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元GM副会長「ポルシェ911から新型コルベットに乗り換える人は誰もいないだろう。ミドシップ化するよりもSUVにしたほうがいい」

2019/06/26

| 経営的視点からすると正論としか言いようがない |

7月18日の発表が刻々と迫る新型シボレー・コルベット。
しかし今回、シボレーを擁するGMの副会長を努めたボブ・ラッツ氏が「誰もポルシェ911を売って新型コルベットを買わないだろう」という衝撃的な発言を行っています。

新型コルベットはこれまでのフロントエンジンから「ミドシップ」へとパッケージングが変更されますが、その理由はポルシェはもちろん、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンといった欧州のスーパースポーツに対抗するため。

元GM副社長はコルベットの戦略には懐疑的

つまりは「フロントエンジンだとパフォーマンスに限界がある」としてミドシップレイアウトに移行することになり、それらに対抗すると同時に、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンの顧客を取り込むことも考えているわけですね。

そのため新型コルベットのパフォーマンスや価格はライバルと近いものとなり、パフォーマンスが上回ることはあっても価格がライバルを超えることはないと思われます。

そして今回ボブ・ラッツ氏は「C8世代のコルベットはよく売れるだろう。しかしそれはC7コルベットからの乗り換えがほとんどで、若い顧客や、これまでコルベットを購入しなかった顧客を惹きつけるとは思えない。とくに誰もポルシェ911からコルベットには乗り換えないだろう」と語っていて、根本の戦略については否定的。

ボブ・ラッツ氏はこんな人物

なお、ボブ・ラッツしはこういった発言をするだけの実績がある人物で、クライスラーではダッジ・ヴァイパー、プリマス・プロウラーといった「マニア受けする」モデルを世に送り出しています。

その後はGMに移り、カマロを「レトロ」なルックスに変更して大ヒットさせたという経験を持ち、世間の評価は「クルマ好きのツボをよくわかっている人」というもの。

ただ、これまでヒットさせたクルマを見るに、いずれも「レトロ」「フロントエンジン」。

ヴァイパーについては過去にミドシップ化されるという計画が持ち上がったものの、”ヴァイパー生みの親”であるボブ・ラッツ氏がこれに首を縦に振らなかったことで「ミドシップヴァイパー」は陽の目を見ること無く消え去ることに。

ちなみにクライスラーの前にはフォードに在籍しており、ここでは「エクスプローラー」をヒットさせています。※当時、SUVは一般的ではなく、その意味ではSUVそのものの認知度を向上させたとも言える

つまりボブ・ラッツ氏は「フロントエンジンのレトロなスポーツカー」が好みで、SUVにも明るい、ということになりますね。

むしろコルベットはSUVにすべきだ

そしてボブ・ラッツ氏は新型コルベットについて、スーパースポーツではなく、ポルシェ・カイエン等のハイパフォーマンスSUVに対抗できる「SUVへと移行すべき」だと主張し、そうすれば年間販売台数も2万~3万台を期待でき、かつ1000万円以上の値付けにて利益を取ることが可能だ、とも。

たしかに「経営的視点」からするとこれは正解のように思われ、つまりはコルベットの名を活用し、スポーツカーよりは規模も大きく、かつレッドオーシャンにもなりきっていない市場で力を発揮したほうがいいということになりそう(ミドシップスポーツ市場にて、”新参”となるコルベットがランボルギーニやフェラーリに対抗できるとは考えにくい)。

コルベットの名は絶大な価値を持つものの、それはシリアスなスポーツカーとしてではなく「アメリカンマッスル」という方面での印象が強く、であればそれを活かして「アメリカンマッスルなSUV」として再出発を切ったほうがいい、というのは頷ける話です。

なお、フォードは同様の理由からか、「マスタングのSUV版(エレクトリック)」を発売する、と言われていますね。

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