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| 初代トゥインゴのDNAを完全継承、でもよりモダンに |
コンセプトカーそのままのルックスで登場
ルノーは2023年に発表したコンセプトカー「トゥインゴ・コンセプト」に近いデザインのままにて”4代目”となる新型トゥインゴE-Techを正式公開。
その外観は初代(1992年)のDNAを色濃く受け継ぎながらも現代的なアレンジが加えられたもので、もはや“かわいさの暴力”といってもいいレベルに達しています。
ルノーは新型トゥインゴにつき「陽気でいたずらっぽい表情を持ち、楽観的な性格を象徴している」と説明しており、実際にそのフロントマスクには笑顔のような雰囲気が感じられますね。
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ルノーが「トゥインゴ E-Tech コンセプト」最新バージョンを公開、あわせて機能的な内装もアンヴェール。2万ユーロ以下の価格を予定しており魅力あふれるEVに
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■デザイン:ピルシェイプとハーフムーンがつくる“笑顔”
今回公開された公式フォトを見るに、黒いバンパーガードやドア下の造形、そしてヘッドライトやテールライトに施された“ハーフムーン型”デイライトなど、トゥインゴらしい丸みのある造形がなんとも印象的。
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ボディサイドは初代と同様に直立したグリーンハウス、そして魅力的なリアヒップラインを備え、可愛らしさと実用性を両立しており・・・。
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さらにヘッドライトやテールライトはボディから少し浮いたように取り付けられ、“表情”を強調。
ヘッドライトは「スプリット」となりますが、なかなかに面白い意匠を持つようです。
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■サイズ:新型ミニより小さく、背は高く
新型トゥインゴの全長は3,787mm、全高は1,491mm。
新型ミニより約9cm短く6cm高いというディメンションを持ち、一方のホイールベースは2,492mmなのでミニとほぼ同等。
つまりAセグメントながら広い室内空間を確保しているということになりますが、後部ドアがかなり短く、それによって全長を切り詰めており、もともと後部座席に人が乗る機会は少ないと想定しているのかもしれません(つまり、そのぶんフロントに余裕があるということになる)。
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ホイールは標準で16インチ、オプションでは18インチ(3本または4本スポーク)も選択可能。
ボディカラーはアブソリュートレッド/アブソリュートグリーン/マンゴーイエロー/スターリーブラックの4色展開で、いずれもトゥインゴにマッチした色味を持つようですね。
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■インテリア:笑顔になれる室内空間と“音の演出”
インテリアも初代を思わせる明るくポップな雰囲気を持っており、ダッシュボードやドアパネルには“ピル(薬カプセル)形状”のモチーフがちりばめられ、エレクトロニック音楽の巨匠ジャン=ミッシェル・ジャールが手掛けた「ウェルカム・ジングル」が乗員を迎えることに。
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さらに室内を満たせば7インチデジタルメーターと10インチタッチスクリーンを装備して物理スイッチ類も健在です。
シトロエンも同様ですが、フランスの自動車メーカーは「高級素材を使用せずとも、高品質なインテリアを作り上げる手法」に長けているように思えます。
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ちなみに赤いハザードボタン(透明カバー付き)は初代へのオマージュ。
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■リアシートも多機能、収納力も優秀
リアシートは2座独立で前後に約18cmスライド可能、そしてリクライニング機能付き。
前席助手席を倒せば1.8メートル超の長尺物を収納可能だとされ、荷室容量は通常時360リッター、後席格納時には約1,000リッター超を確保でき、さらに床下収納や多彩なアクセサリー(「5”サンク”同様に3Dプリント品含む)も用意されています。
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■モーター&バッテリー:小型軽量、都市に最適化
新型トゥインゴE-Techは、ルノー「4」「5」と同じAmpR Smallプラットフォームを採用しており、フロントモーターは82馬力/129lb-ft(約175Nm)を発生して0-100km/h加速は12.1秒。
「12.1秒」と聞くと「かなりおっとり」といった印象を受けますが、0-50km/hは4秒未満だというので、都市部の実用域においては申し分のない性能を発揮しそうですね。
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搭載されるバッテリーは27.5kWh(LFP)、航続距離は最大263km(163マイル)。
6.6kW AC充電を標準装備し、50kW DC急速充電では10〜80%を30分で完了するほか、V2L/V2G機能も搭載しており、まさに“街の電源”としての機能も果たします。
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■ドライバー支援と価格、そして発売時期
なお、価格が抑えめといえども安全装備には抜かりがなく、最大で24種類の先進運転支援システム(ADAS)を搭載し、アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー付)、自動駐車、後方交差警報、サイクリスト検知などを装備しており「まさに万全」。
グレードは2種類で上位仕様ではデジタルルームミラー、オートエアコン、Arkamys製6スピーカーが付くというので、”かなり充実した装備”を持つと言えそうです。
生産はスロベニア工場で行われ、2026年初頭に欧州での発売を予定しており、価格は補助金を除いても2万ユーロ未満(約355万円)だと発表されているため、この価格を維持して日本国内でも発売がなされれば「ヒットの可能性」も見えてきそうです。
■まとめ:「小さくて、かわいくて、安い」EVが世界を救う?
巨大SUVばかりが注目されるなか、ルノーは原点回帰とも言える“小さくて笑顔になれるEV”を投入。
「街に楽観的なムードをもたらす」とルノーが語るように、新型トゥインゴE-TechはEV時代のシティカーの理想形といえるのかもしれず、このクルマが町中を走るようになれば、現在欧州を包んでいると言われる「暗いムード」も少しは変わってくるのかもしれません。
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参照:Renault
























