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2025年11月輸入車販売ランキングでは「勝ち組」「負け組」が明確に。 驚異の成長率を叩き出したブランドも

2025年11月輸入車販売ランキングでは「勝ち組」「負け組」が明確に。 驚異の成長率を叩き出したブランドも

| 2025年11月 輸入車新規登録台数ランキング:日本市場で勝ち組・負け組が明らかに |

ヒョンデ、BYDは「意外にも」日本市場へと根付きそうだ

2025年11月の輸入車(乗用車)新規登録台数が発表され、このデータを見るに、前年同月比で驚異的な成長を見せるブランドがある一方、苦戦を強いられるブランドの姿も浮き彫りに。

ここでは最新ランキングTOP30とともに、数字の裏に隠された市場の熱い戦いと今後を左右するトレンドを見てみたいと思います。

11月の輸入車市場を一目で理解する3つのポイント

  1. 独り勝ちのトップはメルセデス・ベンツ:4,399台で首位をキープ。首位ではあるものの、前年同月比95.2%と微減
  2. 最大の成長率はアルファロメオ:前年同月比310.2%という驚異的な伸びで注目を集める。新型車効果が絶大
  3. 中国メーカーBYDの存在感が急上昇:前年同月比192.5%、累計でも171.5%増と電気自動車(EV)を中心に急成長中
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2025年11月 輸入車新規登録台数ランキングTOP30

以下のランキングは、2025年11月の月間登録台数(普通+小型の合計)に基づき、上位30位までを掲載たもの(データ出典:日本自動車輸入組合

順位メーカー2025年11月台数前年同月比2025年累計台数(1~11月)累計前年比注目ポイント
1Mercedes-Benz4,399台95.2%46,082台96.1%首位安定だが微減。電動化戦略の本格化が鍵
2BMW2,578台79.7%31,759台101.6%月次は減も累計は微増。新型EV投入に期待
3Volkswagen2,125台108.0%28,378台138.0%堅調に成長。ID.シリーズなどEVが貢献
4Audi2,070台181.4%21,417台111.4%驚異的な月次成長。新型Q6 e-tron等が好調
5BMW MINI1,388台83.6%17,296台119.2%新型カントリーマンEVが累計を押し上げ
6Volvo840台102.6%10,314台93.7%安定した月次、累計はEV/PHEV比率に注目
7Porsche645台95.1%9,268台106.4%高額帯で堅調。マカンEVが主力なるか
8Jeep621台77.8%7,722台90.2%キャンプブーム需要が一服か
9Land Rover424台103.9%7,380台105.5%ディフェンダー、レンジローバーが堅調
10Peugeot518台107.5%6,096台127.2%デザインと実用性で着実にシェア拡大
11Fiat284台95.3%3,525台90.8%500eなどの小型EVの動向に注目集まる
12BYD204台192.5%3,420台171.5%中国EVの急先鋒、爆発的成長率。
13Renault212台92.5%2,776台62.9%メガーヌE-Tech等のEV投入効果を期待
14Citroen290台85.3%2,607台97.0%個性的なデザインで一定の支持を獲得
15Ferrari140台105.3%1,402台105.1%超富裕層市場は不況に強い
16Alfa Romeo152台310.2%1,390台161.4%最大の成長率。新型ジュニア効果が絶大
17Hyundai99台282.9%941台170.2%インスター効果に期待
18Lamborghini60台64.5%872台116.9%レブエルトが高額市場で好調
19Maserati48台80.0%676台66.0%モデル刷新の過渡期か
20ABARTH22台18.3%673台39.6%EVモデルのパフォーマンスに期待
21Cadillac33台82.5%474台118.2%意外と一定の需要が見られる
22Rolls Royce46台164.3%425台127.2%超富裕層市場でも電動化が追い風
23BMW Alpina49台144.1%414台117.6%限定的な高性能モデルに根強い人気
24Aston Martin27台75.0%406台84.4%モデルチェンジのタイミング待ちか
25Bentley32台72.7%401台80.2%電動化戦略「ビヨンド100」の今後が焦点
26DS23台88.5%350台83.1%高級フランスブランドとして独自の道
27Chevrolet34台97.1%309台59.7%やはりアメ車は「安定した需要」を誇る
28McLaren14台46.7%244台96.1%やはりニューモデル投入までの過渡期か
29Jaguar29台192.0%?520台36.9%EV専業化へ移行中の混乱状態
30Lotus29台82.9%176台55.5%やはり今後の新しい展開への移行際しての混乱が見られる

データが語る日本輸入車市場の最新動向と考察

今回のランキングから、2025年後半の日本輸入車市場における明確な「勝ち組」と「苦戦組」、そして3つの大きなトレンドが見て取れます。

【勝ち組の共通点】新製品サイクルと電動化のスピード

  • アルファロメオ、アウディ、ヒョンデ:いずれも前年同月比で150%を超える驚異的な成長を記録。これらに共通するのは、日本市場で強く求められるSUVや新型EVの投入がタイミング良く行われている点。
  • 特にアルファロメオは、デザイン性と走行性能でニッチながらも熱烈なファンを持ち、新型ジュニアがその期待に見事に応えた形です。
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【最大の注目】中国メーカーBYDの台頭

  • 累計で3,420台(前年比171.5%)という数字は中国ブランドとして過去に類を見ないペース。
    政府補助金(CEV補助金)の対象となる価格帯で実用的な航続距離を実現する「ドルフィン」などのモデルが日本の実用的なユーザーに受け入れられ始めた証左だと考えられ、これはもはや「気になる存在」ではなく、「無視できない競合相手」として認識される段階に来ています。
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【市場の構造変化】二極化の加速

  • 一方でメルセデス・ベンツやBMWといったトップブランドでさえ月次では前年割れするなど、市場全体が非常に厳しい競争環境にあることがわかります。
    消費者の選択肢が増え(特にEVで)、かつ物価高などで購入意欲が抑制される中、「明確な強み(デザイン、先端技術、コストパフォーマンス)を持つブランド」と「それに欠けるブランド」の二極化が加速しているのかもしれません。

結論:2026年の輸入車市場を占うキーワードは「電動化の具体化」

2025年11月の数字は、輸入車市場が大きな転換点の真っただ中にあることを示しています。かつては「ドイツ三強」で語られた構図は崩れ、電動化(EV/PHEV)への移行スピードと、日本市場に合った製品(特にSUVと中型車)をいかに投入できるかが、勝敗を分ける最重要ファクターになってっきたのだとも考えられます。

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参照:日本自動車輸入組合

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