| さらには最高速、そして0-400-0km/hテストへのチャレンジも期待できるかも |
ジンガーは実際にハイパーカーを発売した稀有な「新興ハイパーカーメーカー」のひとつでもある
さて、先日グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて「市販車最速」記録を樹立したばかりのジンガー(Czinger)ですが、この記録(43.83秒)という数字はなんとリマック・ネヴェーラ(49.32秒)をも凌駕するものです。
そして今回報じられているのが「今後さらなる記録更新に挑む」というジンガー・ヴィークルの創業者、ケビン・ジンガー氏の発言であり、つまりはブガッティやケーニグセグ、さらにはポルシェやメルセデスAMGの持つ記録に挑むことになるのかもしれません。
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グッドウッド「ヒルクライム」市販車最速記録がシンガー21Cによって塗り替えられる。3Dプリンタによって製造され、リマック・ネヴェーラのタイムを0.5秒短縮【動画】
Image:czinger_vehicles | シンガーは数少ない、あるいは唯一の「実際に生産を行い、実績を残した」新興ハイパーカーメーカーである | 片側のミラーをバリアに当てて破損しながらも果敢 ...
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「これは世界攻略のはじまりにすぎない」
なお、このジンガーはカリフォルニアにて創業された新興ハイパーカーメーカーですが、今回グッドウッドにて最速タイムを記録した21Cが最初の市販車。
これは11,000rp まで回転する2.88リッターツインターボV8 エンジン、そしてフロントに搭載された2つのエレクトリックモーターを組み合わせてシステム合計1,250馬力を発生させるというハイブリッドスポーツで、「前後タンデム2座」という他に例を見ないパッケージングを持っており、そして何よりも特徴的なのは「AIによって設計され3Dプリンタによって製造されること」。
The Czinger 21C’s combination of AI designed laser-metal 3D printed aluminum alloys, and the carbon fiber monocoque is the future of the automotive industry. 3D printing opens up limitless possibilities for structural design. The utilization of generative design minimizes… pic.twitter.com/AfkAX8qRl3
— Czinger Vehicles (@CzingerVehicles) June 27, 2024
これは80台のみの限定という少量生産車だからこそ可能となるワザではありますが、すでにこの技術が高く評価され、ブガッティ・トゥールビヨンには同じテクノロジーが(サスペンションに)取り入れられ、マクラーレンもつい先日、ジンガー創業者であるケビン・ジンガー氏が別途設立した先端企業「ダイバージェント」との提携を発表したばかりです。
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マクラーレンが米新興企業と提携を結び「AIによる設計、3Dプリントによる製造」を取り入れると発表。なおこの新興企業はブガッティとも提携済み
| 実際にブガッティはこの技術を取り入れることでサスペンションパーツをシロン比で45%軽量化している | おそらくこの技術は「スーパーカー / ハイパーカーでは常識の」技術となるだろう さて、マクラー ...
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つまり、このシンガーは新興ハイパーカーメーカーながらもトップパフォーマーに認められた技術力を有しているということになり、となると先人の残した記録に挑む資格は「十分」なのかもしれません。
The 21C Bio-Logic Chassis is a lesson in lightweight AI driven generative design, functional integration, patented performance materials, durability, strength, and safety. It is the world’s first Pareto optimal chassis. It sets a new benchmark for structural performance and… pic.twitter.com/a4wCZDFg5V
— Czinger Vehicles (@CzingerVehicles) June 25, 2024
そしてケビン・シンガー氏は「ええ、今年はちょっとした海外旅行があります」とも語っており、よってカリフォルニアから足を伸ばしてニュルブルクリンクやスパ・フランコルシャンのような著名サーキットへと出向く可能性も考えられ、すでに(量産車最速車としての)記録を保持するサーキット オブ ジ アメリカ、ラグナ セカ レースウェイに加えての名誉を獲得することとなりそうですが、この異形の、そしてこれまでにない設計・製造方法を持つこのクルマが世界を席巻するのを見たいと願うのはぼくだけではないかと思います。
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【動画】ハイパーカーはここまで進化した!AIによる設計、3Dプリンタにて製造される1250馬力のジンガー21Cがスゴかった
| 一瞬、キワモノかと思ったが | さて、今年3月に発表されたハイパーカー、「ジンガー21C」。このジンガー(Czinger)はポルシェのレストアそしてカスタムで有名なジンガー(Singer)ビークル ...
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なお、シンガーが開発した設計と製造プロセスは非常に効率的で、ケビン・ジンガー氏いわく「必要なのはユーザーのユースケース入力だけで、他のすべては従来の時間枠のほんの一部で自動的に処理されます。これを3Dプリントと呼ぶこと自体、非常に単純化しすぎです」。
As humanity advances, our technology is evolving to reflect the complexity and beauty of the natural world. Czinger’s pioneering Bio-Logic™ structures emulate nature’s evolutionary method of reducing material and energy usage, on a turbocharged timescale.
— Czinger Vehicles (@CzingerVehicles) June 6, 2024
We harness machine… pic.twitter.com/zssnJHG7OG
さらに同氏は以下のように語り、さらに将来的には「空、陸、海、宇宙の乗り物を作るつもりだ」という野望も見せていて、今後は様々な場面でジンガーの名を聞くことになるのかもしれませんね。
「このシステムは、完全なエンジニアリング制約、完全な製造プロセス シミュレーション最適化、完全な組み立てプロセス最適化を実行し、(他の自動車メーカーが要する)1年以上ではなく、15~20時間で完璧な構造を生成します。その後、設計指示を受け取ってプリンターに送信し、印刷して組み立てます。これは既存のあらゆるものとも異なり、全く次元の異なる話です」
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参照:CARBUZZ