| どの程度コンセプトカーに近いルックスで登場するのかはわからないが、フィアットの全力を注いだ世界戦略車であるだけに期待がかかる |
新型ルノー5同様、「価格優先」にて攻勢をかける中国製EVを迎え撃つのに十分な魅力を持つものと思われる
さて、長らくウワサが先行していた「次期フィアット・パンダ」ですが、その登場時期がついにフィアットによって明かされ、同時に「次期パンダを示唆する」5台のコンセプトカーが発表されることに。
フィアットによれば「最初のパンダ(にインスパイアされた新型車)は2024年に発表され、その後2027年まで毎年新しいバリエーションが発売される」こととなり、以下のようにアナウンスがなされています。
一連の新しいモデルは、世界中のストリートを征服し、ブランドのラインナップを完成させるように設計されています。 ステランティスのおかげで、フィアットは新しい世界的なプラットフォームにアクセスできるようになり、その上にイタリアの創造性の特徴的なブランド、つまり美しさとシンプルなソリューションを組み合わせたレシピを追加しました。
新型フィアット・パンダはこんなクルマに
このフィアット・パンダを示唆するコンセプトカーについてはオンラインにて発表されており、これらを紹介したのはフィアットCEO兼ステランティス グローバル CMOのオリヴィエ・フランソワ氏。
フィアットは、昨年130万台のクルマを販売し、世界の多くの地域で確固たるリーダーシップを発揮する世界的なブランドです。 私たちはグローバルなゲームに参加しており、次のステップはローカル製品から、世界中のすべての顧客に利益をもたらすグローバルな製品への移行です。 私たちの未来を垣間見ることができることを嬉しく思います。 最初のクルマは4か月後のブランド125 周年記念式典中に発表される予定なので、実際には非常に近い将来です。 その後、その車に毎年1台の新しいモデルが登場することになります。
新型車は同じ哲学、そしてグローバルプラットフォームを共有することになりますが、「新しいモデルが作成される場所であれば、世界のどの地域でも生産でき、世界中の顧客に届けられる」とコメントされているので、これら5つのモデルは販売地域によって分けられる可能性があるのかもしれません。
加えて、独自のマルチエネルギー プラットフォームにより、あらゆるタイプのパワートレイン (電気、ハイブリッド、内燃機関) を搭載できるようになるとされ、やはり販売地域によって最適なパワートレーンが搭載されることになりそうです。
新型フィアット・パンダシリーズの特徴としては「持続可能な素材」「スペースの効率的な活用」「モジュール式インテリア」「ユニークな外観」「大胆な個性」が挙げられ、レス・イズ・モア(少なければ少ないほど良い)というアプローチによって手頃な価格のクルマを目指すといい、近年問題となっている「中国製EVの進出」に対抗することになりそうです。
なお、これら5台は「80%が共通のパーツ」によって組み立てられるそうですが、上述のような「個性」を持たせるため、「最小の変更によって最大の変化」を演出できるように設計されているものと思われます。
フィアット・シティカー
そこでそれぞれのコンセプトカーを見てゆきたいと思いますが、こちらは「シティカー」。
現在のパンダよりも大きく、「一種のメガパンダ」だと表現され、ブランド発祥の地であるトリノの象徴的なリンゴットの建物からインスピレーションを得ている、とのこと。
フィアット・ピックアップ
そしてこちらは「ピックアップ」。
フィアットはすでにブラジルを中心に「ストラーダ」なるピックアップトラックを導入しており、これは現地で「最も売れているクルマ」だそうですが、その成功を世界に拡散したいという意図があるようですね。
「機能性の中に楽しさを取り入れ、人々の価値としての自由時間の世界的な再発見に応える」ことをコンセプトとし、ピックアップの機能性、SUVの快適性、さらに世界中の都市環境に適したサイズとが融合しており、アウトドア活動を楽しむための完璧な設計を持つ、とのこと。
フィアット・ファストバック
こちらはフィアットの2大ヒットモデルである「ブラジルのフィアット ファストバック」「中東とアフリカのフィアット ティーポ」の後継をイメージしており、メイン市場はラテンアメリカ、中東、アフリカ。
しかし上の「ピックアップ」同様、現在のヒットを世界的に拡大させるという使命が課せられます。
フィアット SUV
そしてこちらは「メガパンダ」よりも大きな「ギガパンダ」だと表現されていて、「家族の移動手段」としての用途を想定しているそうですが、安全性、多用途性、デザインの面で顧客の究極のニーズを満たし、世界中のファミリーに広さと堅牢性をもたらすことを目的とします。
フィアット・キャンパー
そして最後は「人々と自然を再び結びつける、究極の、何もが可能となる乗り物」。
80年代のパンダの「機能性」に敬意を表し、現代のアクティブなライフスタイルに求められるSUVとしての機能に加え、都市生活者向けとしての多用途性を併せ持つオールラウンダーを想定しているようですね。
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参照:FIAT