| そんな中でも、常に充電体験を重視してきたテスラの満足度はやはり高い |
一方でフォードやシボレーの満足度は高くない
さて、EVに関しては様々な調査や統計があり、普及にはいろいろな課題があることが浮き彫りとなっていますが、今回は「EVオーナーが、家庭用充電器に不満を持っている割合が高くなった」という統計。
家にEV用充電器があればストレスなく充電ができそうなものですが、実際のところはそうではなく、(調査会社である)J.D.パワーによると、レベル2充電器を所有している人は、電気料金の上昇と充電速度の遅さに不満を抱いており、1,000点満点で見ると、EVオーナーの充電器に対する満足度は、前年比12点減の740点となっています。
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EVの充電コストは意外に高い
なお、今回の調査では対象者の半数弱が「家庭での充電を支援する電力会社の制度について知らなかった」と回答しており、J.D.パワーのユーティリティ・インテリジェンス担当ディレクターであるエイドリアン・チュン氏はこれについて「顧客は、コスト上昇を抑えるために電力会社に期待しています。利用可能なリベートやインセンティブについての認知度を高めることで、EV所有者は恩恵を受けることができます」とコメント。
ただしこれは「もっと早く知っておけばよかった(知らない間は損をしていた)」というたぐいの回答だと思われ、大きな問題ではないかもしれません。
それでも「充電コストが想定よりも高い」という声も少なくはなく、そして今後EVのバッテリーがどんどん大きくなるにつれその不満は大きくなり、そして同時に”バッテリー容量とともに長くなる”充電時間に対しても不満を募らせる可能性がありそうですね。
加えて、既存自動車メーカーとテスラとの間に差異があることも事実であり、たとえばシボレーの家庭用充電ソリューションの満足度は683ポイントと低いレベルにとどまり、フォードはそのちょっと上の699ポイント。
一方、テスラオーナーは充電ソリューションに最も満足しており、790点の満足度を記録しています。
なお、テスラは「充電」に対してかなり配慮している自動車メーカーであり、多くの自動車メーカーが(家庭用を除くと)充電ソリューションを他社任せにしているのに対し、テスラは自前で充電器を設置しており、つまり「電気自動車と充電器をセットで」提供する数少ない自動車メーカーのひとつ。
よって、既存自動車メーカーがテスラを追い落とそうとするならば、充電ソリューションに注力することも必要なのかもしれません(テスラからほかメーカーのEVに買い替えたとしても、またテスラに戻ってくる可能性が生じる)。
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しかしそれでも「外で充電するよりはずっといい」
ただ、上述のような結果となったにもかかわらず、自宅にレベル2充電器を常設している人の満足度は「レベル1充電器を携帯し、外で充電する人」よりもはるかに満足度が高いという結果が出ていることにも着目すべきであり、さらに外で充電する人については、35%の人が「(アプリ経由での)予約システムが便利」だと答えていて、逆に「予約システムがないと不便」だと考えているということも推測可能。
こういった統計を見るに、自動車メーカーが内燃機関(ガソリン/ディーゼル)搭載車からEVへの買い替えを望むのであれば、家庭での充電ソリューションを適切に提供するだけでなく、家庭外で充電する際にもストレスや手間がないことを保証することが必要だと考えて良さそうです。
J.D.パワーのEV部門エグゼクティブディレクターを務めるブレント・グルーバー氏は「EVエコシステムに参加する自動車メーカー、ディーラー、電力会社のいずれであっても、家庭用充電に関するEVオーナーの体験を改善することは、すべての人が共有すべき目標であるはずです」と語っており、未だ充電という行為がEV普及の足かせとなり、それは単なる「非EVオーナーが抱くステレオタイプなイメージ」ではなく、現実のEVオーナーが抱える、目の前にある問題でもあるようですね。
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参照:J.D. Power,