
| 自動車維持費ランキング:ポルシェが5年で5000ドル、テスラは最も安価に維持できる |
コンシューマーレポートが驚きの調査結果を発表
「憧れの高級車、買った後の維持費は実際いくら?」「長く乗るならどのブランドがお得?」新車購入時に見落としがちな「維持費」へがメスを入れるべくコンシューマーレポートが最新のレポートを公開。
その調査結果は衝撃的で、最もコストがかかるブランドは最も安いブランドのなんと約6倍もの差が開いていることが判明しています。
ここで5年間の平均維持費ランキングとその数字の裏側にある「無料点検プログラム」の実態を見てみましょう。
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維持費ランキングが教える3つの真実
- トップはポルシェ、最安はテスラ:新車購入から5年間の維持費はポルシェが5,000ドルともっとも高価、テスラが最も安価に維持できる(約830ドルと推定される)
- 無料点検は「期間限定の特典」:BMWやレクサスなどの「無料点検プログラム」は2〜3年で終了。その後は自費負担に
- 消耗品は自己負担が基本:タイヤやブレーキパッドなど最初の5年で交換が必要な消耗品は無料点検でも原則カバー対象外
ランキングから読み解く「隠れコスト」の正体
コンシューマーレポート調査:5年間の維持費ランキングTOP10(高い順)
まず以下の数字は、5年間の平均的なメンテナンス&修理費用の合計です。
| 順位 | ブランド | 5年間の推定維持費 | 主な特徴と背景 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ポルシェ | $5,000 | 信頼性評価は高いが、部品単価とサービス人件費が圧倒的に高額 |
| 2位 | ランドローバー | $3,700 | 信頼性評価が低いモデルも多く、修理頻度の高さがコストに反映 |
| 3位 | メルセデス・ベンツ | $3,500 | ドイツの高級車らしく、高いサービス人件費がコストを押し上げる |
| 4位 | インフィニティ | $2,120 | 2023年モデルから3年/30,000マイル無料点検を導入も、以降は多額のコスト発生 |
| 5位 | アウディ | $2,050 | 2026年モデルから「Audi Signature Care」(3年/30,000マイル無料)開始で今後変化の可能性も |
| 6位 | アキュラ | $1,845 | 1年/12,000マイルの無料定期点検を提供 |
| 7位 | ボルボ | $1,775 | 無料点検プログラムを2026年モデルから2年/20,000マイルに縮小 |
| 8位 | レクサス | $1,750 | 信頼性は高いが、高級ブランドとしてのサービスコストが発生。無料点検は最初の2回のみ |
| 9位 | スバル | $1,750 | TOP10で唯一の一般ブランド。アイサイト等の先進装備の修理費が影響か |
| 10位 | BMW | $1,700 | 3年/36,000マイルの無料点検あり。それ以降のコストと消耗品代がこの数字に |
参考:最も維持費が安いブランドはテスラ(電気自動車はエンジンオイル交換等の定期メンテナンスが少ないため)、次いでリンカーンの維持費が安いと報告されている
「無料点検プログラム」の落とし穴:消耗品は別料金
多くの高級ブランドが宣伝する「無料定期点検」ですが、その内容には注意が必要で、というのもこれらは通常、「指定された期間・距離内でのメーカー指定の点検作業」のみが無料となり、つまり・・・。
- タイヤやブレーキパッド・ローターといった消耗品の交換費用
- 無料期間終了後の点検・修理費用
- ワイヤーやバッテリーなど「消耗部品」の交換
などはほぼ例外なくオーナーの自己負担となるため、最初の数年は無料でも5年というスパンで見れば、これらのコストは確実に積み上がるというわけですね。
賢い購入のための「維持費」チェックポイント
購入前に確認すべき5つの項目
- 無料点検プログラムの詳細:期間・距離、具体的な作業内容、消耗品の扱いを必ず確認する
- 保証期間と範囲:パワートレイン保証、補機類(エアコンコンプレッサー等)の保証期間は特に重要
- 消耗品の価格目安:その車種の純正ブレーキパッドセット、タイヤなど消耗品の価格を事前に確認
- 信頼性評価のチェック:コンシューマーレポートやJ.D. Powerなどの長期信頼性調査を参照
- 保険料の見積もり:車両価格だけでなく、保険料も維持費の大きな部分。購入前に必ず見積もりを取る
電気自動車(EV)が安い理由と注意点
テスラが維持費で最安なのはEVならではの構造にあり、エンジンオイル交換、スパークプラグ交換、トランスミッションオイル交換、排気系のメンテナンスなど内燃機関車に必須の高頻度メンテナンス項目がそもそも存在しないため。
しかしEVでもタイヤやブレーキ(回生ブレーキ主体のため減りは遅い。タイヤの減りは高トルクに起因してガソリン車よりも早い)、エアコンフィルター、12V補機バッテリーなどの消耗品コストは発生することになり、バッテリー容量の経年劣化は大きな関心事ではあるものの、多くのメーカーは8年/10万マイル等の長期保証を付けているため、保証期間内の急激な劣化に対する備えにはなっています。
結論:購入価格の10〜20%は「5年維持費」の予算として確保せよ
この調査が最も伝えたいメッセージは「新車の購入価格だけを見て判断するな」 。
特に高級ブランドや、先進装備を多く搭載する車種は、購入後の「隠れコスト」が大きい可能性があり、さらにいえばもしもの事故の際の修理費用が増加する傾向があると考えてよく、それに起因して保険が高額になることも。
今回のレポートを見る限り、車両購入価格の10〜20%程度を「最初の5年間の維持費」として見積もっておくのが現実的であると考えられます。
そしてクルマは購入してからが本当の付き合いの始まりということになり、美しいデザインやスペックに心躍らせるだけでなく、10年後も笑顔で乗り続けられるかどうか。
その判断材料の一つとして、この「維持費ランキング」を見てみるといいのかもしれません。
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