| 初パネライにしては思い切ってしまった |
さて、オフィチーネ・パネライの腕時計、ルミノール1950 3デイズ・クロノ・フライバック・オートマティック(LUMINOR 1950 3 DAYS CHRONO FLYBACK AUTOMATIC CERAMICA/PAM00580)を購入。※製品サイトはこちら
ぼくにとっては「はじめて」のパネライですが、ステンレスケースではなく「セラミック」を選んでいます。
これについては「ステンレスは傷つきやすいので気を使う(とくにパネライは実用時計であり、気を使って身につける類の腕時計ではないと考えたため)」こと、「単にブラックの腕時計が好き」なことが選択の理由。
当初はもっとも安価な「ラジオミール ベース ロゴ」を購入しようと考えていたのですが、色々と見ているうちに「ついつい」別のモデルに目移りしてしまうのはいつものことなのかもしれません。
セラミックモデルは独特の風合い
現在、パネライでは「ステンレス」「チタン」「セラミック」「ゴールド」ケースを用意していますが、セラミックケース(パネライではイタリア語読みで”チェラミカ”と表現)はルミノールとラジオミールとに設定があります。※パネライは腕時計にしてはめずらしい「イタリア」を発祥としている。一応イタ車乗りのはしくれなので、イタリア製品にはちょっと敏感
ラジオミールを選ばなかったのは、「ちょっとデザインがレトロすぎる」と感じたため(あまりぼくの好みに合わない)。
ただしラジオミールはそのレトロさが最大の魅力の一つでもあり、機会があれば(袖もザインがもっとも映えるであろう)ステンレスモデルを購入してみたいものですね。
なお、セラミックはケースを焼成する際の「不不良品率」が高く、よってどこの腕時計メゾンにおいてもセラミックモデルの価格は高め(不良品を廃棄するための費用が、販売される良品にも転嫁されている)。
パネライの場合は同じ機能を持つステンレスケースに比較して45万円ほど高い値付がなされているようです。
パネライの腕時計はこういった特徴を持っている
パネライ最大の魅力がその「大きな文字」。
これはイタリア海軍に製品を納めていたという性質上、「読み取りやすさ」をルーツとするため。
ちなみに「ラジオミール」というモデル名は、インデックスを発光させて読み取りやすくするための「ラジウムベースの粉末」を指し、これはパネライが特許を取得している材質でもあります。
参考までに、「ルミノール」はラジオミールにかわる蛍光物質(こちらはトリチウムベース)で、こちらもパネライが特許を取得したもの。
ひとくちに「腕時計」と言っても多種多様なデザインがあり、パネライやベル&ロスのような「大きな視認性の高い文字盤」を持つものもあれば、同じ用にプロフェッショナル向け腕時計でもオメガ(スピードマスター)やブライトリングの各種腕時計のように「細かい目盛り」を持つものも。
もちろんこれらは用途によって「その理由」があるわけですが、実際に身につけてみると、腕時計単体で見るときよりも大きく印象が変わって見えることもあり、これは購入前にぜひ「試着」を進めたい理由でもあります。
腕時計だけを見ていると「格好良く」見えても、実際に腕にはめてみると「イマイチ」のように見えたり、逆のケースもある、ということですね。
なおパネライは上述のように軍用品としてのスタートですが、はじめて民生用を発表したのが1993年(ルミノール、ルミノールマリーナ、マーレ ノストゥルムからスタート)。
その後1997年にはカルティエを筆頭とするリシュモングループ傘下に入って高級腕時計路線を突き進むことになり、2002年には自社工房「オフィチーネ・パネライ・マニファクチュール」を完成させ、初の自社製ムーブメント「P.2002」を発表することに。
それまで軍用として展開していたためにその名を知られることはなく、しかし民生用として販売をはじめた”一般的な知名度の低い”パネライがブレイクしたきっかけが「シルベスタ・スタローンが愛用したこと」。
映画「デイライト(1996)」「エクスペンダブルズⅠ(2010)」「エクスペンダブルズⅡ(2012)」「エクスペンダブルズⅢ(2014)」でもパネライを着用。※その後はリシャールミルを愛用することが多くなった
そのほかにもパネライに特別仕様をオーダーしたり、パネライからもシグネチャーモデル「スライテック(”スライ”はスタローンの愛称)」が発売されています。
そしてその後もパネライは順調にムーブメントバリエーションを広げ、トゥールビヨンを開発するなど複雑化にも対応する一方、2008年には、今回購入したルミノールにも搭載され、3日間のパワーリザーブを持つ「P.9000」系ムーブメントを発表するなど、ますます発展しているのがパネライでもありますね。
ルミノール1950 3デイズ・クロノ・フライバック・オートマティックの細部はこうなっている
ケースは上述のとおり「セラミック」。
マットな風合いが良いですね。
モデル名の「1950」は、1950年にパネライが開発した、「ブリッジ型リュウズプロテクター」「ケース一体型ワイヤーループ式アタッチメント」といった特徴を持つ新型ケースを指していますが、それが70年を経ようとしている現在にも採用され続けている、ということに。
このあたり、パネライはロレックス同様に「ケース構造が変わらない」という歴史を持つ数少ないメーカーのひとつであるという事実を示しています。
ベルトはラバー製とヴィンテージレザー製とが付属しますが、こちらはラバー製。
硬くも柔らかくもなく、分厚くもなく薄くもなく絶妙な感じ。
片側には「OFFICINE」、もう片側には「PANERAI」の文字があります。
なお、表面には段差が設けられて立体感も演出され、ゴツいパネライのケースに負けないだけの質感を持っているようですね。
ベルトの「穴」もまず十分な数が用意され、比較的手首の細いぼくで「1つ余る」くらい。
裏面には窪みがあり、通気性確保や滑り止めを考慮したものだと思われます。
尾錠はおそらくはセラミックではなくチタンにブラックコーティングが施されたもの。
文字盤はパネライ特有の「サンドウィッチ」。
アラビア文字(12/6/9)とバー状のアワーインデックスというシンプルな構成です。
同じ「ルミノール」でも、モデルによっては文字盤の仕様が異なり、アワーインデックスの代わりに「1/2/4・・・」といった小さなアラビア文字が記載されているモデルも存在します(一部マリーナ、GMTなど)。
秒針は「ブルー」。
このブルーがなかなか鮮やかでいい、と考えています。
ケースバックはスケルトン。
ムーブメントは「ブラック」に加工されています(これはかなり珍しい)。
ケース径は44ミリで、ブラックということもあってかなりな威圧感があります。
パネライは大きな腕時計ではあるものの、ケースの四隅が丸められ、かつ「薄い」形状を持っているため、長袖の衣類を着用した際にも(ウブロのような)”引っかかり”が少なく、これは日常の使用において優れた点でもありますね。
ケース(外箱と内箱)は相当に立派で、こちらは内箱を開いた状態ですが、替えベルト(ヴィンテージ調レザー)、そしてベルト交換用のドライバーが付属します。
こちらは説明書など。
他の画像はFacebookのアルバム「パネライ・ルミノール1950 3デイズ・クロノグラフ」に保存中。