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驚異の3,478万台、売上244兆円。中国自動車業界の2025年決算が公開、華やかな数字の裏に潜む「利益消失」の危機とは

中国車

| 販売台数と売上高が伸びる一方、利益率は足踏み傾向に |

記事のポイント(3行まとめ)

  • 生産規模は過去最高: 2025年の総生産台数は3,478万台(前年比10%増)に達し、売上高も約1.6兆ドルの巨額を記録
  • 薄氷の利益率: 激しい価格競争により、業界全体の利益率は4.1%まで低下。12月単体では1.8%という「異常事態」も発生
  • 新旧交代の加速: BYDが460万台超で独走する一方、Xiaomiが参入1年で40万台を突破。外資系ブランドは苦戦が続く
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中国自動車業界は「売れども儲からない」構造に

2025年、中国の自動車業界はまさに「アクセル全開、しかしブレーキも同時踏み」という異例の一年となったことが明らかに。

中国乗用車協会(CPCA)が発表した2025年の通期データによると、中国の自動車生産台数は3,478万台に達し、17年連続で世界首位を堅持しています。

しかしその輝かしい数字の裏側では、メーカー同士が血を流し合うような熾烈な価格競争が続いており、売上高が7%伸びる一方で利益の伸びはわずか0.6%。

この「売れども売れども儲からぬ」構造の正体を探ってみたいと思います。

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12月に起きた「利益率1.8%」の激震

2025年通期の利益率は4.1%となりましたが、これは中国の全工業製品平均(5.9%)を大きく下回る低水準。

特に深刻だったのが12月で、利益率は1.8%にまで急落した、と報じられています。

2025年 中国自動車業界の財務指標

項目2025年実績前年比
総生産台数3,478万台+10.0%
総売上高約11.1兆元 (約1.6兆ドル)+7.1%
業界総利益4,610億元 (約659億ドル)+0.6%
平均利益率4.1%低下傾向

この収益性の低下は、バッテリー原材料の価格変動に加え、新エネルギー車(NEV)とガソリン車のシェア争いによる過剰な値引き合戦が主な原因です。

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主要メーカーの明暗:BYDの独走とXiaomiの衝撃

2025年は、ブランドごとの「生存競争」がより鮮明になり・・・。

2025年 主要ブランド販売実績

  • BYD: 4,602,436台(圧倒的首位、NEV浸透の主役)
  • Geely(吉利): 3,024,567台
  • Chery(奇瑞): 2,631,381台
  • Xiaomi Auto: 400,000台超(参入初年度で驚異の躍進)

新興勢力のLi AutoやNIOも着実に台数を伸ばす中、外資系合弁企業はシェアを奪われる展開が続いており、もはや中国市場は「ブランド力」ではなく「ソフトウェアの進化速度」と「価格設定」が勝敗を決める戦場と化していることが明らかに。

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輸出が救いか? 832万台が海外へ

国内市場が飽和し利益が削られる中、中国メーカーが活路を見出したのが「海外輸出」。

2025年の輸出台数は832万台に達し、その内訳はNEVが343万台(70%増)と急拡大していますが、メキシコ、ロシア、UAEが主要な受け皿となり、国内での利益不足を輸出で補う構造が定着しつつあります(ただ、この輸出についても遅かれ早かれ中国国内と同じく飽和することとなり、同時に日米欧の自動車メーカーのシェアを奪うという構図となることは間違いない)。

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関連知識:なぜ「電池内製化」が命運を分けるのか?

興味深いのは、今回の報告にてCPCAの崔事務局長が「電池を自社生産していないメーカーの利益低下が顕著である」と指摘したこと。

EVのコストにおける約4割を占めるバッテリーを外部調達に頼るメーカーは原材料価格の上昇を直接受け、利益がさらに圧縮されています。

よって今後は「クルマを造る」だけでなく、BYDのように「電池から造る」垂直統合モデルが生き残りの絶対条件となりそうですね。

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結論

2025年の中国自動車市場は、規模の面では世界を圧倒したものの、経営面では「薄利多売」の極致に達することになり、4.1%という利益率は多くのディーラーが赤字に苦しんでいることを示唆しています。

2026年、生き残るのは資金力のある大手か、それともXiaomiのような破壊的なテック企業か。

消費者は史上空前の「コスパ」を享受していますが、メーカー側には淘汰の波が押し寄せている、というのが現在の状況です。

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参照:CarNewsChina

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