| ケーニグセグの思想は当時から現在に至るまで「一貫」している |
ここまで明確な意思によってコントロールされているハイパーカーメーカーは他にないだろう
さて、今年はケーニグセグが創業されて「30周年」という記念すべき年ですが、それを振り返りケーニグセグがいくつかのコンテンツを公開。
まずは創業時を振り返り、「最初のクルマは、ウインドウズに付属するマイクロソフトのグラフィックソフトウェア、マイクロソフト ペイントを使用して行われた」こと、そしてその5年前に発売されたIBM 486を使用していたことが明かされています。
ケーニグセグはこんな道を歩んできた
ケーニグセグを創業した当時、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は22歳で、お金もなくバックボーンもなく、持っていたのはただ「夢のスポーツカーを作りたい」という情熱のみ。
そして夢のスポーツカーとは「デタッチャブルルーフを備えたミッドシップエンジンレイアウト、高性能、軽量で2人乗り」ということで、4人乗りの「メガ・カー」、ジェメラを除けば全てこのレシピに従っています。
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その2年後、1986年に完成したのが「CCコンセプト」。
このクルマにてアンダーストープにて開催されたレースイベントに登場することで大きな話題を呼び、それによって購入希望者を獲得することでスポーツカーメーカーとしての本格的な歩みを開始します。
なお、ケーニグセグはその誕生時期や究極の性能から「パガーニ」と比較されることも多く、しかし大きな違いとしては「パガーニは芸術性を重視するが、ケーニグセグはパフォーマンスを重視する」ということ。
加えてパガーニはエンジンの供給をメルセデスAMGから受けるなどサプライヤーを有効活用するものの(モデナ近隣に創業したのも、フェラーリやランボルギーニ向けの、スーパーカーに明るいサプライヤーが集中していたためである)、ケーニグセグは求めるパフォーマンスを達成するため、そして既存のサプライヤーからは満足する性能を発揮できるパーツやユニットを入手できないという判断から「自社開発、自社製造」という方針を貫き、高い内製率を持っています(もちろん、そこに至るまでは様々な既存のユニットやパーツをテストし、そのうえでの判断である)。
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その後ケーニグセグはオロフストロムへと工場を建設し、さらには2000年にパリ・モーターショーへとCC8Sを出品することとなりますが、運命を大きく決定づけたのは2002年の「量産車によるギネス世界記録の獲得」。
さらにはレッド ドット デザイン賞を受賞するなどデザイン面にもおいても評価を受けた後、2003年にはCC8Sの納入が始まり、しかし2月には工場が火災に見舞われることで(燃えやすい茅葺き屋根だった)それまでの設計図含む多くの財産が失われてしまいます。
なお、CC8Sのスペックとしては「4.7リッターV8ツインターボエンジン、最高出力655馬力、最高速390km/h」というもので、2022年にはこのCC8Sへのオマージュである「CC850」を発表していますが、その出力は1385馬力、つまり「倍」に達しており、これは20年の間におけるケーニグセグの進化を端的に表す事実かもしれません。
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参照:Koenigsegg