
Image:McLaren
雪道でマクラーレン?…それでもやる理由がある
ハイブリッドパワートレーンにとって「寒さ」は大敵
普通の感覚なら、冬の雪道や氷の上でマクラーレンを運転しようとは思わないかもしれません。
ましてや、1,258馬力を誇る最新ハイパーカー「マクラーレン W1」であればなおのことだと思いますが、マクラーレンはあえてこのモンスターカーにピレリ製の専用ウィンタータイヤを装着し、極寒の地でのテスト走行に挑んでいます。
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スペックで見るマクラーレン W1
スペック | 内容 |
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トランスミッション | 8速デュアルクラッチAT |
最高出力 | 1,258 hp |
トルク | 988 lb-ft |
0-60マイル加速(0-96km/h) | 2.7秒 |
最高速度 | 350km/h |
氷点下での走行テスト:その目的とは?
マクラーレンはこの車の「限界性能」を証明するため、北極圏に近い雪と氷に覆われた湖上トラックでテスト走行を開始していますが、マクラーレンによればその目的は以下の通り。
「W1は、これまでで最も加速性能とラップタイムに優れた合法ロードカー。
しかし、私たちは過酷な環境下でも走れることが真のスーパーカーの条件だと考えています。」
このテストは、パワートレイン(V8エンジン+エレクトリックモーター)やバッテリー、電子制御システムが極寒状況において正常に動作するかを確認するための重要な試験であるといい、走行性能にとってというよりも、ハイブリッドパワートレーンにとって「重要な」テストということになりそうですね。
トラクション・安定性・トルクベクタリングの調整に最適な環境
ただ、「マクラーレン」と名がつくクルマであるからには信頼性に加えコントロール性も重要な要素であり、そして「氷上はクルマの電子制御技術を磨くには理想的な環境」。
グリップが限られる中で、トラクションコントロールやスタビリティ制御、トルク配分などがどこまで機能するかが試されることとなりますが、W1に積まれる4.0LツインターボV8エンジン+ハイブリッドシステムは1,258馬力を発生し、しかしこれを路面に伝えるのは「後輪のみ」。
それでも滑らかで直感的な操作感を維持する必要があり、今回公開された公式画像 / 動画では「まるで映画のワンシーンのような」氷上を華麗にドリフトする姿が見られます。
マクラーレンW1は斬新なハイブリッドコンセプト、そして強力なダウンフォースと優れたエアロダイナミクス、そして3Dプリントによって製造されたフロントサスペンションを持つという新世代のハイパーカーで、これまでのP1やエルバ、セナとは全く異なる設計を持っています。
よってこのW1はマクラーレンにとっても大きなチャレンジであり、まさに「走る実験室」とも言える存在なのかもしれませんね。
マクラーレンW1が表情テストを行う動画はこちら
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参照:McLaren