトラクションが大幅に向上しているのだそう。
このアップデートは「今回の挑戦のための特別なものではなく」、既存のジェスコ・アブソリュートのオーナーにも提供される予定だといい、すべてのオーナーがこの驚異的な性能を体験できることになります(つまりチート機能ではない)。
5.0LツインターボV8の暴力的パワー
ジェスコ・アブソリュートは、E85燃料使用時に最高出力1,500ps/最大トルク1,106lb-ftを発揮する5.0リッターV8ツインターボを搭載。
停止状態からわずか16.77秒で400km/hに到達し、そこから8.44秒で停止するカーボンセラミックブレーキの制動力は圧巻で、もちろんこの記録は強烈な加速のみではなく、それを上回るストッピングパワーがあって初めて実現するものであり、あらゆる要素が「高次元で」組み合わせられているスーパーカーあるいはハイパーカーでなければ達成しえない領域です(そもそも時速400キロ出せないと土俵に上がれない)。
リマックとの“加速戦争”の歴史
上述の通り、リマックとケーニグセグは「記録争い」を繰り広げており(ブガッティはここから早々に手を引いている)、今回の記録争奪戦もまた2017年から続くケーニグセグとリマックの間の“加速戦争”の一幕。
- 2017年:アゲーラRSが33.29秒で記録樹立
- 2019年:レゲーラが31.49秒に短縮
- 2023年:リマック・ネヴェーラが29.92秒で更新
- 2024年6月:ジェスコ・アブソリュートが27.83秒で記録奪還
- 2024年7月:リマックが25.79秒を達成
- 今回:ジェスコ・アブソリュートが25.21秒で再奪還
そしてちょっと面白いのは、リマックCEO、メイト・リマック氏が自身の公式SNS上で「Game on!(勝負だ!)」と笑顔でコメントしていることで、この様子だとリマックによる新たなチャレンジは「間違いない」と見てよいかと思います。
ケーニグセグが0-400-0km/hへと挑戦し「新記録」を成し遂げる動画はこちら
後輪駆動の内燃機関ハイパーカーが、電動AWDハイパーカーを加速勝負で下す——この事実は、自動車の常識を塗り替えるもので、ケーニグセグは今後、2,300馬力のAWDハイブリッド「ジェメラ(Gemera)」でも記録更新を狙う可能性を示唆しており、この“加速戦争”はまだまだ続くのかもしれません。
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参照:Koenigsegg(Youtube)