| 特にモータースポーツは今後大きな影響が出ることになりそうだ |
ベントレーが「1000人を解雇する」と発表。
これはもちろんコロナウイルスの影響ということになりますが、生産そして販売が停止していたことに起因する逸失利益をカバーするため。
当初ベントレーは解雇を避けるべくレイオフにて対処していたものの、「それでは追いつかなくなった」として今回の解雇に踏み切っています。
中国やアメリカ、日本では「さほど」コロナウイルスの影響を受けなかった5月ですが、欧州ではまだまだ色濃い爪痕を残しているようで、ドイツだと自動車販売が前年の半分くらいにまで落ち込んだままだと報道されていますね。
特にイギリス市場でのコロナによる影響は深刻
そしておそらく、欧州でもっとも状況が深刻なのがイギリス。
ドイツの自動車メーカーだとまだ解雇を行うといった報道はなく、しかしマクラーレンはすでに危機的状況にあり、従業員の1/3を解雇するとアナウンス済み。
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アストンマーティンもコロナウイルス流行を境に状況が一気に悪化し、カナダの富豪、ローレンス・ストロール氏の出資を受け入れるも赤字をカバーできず、つい先頃は「CEO交代」という話も出ています。
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イタリアの自動車メーカーだとフェラーリとランボルギーニが「影響はゼロではないが、思ったほどは悪くない」としており、こちらの影響は小さいように思えるものの、なぜイギリスの自動車メーカーが揃ってこうも深刻な状態のなったのかはちょっと謎(イギリスの自動車メーカーといえど、販売比率からするとイギリス国内がずば抜けて多いわけではないので、イギリスの景気停滞は大きな要因ではないと思われる)。
なお、ベントレーは今回の解雇に合わせ、「仲間を失うのは辛いことだが、これも前に進むためには必要なステップであり、残った人々の保護に努める」とコメントし、加えて2025年に発売を予定していた新型EVは2026年まで計画を送らせるとも発表していますが、この「計画の延期」はベントレーのみではなく多くの自動車メーカーにとって共通する対策だと思われ、であればこういった状況を考慮し、欧州の排ガス規制についても多少緩和してくれないものか、と思ったり。
ただ、ベントレーに関しては暗いニュースだけではなく、2016年に生産を開始したSUV、ベンテイガの累計生産が2万台に達したと発表。
これはベントレーにとって大きなヒットであるのは間違いなく、もしベントレーがベンテイガを発売していなければ、このコロナ禍を乗り切ることができなかったかもしれませんね。
レクサスは新型ISの発表を延期
そしてレクサスは「新型ISの発表を延期する」とアナウンス。
つい4日前に、「6月9日に新型ISを発表する」という公式コメントがあったばかりなのになぜ?という感じですが、これはコロナウイルスの影響に加え、やはり不幸にも白人警官に撮影された黒人男性、ジョージ・フロイド氏への追悼の意味が大きそう。
現時点では「いつになるか」ということはわからず、ひとまず「延期」という投稿がFacebook上でなされたのみとなっています。
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ポルシェがIMSAスポーツカーチャンピオンシップから撤退
こちらはモロにコロナウイルスの影響で、ポルシェが911RSRにて参戦していた北米IMSAウェザーテック・スポーツカーシリーズから、2020年シリーズを最後に撤退する、と発表。
モータースポーツはポルシェのDNAであり、かつ重要史上である北米でのプロモーション上「欠かせない」レースではあるものの、やはりコロナウイルスの影響を考えるに「集中と選択」を行う必要があり、やむをえず撤退ということになったようですね。
ポルシェのCEOが交代?
こちらは直接コロナウイルスとは関係なさそうではあるものの、ポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏が親会社であるフォルクワーゲンCEOに就任する、という報道も。
フォルクスワーゲンはID.3とゴルフ8を発表したばかりですが、両方ともソフトウエアに関する問題にてデリバリーできない状態が続いており、これを打開するという使命が与えられるようですね。
そしてフォルクスワーゲンCEO、ハーバート・ディエス氏はCEO職を退くことになるとされ(会長職にはとどまる)、新しいポルシェCEOには(VWグループ傘下の)シュコダCEO、バーンハルト・マイヤー氏が任命されるとも報じられています。
こちらについてはまだ正式発表の段階になく、追ってなんらかのアナウンスがなされそう。