| アストンマーティンは現在「非常に有望な」スポーツカーメーカーとしての地位を構築しつつある |
おそらくはここから大きな躍進を遂げるであろう
さて、8月16日より開催されるモントレー・カー・ウィークにて、アストンマーティンが「なにか新型車を発表する」とコメント。
アストンマーティンは同会場にてDBX707やDB12など直近で発表されたモデル、そして他のモデルも展示すると発表しているものの、この「新型車」についてはほぼ手がかりがなく、アストンマーティンが与えているヒントは”アストンマーティンブランドの創立110周年を記念して「まだ明かされていない新型車」を「世界初披露」する”ということのみ。※DB12ヴォランテの可能性が高いと推測される
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アストンマーティンには今後多数のニューモデルが控えているが
現在アストンマーティンは新しくローレンス・ストロール氏を会長に迎え、新体制にて急激にその方向性を転換しています。
大まかな(新しい)方針としては「超高性能、超ラグジュアリーとの融合」、そして戦略としては「F1に参戦しているという技術的・イメージ的アドバンテージを活用」。
ただし現時点では多数の新型車を開発するお金がなく、前経営体制時代から受け継いだ「ヴァルキリー」「ヴァルハラ」の発売や開発を進める一方で既存モデルのリニューアル版であるDB12、そして同じく既存モデルのハイパフォーマンスバージョンであるDBX707、さらにはこれも既存の資産を活用したDBS770アルティメイトやヴァラーといった限定モデルの発売に注力しているという状況です。
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アストンマーティンは最大限の努力を行っている
しかしこれについて、ぼくは「アストンマーティンは最大限の努力をしている」とも捉えていて、「何もしないよりはずっといい」とも考えているわけですね。
ほとんどの自動車メーカーは「経営が苦しくなると」何も行動を起こさなくなってしまい、それによって存在感がどんどん薄れてゆきますが、しかしアストンマーティンは「苦しいときこそ前に」進もうとしており、しかし無理をせず、できる範囲を適切に認識し、そしてその範囲をちょっとだけ超えるべくニューモデルを発表していると認識しています。
これによってアストンマーティンは「非常にアクティブである」という印象を市場そして消費者に与えることになり、これまでに築いたブランド価値、現在のF1での活躍と相まって高いプレゼンスを構築しつつあると言っていいかもしれません(特筆すべきは、現在のアストンマーティンは”ライバルとの競争”を意識せず、自社のブランド価値を高めることに専念しているという事実である)。
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加えて、既存車種をリニューアルするに際しても「超高性能、超高級」をしっかりアピールすべく、手に触れる部分、目に入る部分、体感できる部分を中心に「なにかが変わった」ということを伝えることができるような新型車を発表しており(事実、フルモデルチェンジと言ってもいいほどの内容を持っている)、さらにはルシードとの提携、吉利汽車との関係性強化による開発コストの削減など財務面にもしっかりメスを入れています(財務面がしっかりしていない自動車メーカーが多く、しかしコストと利益とのバランスを適切に把握・計算して会社を運営せねばならない。近代ではCFOがこれを担い、よってポルシェはじめCFOの役割と権限が大きくなってきている。優秀なCFOの確保が現代の自動車メーカーにとって必須である)。
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さらに言うならば、ルシード、吉利汽車との関係についても、「当初はそれらが持つコンポーネントの供給を受けるが、ゆくゆくは移転させた技術をもって自社独自のものを開発する」という計画を持っていて、「将来のために今何をすべきか」という計画が(傍から見て)理解できるのも現在のアストンマーティンの大きな特徴だと言えるかもしれません(これは株主や投資家に対するアピールとして重要である。これも多くの自動車メーカーが苦手とする部分ではあるが、現代ではこれが欠かせない)。
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