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シャオミ、ポルシェやフェラーリ風のカスタマイズサービスを開始。「普及価格帯」では初の試み、もはやライバルがついてこれない状態に

シャオミ、ポルシェやフェラーリ風のカスタマイズサービスを開始。「普及価格帯」では初の試み、もはやライバルがついてこれない状態に

Image:Xiaomi


| カスタマイズサービスは非常に手間がかかり、レクサスですら本腰をいれることが難しい |

シャオミ、年次イベントで新サービスを発表

2025年の年次キーノートにて、シャオミ創業者でCEOの雷軍(Lei Jun)氏が自動車事業に関する最新情報をいくつか発表。

その中ではSUV「YU7」のニュルブルクリンクでのテスト走行、7月6日以降の納車台数4万台突破、そして新たに「Xiaomiカスタマイズサービス」を開始することが明らかにされています。

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プレミアムブランド風のパーソナライゼーション

このプログラムは、YU7および「SU7 Ultra」を対象として、外装・内装の個別仕様を選べるサービス。

従来はベントレー、ロールス・ロイス、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなど一部高級ブランドが提供していたものですが、シャオミはより手頃な価格帯でこれを展開するというわけですね。

利用には8万元(約16万円)のデポジットが必要で、注文確定まで90日間の「検討期間」が設けられています。

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フェラーリ
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選べる新色と特注オプション

シャオミはまず初期ラインナップとしてYU7専用に以下の5色の新ボディカラーを発表。

  • アメジストパープル
  • レーシングレッド
  • スプラウトイエロー
  • トワイライトローズ
  • フローイングゴールドピンクマット

このカラーは世界的塗料サプライヤーと共同開発されたもので、今後3年間で最大100色にまで拡大予定です。

さらに、ホイールデザインやブレンボ製ブレーキキャリパーの色、特注バッジも選択でき、バッジは「ブラック×24Kゴールド」「ホワイトセラミック」「カーボンファイバー」など、まるで高級ブランドの特注品のような仕様が揃っています。

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内装カスタマイズも拡大

上位モデル「YU7 Max」向けには、アルカンターラ仕上げの新内装カラーが用意され・・・。

  • ブルー×ブラック
  • ブラック×蛍光イエロー

これらは専用ステッチやシートベルト、アッシュウッドのトリムと組み合わせが可能。高級感を演出しながらもスポーティさを強調します。※もちろん他のカラーも選択できる

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専用カスタマイズセンターを設置

シャオミは北京の「スーパーファクトリー」ショールーム2階に、初の専用カスタマイズセンターを開設。

ここで実際の素材やデザインを確認しながら仕様を選ぶことができる、とのこと。

上述の通り、こういったパーソナリゼーションはベントレーやロールス・ロイス、ポルシェ、フェラーリなどが提供していることでも知られますが、自分の思い通りのクルマを作ろうとなると数百万円〜数千万円単位の追加費用がかかることが一般的です。

一方、シャオミは手頃なEV価格帯で同様の体験を提供し、「大衆ブランド×高級体験」という独自戦略を展開するということになりますが、この取り組みは、スマートフォンで培った「ハイエンド体験を低価格で」というコンセプトを自動車分野に拡張したものといえそうです。

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このサービスは「高級車までは不要だが、個性を出したい」というユーザー層に強くアピールするとみられ、しかしこういった展開は「言うは易し、行うは難し」の典型例で、自動車メーカーに一定の利益をもたらすこととなるものの、それに関する初期投資、そして1台あたりのコストも非常に高く、よって「一定以上の価格帯のクルマ」でないと成立しないビジネスです。

ただ、中国では非常に「カスタム意欲が旺盛な」ユーザーが多く、そこにコストを投じることをためらわない人も少なくはないようなので、もしかするとこれが「中国自動車業界における次のトレンド」となり、これに追随するライバル付が多数登場するのかもしれません(中国の場合、安価な人件費を活用できるため、欧州の自動車メーカーとは事情が異なる)。

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余談ではありますが、シャオミは自動車ビジネス展開当初からプレミアムカーメーカーのビジネスモデルをベンチマークとしており、直接のターゲットは「ポルシェ」であると考えられます。

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まとめ

  • シャオミが「YU7」と「SU7 Ultra」でカスタマイズサービスを開始
  • 外装・内装・バッジなどを個別仕様にでき、今後100色まで拡大予定
  • 納車台数はYU7単独で4万台突破
  • 高級車のような体験を手頃な価格帯のEV市場に持ち込む戦略

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参照:Xiaomi, Xiaomi(Weibo)

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