
Image:Ferrari
| パワートレイン、インテリア、そしてエクステリア |
その価格は「1億円」とも言われるが
フェラーリの「ブランド史上初となる完全電動ハイパーカー「Luce(ルーチェ)」」をフル公開するまで”あと少し”。
ルーチェの後悔は3段階に分けられ、まずはパワートレインとシャシー、次いでインテリア、最後には5月下旬のエクステリア、という流れです。
現時点において特筆すべきは、Appleの元最高デザイン責任者であり、iPhoneを世に送り出した伝説的デザイナー、サー・ジョナサン・アイブ(LoveFrom)との歴史的なコラボレーションですが、「電気自動車はデジタル過ぎて、情緒に欠ける」という既存のイメージを打ち破るべく、フェラーリとアイブが導き出した答えは、アナログとデジタルが完璧に融合した「人間中心」のコックピット。
1000馬力、自社製高密度バッテリー、そして工芸品のような内装。これまでのEVの常識を塗り替える、フェラーリの新たな夜明けを”フル公開”前に振り返ってみましょう。
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この記事の要約
- 歴史的提携: ジョナサン・アイブ率いるLoveFromとフェラーリが5年をかけ共同開発
- 圧倒的性能: 4モーター搭載で1000馬力超、エネルギー密度世界最高レベルの自社製バッテリーを採用
- 究極の内装: iPhoneのように直感的でありながら、50年代のステアリングを彷彿とさせる「触感」重視のデザイン
- 脱デジタル: 過度な画面表示を避け、物理ボタンとアナログの良さを融合させた新世代UI
Ferrari Luce(ルーチェ):プロジェクトの背景と「光」が示すもの
イタリア語で「光」を意味する「Luce」という名は、フェラーリの電動化という未知の領域を照らす道標として名付けられており、一時はマツダとの衝突があるのではとウワサされたものの、マツダのイタリア法人が「フェラーリとはリスペクトし合う関係」とコメントしたことでその懸念は霧散しています。
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ルーチェのインテリアはイタリアではなくサンフランシスコのトランスアメリカ・ピラミッドで披露されていますが(フェラーリではなくLoveFromの拠点を選択したということになる)、そのデザインはテクノロジーの塊でありながら「どこか温かみを感じさせるもの」。
ここでフェラーリ会長のジョン・エルカーン、CEOのベネデット・ヴィーニャ、そしてジョナサン・アイブとマーク・ニューソンの4名が語ったのは、「速いEVを作ろうとしたのではなく、時代を超越する美しさと運転の楽しさの再定義を目指すこと」。
フェラーリ「ルーチェ」の性能・デザイン・スペック
1. 驚異のパワートレインと世界初のバッテリー技術
フェラーリは電動化においても「他社からの供給を受ける」という安易な道を選んでおらず、エレクトリックモーターそしてバッテリーに至るまでを「自社で設計、製造」しています。
これはル・マン・ハイパーカー「499P」でLMDhシャシーを選択しなかったのと同様、「フェラーリは”自動車メーカー”である」という自負の現れということになりそうですね。
- 1000馬力超の出力: 各車軸に2つずつ、計4つの電気モーターを搭載することで圧倒的なトラクションと異次元の加速性能を実現
- 自社製122kWhバッテリー: セルの設計から組み立てまで内製化。195Wh/kgという市販EVでは世界最高水準のエネルギー密度を誇る

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2. ジョナサン・アイブが魔法をかけたコックピット
Appleで「ミニマリズム」の頂点を極めたジョナサン・アイブ氏が、クルマという巨大なプロダクトに挑んだのがこのルーチェでもあり・・・。
- 物理ボタンへの回帰: 画面だらけの現代のEVに異を唱え、あえて機械的な感触を残す物理コントロールを配置
- 彫刻のようなステアリング: 1950年代のマラネロの名車を思わせるクラシックな美しさ、そしてミリ単位で調整された現代の加工技術が融合
- アルミ削り出しの美学: 目に見えない部分まで、CNCミル加工された航空機グレードのアルミニウムを採用し、圧倒的な剛性と質感を実現
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3. スペック・主要データ表
| 項目 | 詳細スペック(Luce) |
| パワートレイン | 4モーター (クアッドモーターAWD) |
| 最高出力 | 1,000 cv (約986 hp) 以上 |
| バッテリー容量 | 122 kWh (自社開発・組み立て) |
| エネルギー密度 | 195 Wh/kg (市販EV最高レベル) |
| 内装デザイン | LoveFrom (Jony Ive & Marc Newson) 監修 |
| UIコンセプト | 物理的・機械的インターフェースとデジタルの融合 |
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競合比較と市場での位置付け
フェラーリ ルーチェの競合となるのはリマック・ネヴェーラやロータス・エヴァイヤなどのメガEVハイパーカーで、しかしフェラーリの強みは「数値」だけではなく、多くのEVメーカーがデジタル体験の派手さを競う中、フェラーリは「触覚」と「官能性」に軸足を置いています。
アイブ氏がAppleで実現した「説明書が不要な直感性」がフェラーリの歴史と融合したことにより、これまでのどのハイパーカーとも異なる「資産価値の落ちない、時代を超越するプロダクト」としての地位を確立しようとしているわけですね。

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関連知識:なぜジョナサン・アイブはフェラーリを選んだのか?
ジョナサン・アイブ氏は、実は生粋のカーコレクターとして知られていて、かつてスティーブ・ジョブズと共に「世界最高の道具」を作った彼が、次に選んだのが「世界最高の移動体験」を提供するフェラーリということに。※かつてアップルは新型iPhoneの開発コードに「フェラーリ」と命名したことがある
そして彼らがこだわったのは、「Innovability(イノバビリティ)」だとされ、つまり「イノベーション(革新)」と「サステナビリティ(持続可能性)」の融合です。
次世代を担う若者たちが誇りに思えるブランドであり続けるため、フェラーリは単にエンジンをエレクトリックモーターに置き替えるのではなく、クルマの「魂」そのものを再構築しようとしている、ということになるのかもしれません。
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結論
フェラーリ・ルーチェは「電動化への対応のために作るクルマ」ではなく、iPhoneが電話の概念を変えたように、フェラーリとアイブは「ハイパーカーはかくあるべし」という定義を根底から覆そうとするために世に送り出される存在です。
2026年5月には、いよいよそのエクステリア(外装)も明らかになり、マラネロの職人魂とシリコンバレーの先見性が生み出すこの「光」が、自動車の未来をどう照らすのか。
いま世界中の期待が最高潮に達している、というわけですね。
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参照:Ferrari











