| テスラの場合、リーク情報は高く売れるだろうが、それでもバレた際には「割に合わない」 |
そしておそらく、テスラの従業員は会社に対する忠誠心がほかの自動車メーカーよりも高そうだ
さて、テスラは相変わらず注目度の高い自動車メーカーであり、そして様々な製品を開発し、さらに色々な報道がなされるものの、テスラ内部からの「リーク」は非常に稀です。
つまりはサイバートラックや新型ロードスター、モデル3のフェイスリフト、さらには安価な新型EVなど多種多様のプロジェクトを抱えていながらも、それらがリークされるのは部外者がなんとか撮影に成功したという程度にとどまり、従業員からの情報公開が「ほとんどない」わけですね。
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テスラは様々な方法でリークを抑制していた
そして今回報じられているのが、テスラがリークを抑制しているその方法。
2015年に出版されたイーロン・マスクCEOの伝記本によれば、ひとつは「受信者ごとに少しづつ送るメールの内容を変更する」ことで、これにより、リークされたメールの本文を見ることで「誰に送ったものなのか」がわかるようになることを意味します(マイクロソフトも同様の手法を採用していると聞いたことがある)。
そしてほかには、Eメール内に本文を記載するのではなくファイルとして”本文を添付して送信する”というもので、この手法によっても「ファイルサイズによって誰がリークしたかがわかる」ようになっていると述べています。
そのほか、メール内に情報漏洩者を特定するためのバイナリ署名を仕込んだりするほか、単純に有効な方法として、最近同氏が買収したツイッターにおいては、「会社に損害を与える可能性のある情報をリークしたことがわかったら、その社員に対して法的措置を取る」と事前に通知したことから、テスラでも同様の手法を採用していると考えてよく、実に様々な方法を組み合わせてリークを防いでいるものと思われます。
なお、テスラ社は「裁判では負けない」ことで知られており、そのため「もしも自分がテスラから訴えられたらどうなるか」をテスラの社員が一番よく理解しているということがもっとも重要なのかもしれません。
テスラは年末に向けて販売を加速
そしてもうひとつテスラに関して報じられているニュースが「米国内にて、年末までに購入すれば、最大1万マイル分の充電が無料になる」というキャンペーンの開始。
これはまだ実施されたわけではありませんが、数ヶ月前までは「注文してから納車まで長く待たねばならない」状況であったものの、今では生産能力が向上したため(そして受注がおそらく減っているため)に納車待ち期間が短くなっており、これを受けてテスラは更に販売を加速させるためにこれまでの値上げから一転し、販売を促進するために動いていると報じられています。
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参考までに、すでに「2022年末までのモデル3、モデルYの購入であれば3,750ドルの割引を行う」というプロモーションが行われているものの、今回の「無料充電」はそれにプラスされるものとなり、かなり「太っ腹」な対応だと言えそうです。
なお、この恩恵を受けるにはいくつか条件があり、それは「新車登録された車両のみ有効」「納車日から2年以内にスーパーチャージャーを使用すること」「無料スーパーチャージ(充電)は譲渡不可」「注釈がない限り、他のインセンティブ/調整との積み重ねが可能」というもので、新車でテスラ・モデル3/モデルYを購入すれば、自動的に(1万マイルの充電に相当する)数百万ドルの割引がなされたのと同じ結果に。
ちなみに現在の「需要よりも供給が多い」理由としては、インフレ抑制法(IRA)によりテスラが7,500ドルの連邦税額控除を受けられなくなったものの、2023年1月1日から再び控除の対象となるため、「買い控え」が生じていることが大きな理由だとされています。
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