やはりテスラはあらゆる面で「先」を行くのか。フォード、GM、トヨタがテスラ同様に「ドナルド・トランプ新大統領に多額の寄付」を行うもよう

｜　テスラは常に新しい「標準」を作ってきた　｜

そして多くの自動車メーカーがこれに倣っている

さて、テスラの株価はドナルド・トランプ新大統領の誕生確定とともに急上昇していますが、その理由は「テスラがトランプ政権によって保護され便宜を図ってもらえる可能性が高いから」。

そして便宜を図ってくれる理由としては「多額の支援」「明確な支持」をドナルド・トランプ陣営に対して行ったからであり、これによってテスラはその見返りを受けることになるであろうと見られているわけですね。

フォード、GM、トヨタはドナルド・トランプ次期大統領の就任式に車両と資金を寄付

そして今回報じられているのが「フォードとゼネラル・モーターズ（GM）が、来月のドナルド・トランプ次期大統領の就任式に車両と資金を寄付する」という方針で、これら3社はそれぞれ100万ドル（現在の為替レートにて1億5700万円くらい）を寄付すると報じられています。

これはもちろんテスラに追随する動きではありますが、テスラの取る行動はまず最初に「非難あるいは無視」され、その後に注目を集めると競合他社がこぞってこれを取り入れることがあるもよう。

たとえば「自動運転」、車両デザイン（ツルっとした外観に格納式ドアハンドル）、物理スイッチを排除したインターフェースについても当初バカにされつつも、今では「中国車における標準」となり、これらを備えない日米欧のクルマは市場を失う一方です。

プロモーションにおいては「X」での発信も同様で、それまでは自動車メーカーのCEO自らがSNSを通じてなんらかの情報や見解を提供することはなかったものの、今では多くの自動車メーカーがイーロン・マスクCEOの手法を「真似て」います。

さらには「なんとかデイ」と題した発表イベントの開催、ギガキャスト導入、そして今回は政治的なロビー活動についてもライバルがこぞってこれらを取り入れており、こういった例を見るに、テスラのヴィジョンは「最初は理解されず、しかし後に正しいと証明され、さらにその後には多くの追随者を呼び込む」という流れを経るようにも思えます。

その意味では現在でもバカにされていること、たとえば「ロボタクシー（サイバーキャブ）」「テスラボット（オプティマス）」についても今とは180度異なる評価がなされる可能性があり、多くのフォロワーを生み出すのかもしれません。

Image：Tesla

企業が政治献金を行うことは珍しくない

なお、アメリカだと大統領就任式に際し、企業に対して寄付を募ることは珍しくなく、たとえば2021年のバイデン大統領の就任式では、Google、マイクロソフト、ボーイング、ファイザー、AT&T、Uberなどが寄付者に名を連ね、バイデン政権は約6100万ドルを調達しています（ドナルド・トランプは以前に大統領へと就任した2017年、就任式のために1億6700万ドルを調達している）。

参考までに、ドナルド・トランプ新大統領は良くも悪くも「好き嫌い」がはっきり分かれる人物で、こういった人物に対して明確に支持を表明することは企業として大きなリスクがあり（トランプを嫌う人々が離れてゆく可能性がある）よって多くの自動車メーカーは大統領選前にドナルド・トランプ候補とは距離を置いていたわけですが、ドナルド・トランプ大統領への支持が「企業にとって明確なメリットをもたらす」ということがテスラの前例によって明らかになったいま、フォードのCEOジム・ファーリー氏は「トランプ政権がフォードの見解に関心を持つだろう」と述べ、GMのCEOメアリー・バーラ氏も「GMとトランプ政権が非常に目標を共有している」と語るなど、その動きに大きな変化が見られつつあります。

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