| テスラはけっこう新しいことをどんどんやってくる |
なお充電施設とEVとを同時に展開する自動車メーカーはテスラのほかには殆どない
さて、テスラの第三四半期の決算報告会開催にあわせ多くの情報が公開されていますが、まずは「モデルY」の新しいボディカラーとして、「クイックシルバー」と「ミッドナイトチェリーレッド」の2色を発表に。
これらは見る角度や光の状態によって見え方が変わる「高顔料メタリック塗装」だとされているので、マツダの「ソウルレッド」同様のペイントだと思われます(ただし現時点では、欧州と中東地域のオーナーしか選べない)。
製造できるのはギガベルリンのみ
なお、この新色が欧州と中東のみでしか選べないのは、この塗装を行うことができる工場が今のところ(ドイツの)ギガベルリンのみであるため。
公式コンフィギュレーターによると、クイックシルバーのオプションは3,000ユーロ、ミッドナイトチェリーレッドは3,200ユーロで、これらはそれぞれ1,600ユーロ、2,000ユーロに設定されていたミッドナイトシルバーメタリックとレッドマルチコートのオプションと比較して高価になりますが、これは同時に「修理の際のコストも高い」ということを意味します。※デュアルモーター仕様のモデルY(ロングレンジとパフォーマンス)でしか選べない
ちなみにこの「ミッドナイトチェリーレッド」は、2018年に宇宙に打ち上げられたイーロン・マスクCEOが個人的に所有していたテスラ・ロードスターのボディカラーと同じカラーなのだそう。
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そしてもうひとつ報じられているのが、2022年にはモデルYの販売が急増し、フォードのベストセラートラック、F-150の販売台数を抜くだろうということ。
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わずか2年前、テスラ全体での販売が50万台に満たなかったことを考えると驚くべき躍進としか言いようがありませんが、年内には76万台のモデルYが納車されるだろうと予想されており、となればグローバルでの販売ランキングのトップ10に入るのは間違いなく、しかも上位に食い込む可能性が高くなってきます(2021年、世界で最も売れたクルマはトヨタRAV4とカローラで、それぞれ110万台であった)。
参考までにですが、テスラの現在のラインナップにつき、モデル名を並べると「S」「3」「X」「Y」となっていて、つまり「SEXY」と言いたかったわけですが、「E」ではなく「3」となっているのはフォードの圧力であり、2014年にテスラが実際に「モデルE」の商標出願を行ったところ、フォードの「モデルT」に発音が似ているとしてテスラにそれを取り下げさせたため。
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当時テスラはまだ力がなくフォードに従うしかなかったわけですが、現在テスラはフォードと対等に渡り合えるだけの力をつけており、何年か後には「テスラがフォードに屈したなんて信じられない」と考える人も出てきそう。
なお、多くのアナリストはモデルYが「世界で最も売れたクルマ」となるのは間違いないだろうと考えており、「トップを取れるかどうか」は問題ではなく、問題は「いつ」トップを取るのか」だという意見が大勢を占めています。
テスラは「スーパーチャージャー」を設置して欲しい場所を投票で募る
さらにテスラは新しいサービスを開始し、それは「スーパーチャージャーの設置希望場所の投票を受け付けるサイトのオープン」。
これは今年9月にアナウンスされていたもので、「ここに設置してほしい」という要望を出すことができ、テスラ車のオーナー以外にも、テスラのアカウントを持っていれば投票が可能となります。
テスラはこの10年をかけ、46カ国にスーパーチャージャーを設置していますが、これがテスラ車の販売の成功の理由の一つであることは疑いの余地はなさそう。
多くの電気自動車メーカーがその充電インフラを外部に頼り、もしくは提携し、自社では「クルマだけ」を販売しているものの、テスラの場合は「充電サービスもいっしょに展開している」ことになり、これは他と大きく異なるところです。
ただ、投票が集まったからといって、必ずしも設置が叶うというものではなく、テスラがどういった判断基準でその設置場所を決めるのかも現時点では不明です。
10 years of Supercharging.
— Tesla (@Tesla) October 20, 2022
46 countries.
35k+ stalls.
20 billion miles charged.
🚘⚡️ pic.twitter.com/m3H2Hry719
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