Image:Ford
| 「挑戦は失敗に終わった」とも言われるが、こうして動画が公開されるということは一定の成果があったと考えられる |
「もっとも速くニュルブルクリンクを走ったアメ車」の称号には大きな価値がある
さて、フォードが「予告通り」マスタングGTDにてニュルブルクリンクに挑戦し「7分を切る」ための準備を行う様子を動画にて公開。
現在のニュルブルクリンク最速市販車はメルセデスAMG Oneの6分29秒なので、「7分」というとさして速くないタイムのように聞こえますが、実はアメ車で7分を切ったクルマはいまだなく、もっとも速くニュルブルクリンクを周回したのがSRTバイパーACRによる7分1秒30(2017年)です。
参考までに、このバイパーACRは初日のテストにてこのタイムを記録した後にクラッシュしてしまい、その後のチャレンジが叶わなかったため、「仮に」もう少し走り込むことができていたのならば「7分切り」を達成できていたのかもしれません(ただしその悲運も実力のうちである)。
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実際のところ、フォードは「6分45秒」を目指している
ただしフォードCEO、ジム・ファーリー氏は「7分を切る」だけではなく「6分45秒」を下回るタイムを目指しているといい、というのもこれが実現できれば「ポルシェ911GT3 RSのタイムである6分49秒328を軽く破ることができる可能性が見えてくるから。
なお、マスタングGTDは、これまでのどのマスタングとも異なって815馬力(608 kW)、900 Nmのトルクを発揮し、戦闘機グレードのパーツが使われているという特異性もありますが、何と言っても驚かされるのはその予定価格が約32万5000ドル(現在の為替レートにて4870万円)になるということ。
そしてその価格の正当性を証明するためにも今回の記録達成は非常に重要ということになり、ここで「アメリカ車最速」という称号がどうしても欲しいのかもしれません。
参考までに、現在「7分」というとニュルブルクリンクの市販車ランキングでは15-16位に相当し、この中には以前の「20.6km」コースの記録も混じっているので、純粋に(現在の)20.8km換算(4-5秒くらいプラスになる)にて考慮すると「トップ10」くらいに入る可能性も。
そして「万が一」6分45秒を切ることができればトップ5に入る可能性が見えてくることとなり、これを達成できればまさに「偉業」ということになりますが、現在まさにフォードはその挑戦の真っ最中ということになり(もしかするともう終わっているかもしれない)、あとはフォードが公式タイムを発表するのを待つばかりです。
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参照:Ford