| まさかここまでの特別さを持っているとは |
アストンマーティンがついに「2台セットで8億8000万円」にて販売される超限定モデル、”DBS GT ザガート”の実車を発表。
この限定セットとは、「アストンマーティンが1960年から1963年にかけて19台のみを製造したクルマの復刻版であるDB4 GT Zagato」と、「最新モデルであるアストンマーティンDBZのザガート版である(今回発表された)DBS GT Zagato」の2台で構成されます。
アストンマーティンとザガートとのコラボレーションはこの1959年のアストンマーティンDB4 GTザートからスタートし今年で60周年を数えるに至りますが、「60周年」を記念しての限定モデル発売ということになりますね。
なお、先に公開されていたDB4 GT Zagatoはこんなクルマ。
アストンマーティンが1960年代に生産していた「DB4 GT ザガート」を19台のみ復刻し、完成車を公開。当時と同じ技術、製法を使用しながらも要所要所は現代風に
これほどまでに豪華絢爛なアストンマーティンは過去に存在しない
今回公開されたアストンマーティンDBS GT Zagatoに搭載されるエンジンは5.2リッターV12ツインターボ。
出力は760馬力に増強されていますが、なんといってもこの限定モデル最大の特徴は(出力よりも)その内外装。
ボディカラーは専用の「スーパーノヴァレッド」、そこへカーボンファイバーをふんだんに使用したうえ、3Dマシニング加工によって製造されたホイールを持ち、インテリアは「スパイシーレッド」。
そして何よりこのクルマを特別なものに見せているのは「ゴールドのアクセント」だと思います。
なお、アストンマーティンが大きくアピールしているのは「開閉式グリル」。
シャッター式グリルは今時珍しいものではありませんが、DBS GTザガートの場合は「108個ものダイヤモンド形状を持つカーボン製パーツ」で構成され、閉じるとこのとおり。
そして開くとこう。
「だから何」ということにもなりそうですが、こういったところにこだわるのがアストンマーティンでもあり、そのこだわりが高い価値を築いてきた、とも言えますね(そしてこれからも)。
ちなみにアストンマーティンはモデルによってエンブレムの仕上げや材質を変更する事が多く、軽量を標榜するモデルには鍛造カーボン製エンブレムを与えたり、ホワイトがモチーフのクルマにはホワイトのインレイを用いたりしますが、このDBS GT Zagatoについては、その輝かしい過去と未来を表してか「18金(ゴールド)」が採用されている、とのこと。
さらに「ゴールド」はホイールやサイドストレーキ、バッジなどに使用されています(ホイールやサイドストレーキのゴールドは貴金属ではなくアノダイズド処理)。
このホイールは相当に複雑なデザインを持ち、その仕上げはセンターロックホイールキャップともども「芸術品レベル」。
ブレーキキャリパーもこれにマッチした「ゴールド」ですね。
テールランプはこれまで通りの”ザガートルック”ではあるものの、その内部構造は変更され、より複雑な光り方を持つようです。
そしてザガートエンブレムもおそらく「18金」。
表面には「これでもか」というくらい「Z」の型押しがなされています。
リアのアストンマーティンエンブレムも「18金」。
アストンマーティンDBZ GT Zagatoのインテリアはさらにゴージャス
そしてエクステリア以上に目を奪われるのがDBS GTザガートのインテリア。
3Dプリンタによって製造されたパーツが多用されており、素材はレザーやカーボンを中心とし、アクセントにはゴールドが用いられています。
アストンマーティンが「サドル」と呼ぶセンターコンソールにもゴールドパーツが採用されていますが、これはPVD(フィジカル・ヴェイパー・デポジション=Physical Vapour Deposition)によるもので、いわゆる蒸着加工。
パーツ自体を整形するのに100時間を要し、そこからまたPVD加工、ポリッシュ、そして酸化防止加工が施される、とのこと。
エアコンのノブ類もダイヤモンドカットが施されたゴールドPVD。
なお、アストンマーティンは「ゴールドがお気に召さないようであれば」カーボンやアルミを用いたフィニッシュも可能だとしており、それ以外にもアストンマーティンのパーソナリゼーション部門「Q」がいかようにでもカスタムのお手伝いをするだろう、とも述べています。
シートには刺繍と立体加工によって「Z」が浮き上がるようになっており、オストリッチのような風合いですね(これは見方によってはちょっとキモいようにも思う)。
ザガートのデザイン部門を率いるアンドレア・ザガート氏は今回のDBS GTザガート発表に際して「アストンマーティンの伝統的デザインとエレガンスとの完全なる融合」だとこのクルマを表現し、過去と未来とを結ぶ架け橋となるだけではなく、コレクション価値を高め、排他性においても新たなる基準をもたらすことになる、とコメントしています。