| いったいどんな加速なのか実際に見てみたい気もする |
テスラは新型ロードスターに「ロケットに採用されるスラスター(推進装置)をオプションで取り付けることにより、ブッチギリのパフォーマンスを発揮させる」と以前にコメント。
これはテスラCEO、イーロン・マスク氏が別に経営する航空宇宙関連企業「スペースX」の技術を応用したもので、そのオプション名は「スペースXパッケージ」だとされています。
そしてスペースXは民間企業としてははじめてISSにその宇宙船をドッキングさせたり、いったん打ち上げたロケットをそのまま地球に戻したりという離れ技を見せていることでも知られますね。※イーロン・マスクCEOは突拍子もない発言を行っているように見えるが、発言に裏打ちされた技術力もある
車体には10個のスラスターを装着
今回この「スペースXパッケージ」について詳細が伝えられており、これは10個の小さなスラスターを車体の周囲に装着し、このスラスターから高圧にてガスを噴射することで「加速、減速、コーナリング」スピードを著しく向上させる、とのこと。
これだけ聞くとけっこう乱暴なシステムに思えますが、スペースXは宇宙空間においてシビアな姿勢制御を成功させていることを考えると、地上を走るクルマの制御などは「大したことはない」のかもしれませんね。
そして、このスラスターを使用した場合、計算上ではあるものの、なんと0−100キロ加速は(ノーマル状態の)1.9秒から「1.56秒」へと短縮されるようですが、ここまで来るともうクルマや人間が加速Gに耐えられるかどうか心配なレベル。
同様にブレーキングについてもその制動距離が大きく短縮されることも予想され、高性能スポーツカーが「時速100キロから停止するのに30メートルくらい」要するのに対し、テスラ・ロードスターは「20メートルくらい」で停止するのかもしれません(これまたクルマや人間の耐久性が心配)。
そのほか、スラスター噴射用のガスをどれくらい積む必要があるのか、そして使い切ったらどこでチャージするのか、もし事故を起こしたら爆発しないのか、ノズルがどんなふうになるのか(目立つのか)、洗車時にノズルから水が入ったらどうするのか、そもそもそのあたりの整備工場ではメンテナンスできないのでは、等の疑問も多数。
テスラ・ロードスターそのものはすでに発表済であるものの、実際の納車は「まだまだ先」で、予定では2021年くらい。
価格は2500万円くらいになると言われており、けして安いクルマではありませんが、納車が始まればドラッグレースで猛威をふるうことになりそうですね。