| アストンマーティン・ヴァルキリーはポルシェ919ハイブリッドEVOの記録に挑戦? |
アストンマーティン・ヴァルキリーの開発パートナー、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表によると「アストンマーティン・ヴァルキリーAMR PROならば、ポルシェ919ハイブリッドEVOが叩き出したニュルブルクリンクの最速ラップ、5:19.55を破れる」とのこと。
つい先日、ポルシェは1983年に(ポルシェが)そのレーシングカー「956C」で樹立したコースレコードを35年ぶりに更新していますが、このタイムはまさに驚異的。
レッドブルはつまりこの驚愕のタイムすら超える自信がある、ということですね。
ポルシェ919ハイブリッドEVOがニュルにて驚異の5:19.55を記録。自身の記録を51秒短縮
訓練を受けないと失神する速さ。アストンマーティンが人の能力を超えた「ヴァルキリーAMR Pro」発表
アストンマーティン「今後の計画はヴァルキリーで世界制覇、そしてF1タイトル獲得、その後にミドシップスーパーカー発売」
もともとヴァルキリーは「規格を超えた」クルマ
なお今回記録を更新したポルシェ919ハイブリッドはもともとFIAの定める「LMP1規定」に則って作られており、しかしル・マン撤退後に公式競技に参加することがなくなったためにポルシェが「規定を無視して919ハイブリッドを改造した」のが919ハイブリッド”EVO”。
ぼくはこういったクローズドタイプのレーシングカーがF1よりも速いタイムで走行するのは難しいだろうと考えていたものの、919ハイブリッドEVOはあっさりとスパ・フランコルシャンでF1マシンの持つコースレコードを更新して「F1マシンよりも速い」ことを証明することに。
そしてアストンマーティン・ヴァルキリーもまた「F1マシンよりも速い」という謳い文句のもとに登場したクルマで、というのもヴァルキリーはF1マシンで禁じられている技術(アクティブサスなど)を多数盛り込んでおり、いずれの競技に参加することも考えず、よってレギュレーションに縛られずに「速く走る」ことだけを考えて造られたクルマ。
その意味では、いかに改造を行ったとは言えど「モトが規定に沿って造られた」ポルシェ919ハイブリッド、かたや最初から規定を無視して「なんでもあり」で造られたアストンマーティン・ヴァルキリーとでは、”ヴァルキリーに分がある”ようにも思えます。
さらにアストンマーティンにとってヴァルキリーは特別な意味を持っており、というのもヴァルキリーは「ミドシップレイアウトを採用」。
市販車としてはアストンマーティン初のミドシップカーということになりますが(アストンマーティン・ブルドッグを”市販車ではない”とすれば)、アストンマーティンはこれを皮切りに「フェラーリ、マクラーレン、ランボルギーニに対抗する(価格帯もそれにあわせた)ミドシップスポーツカー」の発売を計画している、と報じられています。
実際そのためにマクラーレンやフェラーリからも重要人物を引き抜いており、どうやらアストンマーティンは「本気」の模様。
ただ、ミドシップスポーツで経験の浅いアストンマーティンが「高性能ミドシップスポーツを発売しましたよー」と言ってもフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンの顧客がアストンマーティンに即座に流れるとは考えにくく、アストンマーティンもそれを理解しているからこそ「ミドシップのヴァルキリーで前人未到の記録を打ち立て、どのミドシップカーよりもアストンマーティンが作るものが優れる」ということをアピールし、その後投入する「ミドシップスポーツカー」の販売を有利に進めたいのだと思われます。
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