
| ドイツ車は156%、アメリカ車のシェアは4.8%にまで縮小 |
2025年4月の中国乗用車市場:販売・生産データの全体像
2025年4月、中国の乗用車(セダン、SUV、MPV)の小売販売台数は175.5万台に達し、前年比14.5%増と大幅な成長を記録。
ただし前月比では9.4%減少し、1月から4月までの累計小売販売台数は687.2万台となっていますが、生産台数はこれを上回る223万台で(上回ったぶんは輸出ということになる)、前年比11.2%増、前月比10.3%減、累計生産台数は854.4万台に達したこともあわせて報告されています。
メーカー別 中国国内販売ランキング(2025年4月)
ランキング | 自動車メーカー | 販売台数(万台) | 市場シェア | 前年比成長率 |
1位 | BYD | 26.9万台 | 15.3% | +5.8% |
2位 | 吉利(Geely) | 21.0万台 | 12.0% | +81.4% |
3位 | FAW-フォルクスワーゲン | 11.1万台 | 6.3% | -7.2% |
4位 | 長安汽車(Changan) | 10.5万台 | 6.0% | +27.4% |
5位 | 奇瑞汽車(Chery) | 9.5万台 | 5.4% | +19.7% |
6位 | SAIC-フォルクスワーゲン | 8.3万台 | 4.7% | +5.9% |
7位 | FAW-トヨタ | 6.5万台 | 3.7% | +32.4% |
8位 | 上汽通用五菱(Wuling) | 6.1万台 | 3.5% | +38.1% |
9位 | GAC-トヨタ | 6.0万台 | 3.4% | +14.9% |
10位 | 長城汽車(Great Wall) | 5.5万台 | 3.1% | +20.3% |
中国ブランド vs 合弁ブランドの販売状況
- 中国系ブランド:115万台(前年比+31%、前月比-5%)
- 市場シェア:65.5%
- BYD、Geely、Changan、Chery、Great Wallが上位にランクイン
- 合弁ブランド:44万台(前年比-3%、前月比-8%)
- ドイツ:15.6%、日本:12.2%、アメリカ:4.8%
- ドイツ:15.6%、日本:12.2%、アメリカ:4.8%
新エネルギー車(NEV)の販売状況:販売台数90.5万台、普及率51.5%
2025年4月、新エネルギー乗用車(NEV)の小売販売台数は90.5万台で、前年比33.9%増と非常に好調となり、前月比では8.7%減となるものの、乗用車市場におけるNEVの普及率は51.5%に達しています。※NEVとは「ニューエネルギービークル」の略で、BEV、EREV(レンジエクステンダーEV)、PHEV、FCEVの総称。1月から4月の累計NEV小売販売台数は332.4万台(前年比+35.7%)に到達
NEVタイプ別販売台数(2025年4月)
車種区分 | 販売台数 | 前年比 |
BEV(バッテリーEV) | 55.9万台 | +38.2% |
PHEV(プラグインHV) | 26万台 | +25.9% |
EREV(レンジエクステンダーEV) | 8.6万台 | +32.7% |
合計 | 90.5万台 | +33.9% |
NEVメーカー別販売ランキング(2025年4月)
ランキング | メーカー | 販売台数 |
1位 | BYD | 26.9万台 |
2位 | Geely | 11.9万台 |
3位 | Changan | 6.1万台 |
4位 | Wuling | 5.2万台 |
5位 | Chery | 3.7万台 |
6位 | Li Auto | 3.4万台 |
7位 | Xpeng | 3.1万台 |
8位 | テスラ中国 | 2.9万台 |
9位 | Xiaomi | 2.9万台 |
10位 | Leapmotor | 2.8万台 |
11位 | HIMA | 2.8万台 |
12位 | GAC Aion | 2.6万台 |
13位 | Great Wall | 2.5万台 |
14位 | Nio | 2.4万台 |
15位 | 東風汽車 | 2.4万台 |
NEV市場の勢力図:中国勢が圧倒
NEV市場における各ブランドカテゴリーのシェアは以下の通りですが、BYDが総合(全パワートレーン含む)でもNEVでも圧倒的な首位をキープし、Geelyも急成長を遂げ、ここへ来て新興メーカーの影が薄くなっているのが注目点。
- 中国の伝統ブランド:73%
- NEVスタートアップ(Li Auto、Xpengなど):19.4%
- 合弁ブランド:3.4%
- テスラ中国:3.2%
まとめ:NEV普及が中国市場の鍵に
2025年4月の中国乗用車市場は、依然として中国ブランドとNEVが主導する構図が強まっています。
この「最初に中国市場を開拓するのは海外のメーカー、しかしその後徐々に中国の製品にシェアを奪われてゆく」という構図は自動車のみならずほかの業界でも同じことで、それだけ中国企業のキャッチアップの速度が速く、そして製品のコストに競争力があるということを意味していますが、この状況をひっくり返すことは海外のメーカーにとっては並大抵のものではなく(”発明”レベルの新製品でも投入しない限り)、自動車市場においても、ほかの市場同様に「なすすべもなく」中国メーカーにて支配されることになるのかもしれません。
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参照:CarNewsChina