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2300馬力の怪物、ケーニグセグ「ジェメラ」が発表から6年の歳月を経て生産開始。世界で唯一、「4座ハイパーカー」がついに路上へ

走行中のケーニグセグ・ジェメラ(ゴールド、リア))

Image:Koenigsegg

| 「家族でハイパーカーに乗りたい」という需要は意外と少なくはない |

記事の要約(ハイライト)

  • 待望の瞬間: 2020年の世界初公開から6年、4シーターハイパーカー「ジェメラ」の量産ラインが稼働
  • 異次元のパワー: プロトタイプの3気筒から一転、市販版は5.0L V8ツインターボを搭載し、驚愕の2300馬力を発揮
  • CC850と並走: 創業20周年記念モデル「CC850」と同じラインで、カーボンモノコックの組み立てが進行中
  • 市販版の変更点: カメラミラーからコンベンショナルなドアミラーへの変更や、空力パッケージ「Ghost Package」の設定

6年の沈黙を破り、ハイパーカー界の「家族用」王者が降臨

2020年、世界中に衝撃を与えた「4人が乗れるハイパーカー」というコンセプト。

スウェーデンの至宝、ケーニグセグが放った「ジェメラ(Gemera)」が、発表から6年という長い開発期間を経て、ついに生産フェーズへと突入することとなっています。

ケーニグセグの発表によると、ジェメラの組立ラインは現在、同社の記念碑的モデル「CC850」と並行して稼働している最中で、公開された画像を見る限り、パーツの組み付けを待つ複数のカーボンファイバー製モノコックが並んでおり、この「Mega-GT」がいよいよ公道へと放たれる準備が整ったことを物語っているかのようですね。

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当初の計画を凌駕する「2300馬力」の心臓部

ジェメラがこれほどまでの開発期間を要した理由の一つは「パワーユニットの劇的なアップグレード」にあり、当初は2.0L 3気筒ターボ「フリーバルブ」エンジンを核としたハイブリッド構成が予定されていたものの、「オプション」としてV8エンジンを追加したところ、結果的にほとんど(すべて)の顧客がV8を選択することに。

よってケーニグセグはこのV8ツインターボエンジンを中心とした設計へと舵を切り、市販モデルではさらなる高みを目指すこととなっています。

当初「3気筒」でデビューしたケーニグセグ・ジェメラ。後にオプションとしてV8を追加したところ「ええ、つまるところ全部V8にて生産することになりました」

Image:Koenigsegg

当初「3気筒」でデビューしたケーニグセグ・ジェメラ。後にオプションとしてV8を追加したところ「ええ、つまるところ全部V8にて生産することになりました」
当初「3気筒」でデビューしたケーニグセグ・ジェメラ。後にオプションとしてV8を追加したところ「ええ、つまるところ全部V8にて生産することになりました」

Image:Koenigsegg | このV8エンジンは高価なオプションではあるが、それでもハイパーカーを購入する人々はV8を選ぶだろう | ちなみに3気筒だと1700馬力、V8だと2300馬力という ...

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主要スペック・パワートレイン表

以下が現時点での市販版ジェメラのスペックですが、この驚異的な出力は、もはや「ハイパーカー」の枠を超え、ケーニグセグ自身が提唱する「Mega-GT」という独自のカテゴリーを完全に定義づけるものへ。

項目スペック詳細
エンジン5.0L V8 ツインターボ
モーター3基のエレクトリックモーター
最高出力2300 hp
最大トルク約2750 Nm
トランスミッション9速 ライト・スピード・トゥールビヨン・トランスミッション (LSTT)
駆動方式全輪駆動 (AWD)
乗車定員4名

性能・デザインの特徴:プロトタイプからの進化

市販版ジェメラには、発表時のプロトタイプからいくつかの重要な変更が加えられているといい・・・。

  1. ミラーの現実的対応: 当初採用されていたサイドカメラは、市販化にあたりコンベンショナルな「ドアミラー」へと変更(法規制や信頼性を考慮した判断と見られる)。
  2. ゴースト・パッケージ(Ghost Package): オプションで提供されるこのパッケージでは、よりアグレッシブなフロントスプリッター、リヤウィング、Sダクトなどが含まれ、空力性能を極限まで高めることが可能に
  3. LSTTの採用: Jesko(ジェスコ)で培われた超高速変速を可能にするトランスミッション技術が、この4シーターモデルにも最適化して導入されている
ケーニグセグCEO自らが語る「ジェメラに積まれるライトスピード・トゥールビヨン・トランスミッション(LSTT)はこんなにスゴい」【動画】
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競合比較と市場での位置付け

ジェメラに直接的な競合は存在せず、というのも「2000馬力オーバー」かつ「大人4人が快適に座れるスペース」を両立したクルマは他に存在しないから。

  • フェラーリ・プロサングエ: 4人乗りではあるものの、SUVに近いコンセプトであり、ジェメラの圧倒的な全高の低さとパワーとはまったく異なるセグメント
  • マクラーレン・スピードテール: 3シーター(中央運転席)で最高速を追求しているものの、ジェメラほどの多用途性はない

ジェメラは、「家族や友人と2,000馬力を共有する」という、極めてニッチかつ贅沢な市場を独占しており、一部では「これこそが富裕層が求めていたクルマ」という声もあるようですね。

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Image:Koenigsegg

結論:ハイパーカーの歴史に刻まれる「忍耐」の成果

発表から6年。技術的な野心が高すぎたゆえの遅延とも言えますが、その間に3気筒からV8へと心臓部を強化し、トランスミッションも最新鋭のものを積み込むという判断は、結果としてジェメラを「時代遅れ」にさせるどころか、さらにライバルの手の届かない領域へと押し上げることに。

ついにラインオフが始まったジェメラ。世界中の超富裕層のもとへ、この「地上を走るジェット機」が届けられる日は、すぐそこまで来ています。


参考:

ケーニグセグは「少量生産・超高性能」を貫くメーカーであり、一台の組み立てに膨大な時間を要します。

今回並行生産されている「CC850」は、創業者クリスチャン・フォン・ケーニグセグの50歳の誕生日を祝うモデルでもあり、この2つの歴史的モデルが同じ工場で生まれている現在は、まさに同社の黄金期と言えるのかもしれません。

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参照:Koenigsegg

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