| どんな小さなところに至るまでも丹念にデザインされた芸術品、それがトゥールビヨンである |
まさかここまで素晴らしい完成度を持つクルマとは思わなかった
さて、ブガッティ・トゥールビヨンの日本初公開イベントに呼んでいただき、トゥールビヨンを見てきたので画像とともにここで紹介。
このトゥールビヨンはシロンの後継として発表されたハイパーカーで、なんといっても自然吸気V16エンジンを備えることが最大のトピックと捉えてよいかと思います。
なお、「ヴェイロン」「シロン」ともにブガッティを駆って活躍したレーシングドライバーの名ですが、このトゥールビヨンはその法則から外れて「腕時計の複雑機構」をその名称に持ち、その理由は「(腕時計に採用される)トゥールビヨンのように、時を経てもその輝きと価値を失わないようなクルマを作りたかったから」。
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ブガッティ・トゥールビヨンはこんなクルマ
そしてまずブガッティ・トゥールビヨンを見た第一印象は「(想像していたよりも)驚くほどコンパクト」。
8.3リッターW16エンジンを積むとは思えないほどの凝縮ぶりで、ボディサイズは全長4,671ミリ、全幅2,051ミリ(おそらくはドアミラー含む)、全高1,189ミリ、ホイールベース2,740ミリに設定され、これはV12エンジンを搭載するランボルギーニ・レヴエルトの全長4,947ミリ、全幅2,033ミリ、全高1,160ミリ、ホイールベースは2779ミリよりも短く、V6エンジンを積むフェラーリ296GTBの全長4,570ミリ、全幅1,960ミリ、全高1,190ミリにも近いサイスです。
このトゥールビヨンは「ブガッティ・リマック」体制となった後の初めての新型車で、しかしその開発は4-5年前から始まっており、つまり前ブガッティ体制時から行われ、そのデザインに関する作業はヴェイロン、シロンを手掛けたアキーム・アンシャイト氏と後任のフランク・ヘイル氏との共同にて行われたとされるので、2人のデザイナーの間での「橋渡し」が行われながら進められたということに。
基本的な雰囲気そしてディティールはブガッティ・アトランティックコンセプト、そしてラ・ヴォワチュール・ノワールに近いようにも思います。
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ブガッティ トゥールビヨンはこんなディティールを持っている
そして実車を見てみると、オフィシャルフォトでは気づかなかったデザインがいくつかあり、まずは「フロントフェンダーがフロートしていること」。
ヘッドライトとともに、こんな感じで「浮いて」います。
なお、ヘッドライトは各ユニットに3つのレンズが内蔵された「4眼」。
つまりフロントフード(というかカウル)とフェンダーの間にはエアチャンネルがあり、ここを通ったエアがフェンダー上部から抜ける仕組みを持っています。
そしてボディパネル表面の「うねり」もトゥールビヨンのデザインにおける特筆すべき点。
おそらくこれは「カーボンファイバー製パネルだから」実現しえたもので、プレスによって加工する金属では(叩き出さない限り)こういったラインを出すことは非常に難しそうですね。
サイドアンダーだとこう。
リアフェンダーはこう(近年のフェラーリのリアフェンダーの”力こぶ”のようだ)。
とくにこのリアセクションの「うねり」はセクシーとしかいいようがなく、(オフィシャルフォトではわかりにくかったのですが)トゥールビヨンのデザイン的ハイライトなんじゃないかと個人的に捉えています。
画像ではなかなか表現できないのがちょっと残念。
そしてこういったフロントの「ブレード」ひとつとっても”うねり”が見られ、あるとあらゆる部分のデザインが練り尽くされているのがトゥールビヨンという印象。
ドアミラーは「非常に」小さく(やはり表面に”うねり”がある)、現存するスーパーカーやハイパーカーの中でも特筆すべきコンパクトさ。
ホイールの「EB(エットーレ・ブガッティ)」エンブレムはエンボス加工。
モールやウインドウのはめ込みなどは極限までの「フラッシュサーフェス」。
フラッシュサーフェスという点では、給油口カバーの「EB」や・・・。
リアデッキの「EB」も埋め込み式に。
フロントワイパーはカーボンファイバー(意外とこのセンター式ワイパーは室内から見ても気にならない)。
もちろんこのワイパーはフロントの「センターライン」とのデザイン的関連性を持ち・・・。
ルーフ上のセンターラインを経てリアへと一直線。
センターの赤いラインは「ブレーキランプ」。
ちなみに会場には「ブガッティ初のEV」、ベイビーIIや・・・。
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ブガッティ トゥールビヨン「日本初公開」を収めてきた動画はこちら
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