テスラが2024年の決算発表を行い、「2年連続で」マイナス成長を記録。前年からは23％、前々年からは34％の利益を失うも「明るい未来」の予感によって株価上昇

｜　多くの投資家は「テスラはすでに暗黒期を脱した」と見ている　｜

実際のところ、2025年には明るい材料が控えている

さて、テスラが2024年第4四半期の決算を発表し、これによって2024年通年での状況が「確定」することとなり、2024年通年での純利益は前年比23％減の84億ドルであったとアナウンスされています。

この84億ドルというのは2022年に記録した「最高利益額」125億9000ドルから数えると34％ものマイナスで、2年連続で大きく利益が減少したことが明らかになっているのですが、しかしそれでも興味深いのは「この結果にもかかわらず」テスラの株価が上昇していること。

流石に決算発表後こそは株価が下落したが

今回の第4四半期の決算内容、とくに1株あたり純利益はアナリスト予想の77セントに達しない73セントであったことが嫌化され、テスラ株は一時下落に転じたものの、その後一転し前日の終値を超えて取引されるという事態となっています。

これは少し前に「テスラが前年比プラスの成績を発表したにもかかわらず、その数値が期待に届かなかった」として株価が下がったのとは真逆の現象であり（ちなみに同日、マイクロソフトは四半期で過去最高の売上高を報告したものの株価が下がっている）、ここが株式投資の難しいところではありますが、今回テスラの株価が上昇に転じたのは「先行きが明るいと捉えられたから」。

直近の数字こそ奮わなかったものの、今回の決算発表において、イーロン・マスクCEOは「2025年前半からエントリーレベルの新型車の生産を開始する」「2026年にはサイバーキャブ（ロボタクシー）の生産を開始する」と述べ、さらには「2025年には自動車事業の成長が回復する」と力強く宣言したわけですね。

そしてこういった明るいニュースが好感されたこと、そして「すでにテスラは苦境を脱した」と見られていること、直近で新型モデルYが登場したこと、ドナルド・トランプ政権下で様々な恩恵を受けるであろうこと、中国での自動運転（FSD）の実現性が高まっていることなど様々な要因が株価を押し上げたのだと推測でき、つまり今回の「上げ」については「過去」の実績よりも「未来」を見据えてのことだと思われます。

Q4 & FY 2024 Earnings Call at 4:30pm CT today https://t.co/uFCg69a6tN

— Tesla (@Tesla) January 29, 2025

一方、マイクロソフト株が「過去最高」の売上を記録したにもかかわらず”下げた”のも同様の理由であり、直近で話題となったDeepSeekがもたらすAI業界の構造変化、そして今回の（マイクロソフトの）成長の源となったクラウド事業が頭打ちになるのではという将来への不安から売られてしまったということになり、株式市場においてはますます「この先の事情」が考慮されるようになっているということがわかりますね（ただ、先のことは誰にもわからない）。

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