| エキシージはもともとエリーゼのレース専用モデルとしてのルーツを持っている |
ロータスが「エキシージ20周年」を記念してスペシャルモデル「エキシージスポーツ410 20thアニバーサリー(Exige Sport 410 20th Anniversary)」を発表。
この特別仕様車の大きな特徴は、登場した2000年から現在に至るまでの「歴史」を内外装にちりばめていることで、ボディカラー同色ルーフ/サイドエアインテーク/リアウイング、リアフェンダー上のストーンガードなどがそれに該当するのだそう(エキシージ・シリーズ1をイメージ)。
内外装は「初代エキシージをイメージ」
リアウイングの翼端には「20」のロゴが入って歴史を主張するほか、ボディカラーにもそのヘリテージが反映され、クラシックペイントとしてクロームオレンジ、カリプソレッド、レーザーブルー、サフランイエロー、アークティックシルバー、モータースポーツブラックが選択可能。
機能面だと調整式ダンパー、鍛造ホイール、クルーズコントロールが装備され、オプションだとカーボンファイバー製パネルや軽量リチウムイオンバッテリーといった選択もあるようですね。
搭載されるエンジンはエキシージスポーツ410と変わらず3.5リッターV6(トヨタ製で、カムリと同じエンジンだがスーパーチャージャーで加給して416PS)、トランスミッションは6速MTのみ、そして0-100km/h加速は3.3秒、最高速度は280km/hというスペック。
インテリアだとボディカラーにマッチしたカラーを選ぶことができ、ダッシュボードとシートバックには「20th Anniversary」のロゴが入ります。
快適面では衛星ラジオとブルートゥース、アルカンターラ巻きのステアリングホイールが標準装備。
ベースとなるエキシージスポーツ410は「エキシージ・カップ430」に比較するといくぶんマイルドな設定を持つものの、オイルクーラーやクラッチはカップ430同様。
一方でカップ430と大きく変わるのは「ダウンフォース」で、エアロパッケージの変更によって「+150kg」を獲得している、とアナウンスされています。
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ロータス・エキシージはこんなルーツを持っている
さらにエキシージの歴史を紐解いてゆくと、もともとはエリーゼのワンメイクレース用車両「スポーツエリーゼ」にまでたどり着きます。
これは純然たるサーキット走行専用車両ですが、多くの要望に答える形でロードカーとしての要件を満たすように改修され、647台のみが限定販売されていますね。
つまり、その生い立ちからしてエキシージは「ハードコア」であったわけですが、これはぼくが今までに運転したクルマの中ではブッチギリでスパルタンなクルマです(アルファロメオ4Cも、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテも比較にならない)。
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その後2004年にはエキシージもシリーズ2(Mk2)へと進化し、この世代の大きなトピックは「エンジンがトヨタ製となった」こと。
トヨタはもともとロータスと縁が深く(かつてトヨタはロータスの株式を所有していた。エスプリのテールランプはハチロクからの流用で、セリカXXの開発にはロータスが協力している)、これによってずいぶん信頼性が向上したと言えそう。
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その後は2012年にシリーズ3となり、エンジンはやはりトヨタ製を継続していますが、3.5リッターV6(2GR)へと変更されており、これによって大きく戦闘力が向上しています。
どうなる今後のエキシージ?
現行エキシージ(シリーズ3)は登場から8年画経過しており、そろそろフルモデルチェンジの声が聞こえてきても良さそうですが、ロータスは中国の吉利汽車に買収されたことでその方向性を大きく変更することになり、「発売直前まで」進んでいたと見られるSUVも一旦キャンセルされて仕切り直しとなっているようですね(自社設計から、グループ内で車体を共有する方向に)。
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よって、おそらくは存在していた「次期エキシージ」プロジェクトもリブートされることになりそうで、現在聞かれる予定では「現行のアルミ製押出材+接着シャシー」を改良しながら数年間使用し、その後に完全新設計のブランニューモデルを発表する」という計画。
その他にも様々なウワサがあるものの、現在の親会社である吉利汽車は「自動車メーカーでは世界有数」とも言える豊富な資金を持っており、かつ意思決定も速いため、ロータスにとっては「救いの神」となる可能性もありそうです(実際にエヴァイヤも発売できた)。
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「中国企業に買収」されるというと、ついつい悲観的になってしまいますが、ボルボは同じく吉利汽車傘下となってから見事な成長を見せているので、ロータスについても同様に飛躍を見せてくれるものと期待しています。