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| 未来の小型アイオニックは「走り」を意識したホットハッチ風EV |
いつの間にか韓国勢、中国勢は自動車業界のメインストリームに
ヒョンデがドイツ・ミュンヘンで開催されたIAAモビリティショー2025において、「あえて他の自動車メーカーに遅れて新型車を発表し」、最後に登場することで注目を独占する戦略を採用。
その戦略に沿ってお披露目されたのが「コンセプト・スリー(Concept Three)」で、これは将来登場予定の小型「アイオニック(Ioniq)」モデルを示唆する一台だとされ、かつてのヴェロスターを思わせるスポーティな雰囲気をまとっています。
「SUV全盛」のいま、SUVではなく低く構えたピュアエレクトリックハッチバックを提案したところが新しく、近年のクロスオーバー一辺倒の流れに一石を投じる存在となりそうですね。
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コンパクトなボディにロングホイールベース
ヒョンデ・コンセプト・スリーのボディサイズは全長4,288mm、全幅1,968mm、全高1,465mm。
コンパクトな寸法ながらホイールベースは2,722mmという数値を持っていて、これはひと回り大きなクラスのガソリン車に匹敵しますが、このディメンションを実現できるのはEV専用プラットフォームならではの利点であり、室内スペースの拡大や効率的なレイアウトが可能となっています。
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スポーツカーを思わせる外観デザイン
このコンセプトカーに採用されたボディカラーは「タングステングレー」。
前後に散りばめられた光るピクセルデザインがアイオニックファミリーの一員であることを強調し、さらには以下の要素によってホットハッチ以上のパフォーマンス志向を感じさせる仕上がりとなっています。
- 攻撃的なフロントノーズ
- 大型ディフューザー
- センターロック式ホイール
- 機能的なサイドベント
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ゲームの世界を思わせる「ムーンビームイエロー」の室内
インテリアは鮮やかなムーンビームイエローで統一され、まるでゲームの世界に入ったかのような雰囲気を演出(ヒョンデは過去にもデジタルワールドとの融合をテーマにしたコンセプトカーを制作している)。
遊び心あふれるデザインに加え、「Mr. Pix」と呼ばれるキャラクターが随所に散りばめられており、未来的かつポップな空間となっています。
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課題は実用性? 後方視界はやや犠牲に
ただし、ルーフラインが大きく傾斜しているため、後方視界や車内の開放感(荷室スペースも)が犠牲となっていることは否定できず、リアゲートは一見すると窓がないように見え、しかし実際には小さなガラスを備えた「エアロハッチ」構造。
なお、逆ヒンジ(観音開き)ドアが採用されているものの、量産モデルでは「通常のドア」となる可能性が高い、と見られています。
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まとめ
ヒュンダイ「コンセプト・スリー」は、SUV一辺倒の市場において、未来の小型アイオニックハッチバックEV(Ioniq 3として登場か)の可能性を示す挑戦的なモデル。
低く構えたスタイルとピクセルデザイン、ポップなインテリアは実用性を一部犠牲にしても強い個性を主張する仕上がりとなっています。
量産化される際にどこまでこのデザインが受け継がれるのか、今後の動向に注目したいところではありますが、現在のヒョンデはデザインに対して非常に高いプライオリティを設定しており、もしかすると「デザインのために多くを犠牲にしてくる」可能性も十二分に考えられます。
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ヒョンデ コンセプト・スリーのオフィシャル動画はこちら
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