| もうテスラには手を付けられない |
さて、テスラが以前にちょっとだけその発売を示唆していた「3(トライ)モーター」を採用するモデルSのトップレンジを発売。
これは「Plaid(プラッド)」と呼ばれるグレードで、これによって日本でのグレード展開は「ロングレンジ(9,899,000円)」「パフォーマンス(12,299,000円)」「プレイド(16,999,000円)」の3本に。
なお、驚くべきは「一回の満充電あたり航続可能距離が840km(長い!)」「0-100km/h加速2.1秒」ということで、とくにこの”世界最速”2.1秒はブガッティ・シロンの「2.5秒」を軽く凌駕するタイムです。
さらに1/4マイル加速は9秒とこれまた世界最速を誇り、最高速度はなんと320km/h。
現時点で「2.1秒」は世界最速
なお、この2.1秒は上述の通り世界最速で、これより速い加速を誇るクルマは今のところ地球上に存在しない、ということに。
あと1-2年内にはアスパーク・アウル(1.69秒)、テスラ・ロードスター(1.9秒)、リマックC_Two(1.85秒)というクルマが登場するものの、これらについてはまだ開発段階であり、受注が開始されているものの「納車はできない」状態です。
ただしテスラ・モデルSプラッドも2021年後半からのデリバリーなので「すぐに」納車できるわけではなく、しかしこの時期に発表したのは、おそらく「納車間近だとされる」ルシード・エアーへの対抗(テスラの開催したイベント、”バッテリーデイ”の目玉ということもある)。
こちらは1080馬力、0-100km/h加速2.5秒というスペックを持ち、加速タイムはテスラ・モデルSパフォーマンスと同等ながらも航続可能距離、最高速ともに「上」。
よってテスラはルシード・エアーを突き放すため、早々に「プラッド」を発表したのだと思われます。
実際のところ、テスラCEO、イーロン・マスク氏は、このテスラ・モデルSプラッドにてラグナセカ(サーキット)を走り、ルシード・エアーの1:36.55よりも速い1:30.30を記録したと発表しているため、ルシード・エアーを意識しているのは間違いない、と思われます。
テスラは「最速」を目指す
なお、テスラはこのモデルSプラッドの2.1秒よりも速い加速を誇る「ロードスター」を発売予定。
こちらの加速は1.9秒だとされ、さらにはイーロン・マスクCEOの経営する航空宇宙産業会社「スペースX」の技術を応用してクルマにスラスター(推進装置)を取り付け、さらなる加速(1.56秒・・・)、そしてこれを利用した異次元のコーナリングを実現する、とも述べています。
さらには「ニュルブルクリンク最速に挑戦する」とも述べていて、もしこれを達成できれば、さらにテスラの持つポテンシャルを広く世界に知らしめることになりそうですね。
なお、テスラは今まで「宣伝広告費を一切かけていない」ことでも知られ、ここまで知名度を高めてきたのはその圧倒的なパフォーマンス、そしてイーロン・マスクCEOの「問題発言」によるもの。
よって、テスラにおいては今後もさらにパフォーマンスを向上させ「他社が追随できないレベルへ」到達すること、さらにイーロン・マスクCEOの「トーク」が過激化するのは間違いないと考えて良さそうです。
ただしテスラはちょっと前にモデルSプラッドにてニュルブルクリンクにアタックしているものの、どうやら結果を出せなかったようで、「記録達成」の声はついぞ聞くことができないままであり、それだけニュルブルクリンクでトップタイムを出すというのは難しい、ということですね(だからこそ価値がある)。※ウワサレベルではそれなりのタイムを出した、と報じられている
テスラは「低価格帯EV」も計画中
そしてテスラは「バッテリーデイ」において、25,000ドルという安価な価格設定を持つエントリーEVを発売する、とコメント。
現時点では試作車が存在するわけではなさそうですが、同社の「タブレット」バッテリーを使用することで「キロワットあたりのバッテリー価格を半分にできる」と述べています。
なお、この「kwあたりのバッテリー価格」は2010年に1,100ドルであったものが、現在では156ドルにまで下がっているそうで(その割にEVは安くなってないな・・・)、しかしテスラはさらにこれを安くしよう、ということになりますね。
テスラは以前に中国にて安価なEVを製造することを示唆しており、デザイナーを(中国にて)募集したことがありますが、この計画が具体化するということなのかもしれません。
おそらくテスラのことなのでこの計画は「速やかに実行される」ことになりそうで、そうなると既存自動車メーカーが発売している、もしくは発売を予定している「エントリーレベルのEV」はもれなく競争力を失ってしまい、またしても大きく自動車業界を揺さぶることになるだろう、とも考えています。
参照:TESLA