| ガソリンエンジン車の新車販売禁止はスポーツカーメーカーにとって大きな打撃 |
さて、ここ最近「前倒しで」ガソリン車の新車販売を禁止する国や地域が相次ぎ登場し、自動車業界へと大きな波紋を投げかけています。
とりわけマクラーレンのお膝元であるイギリスは2030年に「ガソリンエンジンのみで走るクルマ」の新車販売を禁止し、2035年にはハイブリッド車すらも禁止することを発表。
もともとスーパーカーは(当然ですが)パフォーマンス寄りの性格を持っており、エレクトリックモーターの苦手とする高い速度域での走行に特化しています。
そのため、ハイブリッドならまだしも、現在の技術で「ピュアエレクトリック」スーパーカーを”常識的な価格で”作ることは非常に難しいわけですね。
マクラーレンはこの機会を困難だと捉えている
そして今回、マクラーレンCEOであるマイク・フルーイット氏が語ったところでは、「これからの10年はチャレンジング」。
タイムラインとしては、すでにティーザーキャンペーンが開始された新型ハイブリッドスポーツ「アルトゥーラ」の発表を皮切りに、2026年までには全ラインアップをハイブリッド化し(けっこう早いな)、2028年か2029年にはEVスーパースポーツを発売する、とのこと。
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なお、このアルトゥーラについては、最新世代のカーボンモノコックシャシーを使用し、エンジンはV6ツインターボ、エレクトリックモードでの走行距離は32km、システムトータルでの出力は600馬力だと言われます。
とにかくポジティブワードで前向きな印象を
なお、この「チャレンジング」という表現は欧米のエグゼクティブがよく使う表現で、「困難」と同義だとも言われます。
なぜこういった言い方をするかというと、「困難」「無理」「不可能」といったネガティブワードを使うと、会社やブランドが消極的だと捉えられることがあり、上場企業だと一気に株価が下がったり、その責任を追求されたり、発言した人そのものが「やる気がない」と認識される模様。
よって、あらゆるネガティブワードをポジティブに置き換えるのがあちら流のやり方であるようですね。
ただし今回、マイク・フルーイットCEOは「マクラーレンは新しい時代に対応できる」と語るなど自身を見せており、しかし「現在イギリスではピュアEVの販売がせいぜい4%程度にとどまり、充電設備などインフラがEV時代に追いついていない」ともコメント。
つまり「心配なのはマクラーレンよりも環境」だと考えている模様。
マクラレーンはF1チームの株式を一部売却
そしてもうひとつマクラーレン関連のニュースですが、マクラーレンはアメリカのスポーツ投資家グループ、MSPスポーツ・キャピタルとパートナーシップ契約を締結し、マクラーレン・レーシングの株式15%を譲渡した、とのこと。
加えて2022年末までにはこの比率が33%にまで引き上げられるということもアナウンスされています。
そして当然ながらマクラーレン・レーシングの人事にも変更があり、MSPスポーツ・キャピタルからも人材が送り込まれることになり、インディカーとF1において競争力を高めるための活動が強化されることになるようですね。
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参照:Auto news, Bloomberg