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テスラ・ロードスターは「発売が遅れて」いる間にスペックがどんどん陳腐化し、実際に発売されたとしても「遅れてきたパーティーの主役」のように注目されない可能性も

テスラ・ロードスター

| 2025年には新型テスラ・ロードスターが生産に移されると言われているが |

これ以上生産が遅れてしまえば完全に「旬」を逃してしまうだろう

さて、テスラはその製品の発表時に示された「発売時期」をなかなか実現できないことでも知られていますが(イーロン・マスクCEO自身、「私は約束を守ることについては・・・問題ありです」とコメントしている)、大きく納車開始が遅れたのがサイバートラック、そして今だ遅れ続けているのがロードスター。

ちなみにこの新型ロードスターは(信じられないことに)今から7年以上前の2017年に発表され、2019年の発売が予定されていたものの一連の製造上の問題により計画が頓挫し、生産スケジュールに支障をきたしています。※最初に計画が示されたのは2012年であった

その後も発売時期が幾度も延期され、次は2020年に、次にパンデミックの影響で2023年に、そして最新の発表では2025年へと延期されることに。

新型テスラ・ロードスター
テスラ・ロードスターは「0−96km/h加速が1秒以下」となるようだ。2024年末に公開、2025年に納車開始だとイーロン・マスクCEOがコメントする

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新型ロードスターは「発売前に時代遅れに」なるかもしれない

テスラCEO、イーロン マスク氏はこの新型ロードスターにつき、ずっとその性能と機能についてますます突飛な(スペースXパッケージなどの)約束をすることで”ロードスターを注目の的にし続ける”ためのキャンペーンを主導してきましたが、この新型ロードスターが発売されるまでの間に様々な車が登場し、よって仮にロードスターが登場したとしても、「発売される前に時代遅れになる危険性」が指摘されています。

つまりサイバートラックが発表されてから発売されるまでの5年にたくさんのEVが登場し、サイバートラックが「唯一の」選択肢ではなくなったのと同様、現時点ですでに新型ロードスターの性能は「相対的に」競争力を失ってしまっているわけですね。

新型テスラ・ロードスター

もはや新型テスラ・ロードスターのパフォーマンスは「度肝を抜くものではない」

2012年時点だと「1,000馬力、0-96km/h加速1.9秒」という性能はピュアエレクトリック、ガソリン、ハイブリッドなどパワートレーンにかかわらず「ほぼ架空の存在に近い」レベルであり、これを実現しようというのはテスラしか存在しなかったものの(テスラはスラスターを使用し1秒未満も実現可能とは述べている)、現在でリマック・ネヴェーラ(1.74秒)、ピニンファリーナ・バッティスタ(1.79秒)、アスパーク・アウル(1.72秒)という”とんでもない”加速性能を持つハイパーカーが実際に「市販」されています。

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ただし「これらは2,000馬力級の、何億円もするハイパーカーじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、これらのほかにも「1,265馬力、0-100km/h加速2.07秒」という中国Zeekerのスーパーエレクトリックセダン「001FR」や・・・。

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1,548馬力、0-100km/h加速1.97秒を標榜するシャオミSU7ウルトラ(こちらは未発売だが、今年から来年にかけて発売されると言われている)というクルマも存在し、これらはおそらく「新型ロードスターの下の価格」。

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そしておそらく、新型ポルシェ・タイカン・ターボGT(1,100馬力、2.2秒)もまた新型ロードスターに近いスペックを持ち、やはり価格は新型ロードスターの「下」になるものと見られます。※現時点で新型ロードスターの価格はわかっていないが、インフレを考慮すれば4000万円~5000万円ではないかというウワサ

Porsche-Taycan-Turbo-GT (7)
Porsche

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ゼロヨンつまり1/4マイルの加速を見てみると、新型ロードスターは8.8秒という市販車離れしたタイムを標榜してはいますが、アスパーク・アウルは8.73秒、リマック・ネヴェーラは8.58秒、ピニンファリーナ・バッティスタは8.55秒を記録しており、こちらも7年前であれば「信じられない」ような数字であったものの、現在では新型ロードスターよりも優れるタイムを実現する市販EVが「3台も」存在するわけですね。

つまるところ、新型テスラ・ロードスターは「発売されるべきときに発売されなかったため」その新鮮味を失ってしまい、「パーティーに遅れてきたがために」注目を浴び残ってしまった主役のような存在となることも考えられます。

ただし新型テスラ・ロードスターは「勝機」を失ったわけではない

しかしながら、まだまだ新型テスラ・ロードスターがライバルに勝るであろう部分も残っていて、そのひとつが「最高速」。

新型ロードスターの掲げる最高速「時速250マイル(402km)」は非常に高いレベルにあり、こればかりはタイカン・ターボGT、SU7 ウルトラ、001FRも遠く及ばず、対抗できるとすれば(エレクトリックハイパーカーだと)リマック・ネヴェーラ/ピニンファリーナ・バッティスタの時速258マイル、アスパーク・アウルの時速260マイルくらいであり、つまり新型ロードスターの最高速は完全にハイパーカーの領域ということに(ただしネヴェーラ、バッティスタ、アウルはすでに市販されており、実際にこの速度を達成済で、よって目新しい速度でもない)。

そして新型ロードスターの掲げる「10,000Nmものトルク」は現代でも驚異的であり、かつこのトルクは「モーター単体の軸出力」ではなく「実際にタイヤが路面に伝えるトルク」だとされるので、これに太刀打ちできるEVは新型ロードスター以外に存在しないと考えてよく、この面では新型ロードスターが「王座」に就くこととなるのかも。

テスラ

さらにはまだ未確定ながらも「航続距離」においても新型ロードスターがトップを獲得する可能性がある、ルシード・エアー・ドリームエディションの「502マイル」を超えることができれば、EVとしての「一回の満充電あたり航続距離」最長記録を達成できる可能性が生じます。

加えて、新型ロードスターは「2ドアオープンスポーツ」という他にはないボディ形状を持ち、リマックやピニンファリーナ、アスパークのクルマに比較すると「圧倒的に求めやすい」価格となるはずで、かつその生産台数も限定されるわけではなく、「パフォーマンスに比較した入手難易度」という点でも他車を圧倒する可能性が非常に高いものと思われ、このパフォーマンスが「アッパークラスながらも、一般のクルマとして」手に入るという事実は大きな意味を持つとも考えています。

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