
Image:Bugatti
| ブガッティはどのように美しさと機能性とを融合させたのか |
■「ブガッティとは何か」を問い直す造形哲学
ブガッティの新たなハイパーカー、「トゥールビヨン」はブランド115年の歴史を背負いながら未来を見据えたデザインを体現している存在ですが、外装デザインを率いたヤン・シュミット氏はそのプロジェクトについて「ブガッティの本質と、その先の進化を見出すことがテーマだった」と語ります。
「ブガッティが持つ伝統的要素を守りつつ、未来へどう発展させるかが最大の挑戦だった。」
チーフエクステリアデザイナー、ヤン・シュミット
かくして誕生したブガッティ・トゥールビヨンは、クラシカルなデザイン言語を継承しながらも、空力と構造、そして美を高次元で融合させた新時代のハイパーカーであり、ブランドの象徴「馬蹄形グリル」や「センターライン」といったDNAを継承しつつ、よりワイドでアグレッシブな姿へと進化しているわけですね。
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■“機能”が“造形”を決める、新たなブガッティの顔
トゥールビヨンの低く構えたフロントは、彫刻のように美しいだけでなく、空力的にも緻密に計算されており、EU規格のナンバープレートが自然に収まるよう設計され(ここはフェラーリにも意識してほしいところだ・・・)、グリル内部の流路も冷却とダウンフォースを両立する構造。
ヘッドライトはコンパクトながら存在感を放ち、「フライングフェンダー」と呼ばれる構造体に取り付けられ、これは見た目の軽快さとともに、空気を効率的に導く実用的要素としても機能します。
■センターラインと“ブガッティ・ライン”の再定義
そしてフロントからリアへと一直線に走るセンターラインは、1930年代の名車「タイプ57 SCアトランティック」のリベット構造を現代に蘇らせたもの。
その頂点には3連ブレーキランプが一体化しており、造形と機能が融合していますが、さらにはAピラーから車体側面を流れる“ブガッティ・ライン”がデュオトーンの塗り分け境界を形成し、動きのあるサイドシルエットを際立たせることに。
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■リアセクションに宿る「力強さと軽さ」
サイドからリアにかけての“コークボトル”形状は、視覚的な緊張感と安定感を両立。
リヤフェンダーはヴェイロンから着想を得ており、光と影のコントラストが車体の筋肉質な造形を際立たせ、そこげ続くのは24個以上のLEDで構成された一体型テールライト、そして中央に浮かび上がる「BUGATTI」ロゴ。
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エンジン上部には自然吸気V16エンジンのプレナムが露出し、メカニカルな美しさを演出します。
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■「美と機能が調和する」新時代のハイパーカー
シュミット氏はデザイン哲学を次のように締めくくっており、空力、冷却、軽量化といったエンジニアリング要素をデザインの一部として昇華させる──それこそが、トゥールビヨンが“未来のブガッティ”と呼ばれる理由なのかもしれませんね。
「トゥールビヨンは、ブガッティのデザインDNAを維持しながら、それらを彫刻的で有機的な面に溶け込ませた存在だ。」
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ブガッティのエクステリアデザイナーがその哲学について語る動画はこちら
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参照:Bugatti

















