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マクラーレンに復活の兆し?「カスタムオーダー比率が15%から70-80%に増加」「750Sは1年先まで生産枠が埋まっている」「顧客の平均年齢が50歳から44歳へ」

マクラーレン

| マクラーレンは新CEOのもと新しい戦略を採用しており、その方向性が正しかったことが証明される |

「カスタムオーダー率」は少量生産車にとって非常に重要な指標でもある

さて、マクラーレンが復調しているという嬉しい報道。

これによると、米国マクラーレン法人にてCEOを務めるニコラス・ブラウン氏の弁として「受注した車両の70~80%がカスタムオーダー」「750Sは2025年春(つまり1年先)まで完売」「顧客の平均年齢が50歳から44歳にまで下がった」という最新の傾向が紹介されています。

マクラーレンは紆余曲折を経てきたが

マクラーレン(正確には自動車部門のマクラーレン・オートモーティブ)は2011年にMC4-12Cを発売して市販スーパーカービジネスに参入。

そこから(顧客が一巡し)ちょっとした停滞を経ることになるものの、「675S」を発売したところで最初の飛躍があり、その後は一気に車種とともに業容を拡大しています。

ただ、コロナウイルスのパンデミックによってその勢いが失われたばかりか受注減、在庫増という苦境に立たされてしまい、あろうことか本社や子会社のいくつかを売却せざるを得ない状況へと陥ったわけですね。

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ここで明らかになったのは、フェラーリやランボルギーニが「すべて受注生産であり、コロナ禍においてもキャンセルが発生せず、それまでの受注分を生産し続けることで業績を維持でき、かつ新規受注の勢いが衰えなかった」のと比較し、マクラーレンでは「需要を先読みして過剰に生産していたため、引き取り手の無い車両が大量に発生して収入が減ったうえ、会社を維持できるだけの新規受注が入らなかった」という事実。

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現在マクラーレンは新体制にて立て直しを急ぐ

つまりは「需要よりも多くクルマを作って無理に販売するというスタイルを前提にした会社運営がなされていた」のだと考えてよく、しかしそういった責任を問われてかマクラーレンのCEOがマイク・フルーイット氏からマイケル・ライタース氏へと交代しており、現在マクラーレンは新CEOのもと、そして新たな出資元を獲得して出直し中であるわけですね。

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ただ、手持ち資金が減ってしまったこと、開発リソースが減少したことによって全く新しいモデルを開発することは難しく、よってアルトゥーラ、そして既存モデルの720Sを改良した750S、さらにはこれも改良版のGTSを発売することで当面の利益を稼ぎ、それと同時にニューモデルの開発を並行し進めているという状況ではありますが、新CEOのマイケル・ライタース氏はポルシェやフェラーリにて開発部門を率いてきた人物です。

その豊かな経験を活かし、就任後にはマクラーレンの問題を「品質」だと見抜いて製品の抜本的な品質向上に取り組むこととなっていて、実際のところアルトゥーラに関しては度重なる(品質改良のための)発売延期を行い、その甲斐あって現在デリバリーされるアルトゥーラは「当初のアルトゥーラ」と比較してもまったく別物の次元にあると言われます。

私がCEOへと就任した後、「過去のマクラーレンは、完成されていない状態の製品を発売し、そのまま顧客に提供することがあった」という話を内部から聞き、たいへんなショックを受けました。

ただ、アルトゥーラは、それをしなかった最初のプロジェクトです。クルマが熟成されていないことがわかったので、生産をストップしたのです。これ(発売延期)を行うことは、会社の財務状況を悪化させるリスクを伴いますが、私たちが行った非常に重要な変更でもあります。販売店やお客さまに伝えるべき重要なメッセージ、それは、これからは品質が重視されるということです。もう、”このクルマはすごく速く走るから、魅力的だから、多少の品質の問題は許してね”とは言いません。もう、そうではないのです。

マイケル・ライタース マクラーレンCEO
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そしてもちろん、750もまた素晴らしい品質を備えるスーパーカーであることは間違いなく、多くの顧客がその品質に満足し、「お金をかける価値がある」と判断したからこそカスタムオーダー率が向上しているのだと思われます。

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もちろん、このカスタムオーダーは車両一台あたりの利益を大きく押し上げることになり、それはロールス・ロイスやフェラーリの決算発表を見ても一目瞭然ではありますが、少量生産車メーカーの場合は「いかにこの比率を上げるか」が重要なファクターとなるわけですね(逆に大量生産を行う場合は足かせになりかねない。レクサスがここに踏み入ることができないのはそれが理由だと思われる)。

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ただ、この「カスタムオーダー率」について、たくさんオプションを提供したから向上するというものではなく、顧客がそのクルマに価値を見出し、愛着を感じなければお金を投じてカスタムオーダーを行うことはないものと思われ(事実、ぼくがそうである)、よってこのカスタムオーダー率(あるいは車両に対するカスタム金額投入率)はそのクルマや自動車メーカーへの「顧客の忠誠心」を測るひとつのバロメーターかもしれませんね。

そして今回報じられた他の要素、たとえば「顧客の若返り」についても非常に重要で、年齢が若ければ若いほど、その顧客が将来に渡ってそのブランドのクルマを買い替えたり買い増す”時間的余裕”ができることになり、ここが多くの自動車メーカーが「顧客の平均年齢を若返らせようと」する理由でもあります。

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参照:CARSCOOPS

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