
| 意図的にローマらしさを残した部分、そして意図的にローマから移行した部分も |
アマルフィには新世代のフェラーリのデザイン要素が満載
さて、フェラーリ アマルフィの展示イベントに参加するため神戸のフェラーリ正規ディーラー、オートカヴァリーノさんへ。
フェラーリ アマルフィは2025年7月に発表された新型のFR(フロントエンジン・後輪駆動)クーペで、これまでのフェラーリ「ローマ」の後継モデルにあたりますが、車名の「アマルフィ」は、イタリア南部のアマルフィ海岸にちなんで名付けられており、ローマと同様に「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」を体現する、エレガントで洗練されたデザインが特徴です。
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搭載されるエンジンはローマと基本的に同一の3.9リッターV8ツインターボ、しかしカムシャフトの再設計などによって最高出力はローマに比較して20馬力増の640馬力。
0-100km/h加速は3.3秒へと短縮され、エレガントなスタイルと優れたパフォーマンスを両立させた、フェラーリの新しいグランドツアラーがこのアマルフィというわけですね。
フェラーリ アマルフィはこんなクルマ
上述の通りアマルフィはローマの後継モデルで、他の自動車メーカー風に言えば「フェイスリフト」に相当し、ローマのイメージを継承しつつも大きく進化した、という印象。
たとえばデイタイムランニングランプの発光グラフィックはローマに近く・・・。
しかしヘッドライトの形状は「ブレード」っぽく進化し、これは12チリンドリとも共通する意匠です。
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なお、この「ブレード」はフェラーリ・ヴィジョン・グランツーリスモにて登場したディティールでもあり、フェラーリのデザイン責任者、フラビオ・マンゾーニ氏が好んで用いるもののひとつ。
そして同氏が好むもうひとつの意匠はこの「横方面の細長いライン」。
これもまたフェラーリ・ヴィジョン・グランツーリスモにて見られたもので、SF90 XXストラダーレ / SF90 XX スパイダーでは「より顕著」です。
そして「グリルレス」となったこともローマからの大きな変化。
さらにはフロントバンパー左右の端が「(一定のボリュームをもって)垂れるように」下に向かうのはフェラーリの量産車としては初めて見るデザインで、これは今後他のモデルにも取り入れられることとなるのかもしれません。※ローマでもこれに近いデザインが採用されているが、アマルフィほどの”厚み”はない
そしてもちろん、「ハンマーヘッド」もフラビオ・マンゾーニ氏が好む形状ですね。
フェラーリ アマルフィのデザインは「前後」で反復
そして興味深いのは「前後でデザイン的整合性を図っていること」。
たとえばフロントの「細長いライン」に呼応するかのように、リアでも「細いライン」が見られ・・・。
やはりテールランプの光り方だけを見るとローマに近いという印象です(もちろんフロント同様、意図的に”そうしている”のだと思われる)。
さらにはリアでも「垂れる」デザインを採用し、フェラーリがアマルフィにおいて「フロントとリアでデザイン的整合性を図ってきた」ということがわかります。※ただしフロントほどの厚みはなく、SF90ストラダーレっぽくもある
そのほか、アマルフィではこんなところがローマと「変わった」
そしてアマルフィでは(ローマに比較して)「エッジ」が強調されていて、たとえばフロントフードだと中央に段差とともに「盛り上がり」が見られ、これはローマに比較すると”より顕著な”形状です(ある意味ではアメリカンマッスルのシェイカーフードを連想させる)。
参考までにローマだとこう。
そしてもっとも大きくローマから変化したとぼくが考えるのが「サイドのプレスライン」。
アマルフィではドアハンドルの上あたりに「ドアからリアフェンダーにかけて直線的なプレスライン」があるのですが、これもまた12チリンドリを連想させる部分です(ただし12チリンドリは”2本”である)。
ただしローマではこのプレスラインは存在せず、「突如」リアフェンダーが球体のように盛り上がるのですが・・・。
アマルフィでは「ドアからリアフェンダーにかけて」なめらかに連続した盛り上がりが形作られています。
そしてリアエンドの形状にも変更が加えられ・・・。
エンド部が盛り上がって「リップ」形状に。
なお、テールランプ下側は812コンペティツォーネっぽいデザイン。
トランクフードの形状にも変更があり・・・。
しかしトランク容量はおそらく同一。
リアディフューザー形状にもアップデートが見られ、ナンバープレートの位置がトランクフードからバンパー側へと移動したことで後ろから見た印象が大きく変わっているようですね。
エンジンルーム内にも若干の変更があるもよう。
そのほか気づいたところだと、展示車に装着されるホイールは「タービンブレード」形状を持っており・・・。
スポークの間をエアが抜けるという複雑なデザイン。
なお、シルバー部分は単純な「ダイヤモンドカット」ではなくプリズムのようにも見える表面処理がなされており、ここ最近のフェラーリの「美観の向上」っぷりには目をみはるものがあると思います(12チリンドリのヘッドライトやサイドブレードには、高級機械式腕時計のケースのようなブラシ仕上げ風のフィニッシュが見られる)。
フェラーリ アマルフィを見てきた際の動画はこちら
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