
Image:Maserati
| 「幻のスーパーカー」のオークションが突如中止された謎に迫る |
【この記事のポイント】
- 世界限定62台の初号機が標的に: 競売サイト「Bring a Trailer」に出品されたMCエクストレーマが突如削除
- マセラティが「待った」をかける: メーカー側が「契約上の転売制限」を理由に介入
- オーナーとメーカーとの声明: 「誰が、なぜ止めたのか」を巡る異例の声明が出される
競売価格は1億円超え・・・その矢先の中止劇
大手自動車オンラインオークションサイト「Bring a Trailer」にて”ある事件”が起きて大きな話題に。
ことのはじまりとしては、まず世界限定62台、価格は約190万ドル(約3億万円)とも言われるマセラティのサーキット専用モンスター「MCエクストレーマ(MCXtrema)」の初号機(カーナンバー24)が出品されたのですが・・・。
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入札価格がわずか数日で75万1,000ドル(約1億2,000万円)に達し、さらなる高騰が予想されたその時、オークションは突如として「キャンセル」されることに。
サイト側は「マセラティの北米法人がこの車両の販売を制限している」との異例のコメントを発表し、一体、舞台裏で何が起きていたのかと様々な推測がなされていたわけですね。
MCエクストレーマ:選ばれし者のみが許される「禁断のマセラティ」
そもそもMCエクストレーマとはどのような車なのか、改めてその規格外のスペックを振り返ってみましょう。
簡単にいうと、MCエクストレーマとは、MC20をベースにしながらも、公道走行のレギュレーションを一切無視して「サーキットでの純粋な速さ」だけを追求したモデルです。
主要スペック表
| 項目 | 詳細 |
| エンジン | 3.0L V6 「ネットゥーノ」ツインターボ |
| 最高出力 | 730馬力 |
| 生産台数 | 世界限定62台(完売済み) |
| 車両タイプ | サーキット専用(公道走行不可) |
| 特徴 | フルカーボンモノコック、専用エアロ、ロールケージ完備 |
今回出品された個体は、2024年のモントレー・カー・ウィークで華々しく納車された、記念すべき顧客向け第1号車だったことからも注目を集めることとなったわけですね。
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なぜオークションは止められたのか?メーカーとオーナーのコメント
そして今回の騒動が注目を集めているのは、メーカーであるマセラティと、オーナーであるガブリエル・ヴィニャーリ氏の双方が声明を出すという異例の事態に発展したためでもあり・・・。
オーナーの主張:
「マセラティとは非常に良好な関係にある。私が自ら出品を取り下げたのだ。MCエクストレマのプログラムには契約上の譲渡制限があることを確認したからだ。それだけのことだよ。」
マセラティの主張:
「MCエクストレマのオーナーは、初期所有期間中の譲渡に関する特定の契約義務に同意しています。これは、ブランドの価値と評判を守り、適切な管理者の手に渡るようにするためで、その義務が果たされていなかったため、出品を中止させたのです。」
この「契約上の譲渡制限」とは、いわゆる「転売禁止条項」のこと。
フェラーリやフォードGTなどの超希少車では一般的ですが、マセラティがここまで強硬な姿勢を見せたことが市場に大きな衝撃を与えた、というのが今回の事件の概要です。
自動車業界の「転売対策」とその背景
近年、希少なハイパーカーを投資目的で即座に転売する「転売ヤー(フリッパー)」への対策として、メーカー側は以下の観点から非常に厳しい契約を課すようになっています。
- ブランドイメージの維持: プレミアムな顧客リストをメーカー自身がコントロールしたい
- 市場価格の安定: プレミア価格での転売が横行すると、本当に乗りたいファンの手に届かなくなる
そして今回、マセラティが毅然とした態度を示したことは、ブランドの権威性を維持する戦略としても機能しており、これによってマセラティのVIP顧客は安心してマセラティの限定モデルをテにすることができるようになるのかもしれません。
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初号機は再び「封印」へ
結局、このMCエクストレマ初号機は再びオーナーのガレージへと戻ることになり、マセラティの「ブランド価値を守る」という強い意志が”1億円を超える入札”を跳ね除けた形です。
希少な限定スーパーカーを手に入れたとしても、それを自由に売る権利さえメーカーに握られているかもしれない――。
そんな、ハイパーリッチたちの世界の厳格なルールを垣間見たのがこの事件というわけですね。
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参照:Bring A Traler, etc.















