| 当時のオペルはゼネラルモータース、現在はプジョー・シトロエン |
なんとオペルが日本への再上陸を果たす、とのこと(昨年末にも一旦報じられていた)。
ちなみにオペルは2006年に日本市場から撤退していますが、それまでには様々な紆余曲折があって、というのも1993年からヤナセが輸入販売権を獲得するも、2000年には日本ゼネラルモータースが立ち上げられて輸入権は日本GMへと移管。
ヤナセはフォルクスワーゲンといいオペルといい、次々に輸入権を取り上げられることになりますが、オペルの場合はある意味で「ラッキー」だったかも。
オペルは日本撤退時に相当な安売りをしている
というのも、オペルは2000年にミニバンの「ザフィーラ」を発売していますが、これは「スバル・トラヴィック」の兄弟車。
そして日本での販売価格についてはオペル・ザフィーラよりもスバル・トラヴィックのほうが(装備が充実しているのに)ずっと安く、この状況について多くの人が「実はオペルはボッタクリブランドだったのでは・・・」と考えることになり、かつタイでの生産ということから日本のユーザーを納得させることができるだけの品質を持たなかったのもまた事実。
そういった経緯もあり、「オペルは高いのにすぐ壊れる」ということになってしまい、結果的に販売が縮小して日本市場から撤退することとなっています。
この時点でヤナセはオペルの販売店を閉鎖してオペルの販売を縮小していたのでダメージが小さく、影では「ざまあみろ日本GM・・・」と考えていたのかもしれません。
ちなみにヤナセは「オペル撤退」にあたって中古相場が底なしに下がることを懸念していて、しかし在庫をなんとか売らなくてはならないため、顧客に頼んで「オペルは日本から撤退するので、売るときには相当に安くなりますけど、その分値引きするんで買ってくれませんか・・・」とお願いして回ることに。
ただ、ヤナセの顧客は裕福な人が多く、ヤナセを信頼している人ばかりなので、「そうか、そんなに困っているなら、ちょっと子供にでも一台買っといてやろうかな・・・」という感じでけっこう簡単に在庫が捌けたとも聞いています。※もちろんメンテナンスはヤナセで見る
新生オペルは「旧」オペルのメンテナンスを受け付けない
そして驚くのはまだ日本には4,000台ものオペルが存在しているということで、しかし今回再上陸する新生オペルは「これらの、かつて販売されたオペルのメンテナンス等、面倒を見る気はない」。
そんな殺生なという印象ですが、これには理由があって、というのも現在のオペルはPSAつまりプジョー・シトロエンに買収されており、かつて日本で販売されていた頃のGM傘下ではないため。
よその会社が売ったクルマの面倒を見るいわれはないということに加え、日本撤退からずいぶん時間が空いているので、それらをメンテナンスするための設備を用意できないのだとも思われます。
新しく日本に入ってくるオペルは?
そして今回、日本に入ってくるオペルの車種も明かされており、まずは「コルサ」「コンボ・ライフ」「グランドランドX」の3モデル。
ちなみにかつてオペルが「コルサ」を日本へと入れる際には商標の関係で「ヴィータ(VITA)」を名乗っていますね。
まずこちらは「コルサ」ですが、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドがラインアップ。
イギリスでは225万円から購入が可能なコンパクトハッチです。
正確な情報はありませんが、サイズやパワーユニットから判断してプジョー208と車体を共有しているのかもしれません(オペルは、2017年に買収される以前より、PSAとの関係を強めている)。
そしてこちらはコンボ・ライフ。
プジョー・パートナーと共通の車体を持つ、と報道されています。
商用車ベースのミニバンですが、現地では305万円程度から購入可能。
最後はグランドランドX。
楽しそうな名前とは裏腹に、なかなか格好良いスタイルを持つSUVです。
現地価格は340万円程度で、プジョー3008やシトロエンC5エアクロスとプラットフォームを共有しているようですね。
ちなみにほかの乗用車ラインアップとしては「アストラ(ハッチバック)」「インシグニア(セダン)」といったものが本国でラインアップされていますが、現在は「カリブラ」のようなスポーツカーラインアップは存在せず、そしてPSAに吸収されたということから推測しても、今後ともにスポーツカーはラインアップされないのかもしれません。