| ただし見た目は通常のカーボンのほうがいいかもしれない |
アクラポヴィッチが新しい素材そして技術を採用したテールパイプを発表。
この素材とはセラミック・マトリックス・コンポジット(Ceramic Matrix Compsite)略してCMCと呼ばれるもので、チタンに比較して50%も軽いことが特徴。
現在では高価なレーシングカーもしくは航空機にしか使用されない素材だそう。
現時点での量産は難しい
そしてアクラポヴィッチによれば、この素材は1000度以上の高温にも耐えることができ、近年の高出力化したハイパフォーマンスカーのエキゾースト用素材としてはぴったりだ、とのこと。
この素材は加工が難しいことでも知られ、アクラポヴィッチは様々な研究によってこの素材を実用化したとしていますが、さすがのアクラポヴィッチをしても量産はまだ難しく、第一弾として発表されるのはポルシェ911GT3RS(991.2)用で、生産量はわずか「20」。
このテールパイプは、同じくアクラポヴィッチによって製造されたカーボン製のリアディフューザーとのセットにて販売されますが、「公道走行は不可能」。
セット内容にはエキゾーストシステムそのものは含まれず、よって排気音量や排気ガスについては法に触れるレベルではないのでは(テールパイプとディフューザーを変更して非合法になるというのはあまり聞いたことがない)と考えるものの、そのあたりの理由は「謎」。
なお、20セットそれぞれにはシリアルナンバーが入り、限定品である証明書も付属するようですね。
加えて、今後はほかモデルにも対応を拡大する、とのこと。
アクラポヴィッチとはこんなメーカー
アクラポヴィッチ(AKRAPOVIC)はスロバニアにて1992年に創業された、比較的新しいエキゾーストメーカー。
当初はバイク(自動二輪)のアフターマーケット/レースにて人気を博し、その後に4輪でもBMWなど純正採用するメーカーも登場(アフター品のエキゾーストを純正採用するのは極めて珍しい)。
現在ではすでに「欧州最大級のエキゾーストシステムメーカー」にまで成長している、まさに「現代における神話」を地でゆく会社です。
現在では4輪用ラインアップも拡充しており、BMWのほか、ルノー、アルファロメオ、アウディ、ランボルギーニなど純正オプションとして用意しているメーカーも多数存在。
さらにアフター品としてのアクラポヴィッチだと、対応メーカーだとフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンといったスーパーカーから、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、アバルト、ポルシェ、ミニ、メルセデス・ベンツといったところまで。
単に「性能が良い」というだけではなく、そのクオリティや素材の選択といった点でも定評があり、加工が難しいチタンを高い加工品質で提供するほか、その車種にマッチした美しいデザインを持つテールパイプ、そしてカーボン製のスリーブなども特徴。
アクラポヴィッチの登場でチタンマフラーが一般化し、かつスリーブ付きテールパイプ(の模倣)が世に氾濫することになったと言っても過言ではなく、文字通り業界の革命児でもありますね。
なお、アクラポヴィッチはぼくにとっても非常に強い興味があったメーカーで、これまで縁はなかったものの、ホンダCBR250RRにてはじめてアクラポヴィッチを装着。
合法マフラーなので音量は大きくありませんが、その「パルス」を感じさせる炸裂音はやはりほかのマフラーとは非味違う、と考えています。
日本における展開だと「2輪ルート」と「4輪ルート」とで別れていて、2輪だとプロト、アクティブが正規輸入代理店としての看板を掲げ、4輪だと橋本コーポレーションが大々的に扱っているようですね(つまり、まだ日本法人は存在しない)。